石川遼を超えた小野裕二

2010-09-10 | 横浜F・マリノス
電車に乗ると扉前に1組のカップル。
恥ずかしくなるほどイチャついている。
男性の方を見るとファッションの所々にトリコロール。
まさか・・・マリサポではあるまいな・・・。
もしマリサポなら一言言わせてくれ・・・羨ましいぞ。


天皇杯2回戦。
横浜にとっては今大会の初戦となりました。
処は三ツ沢。

和司・日産・天皇杯とくれば・・・「優勝」という言葉が自然と連想される。
私も幼い頃には、天皇杯と言えば日産というイメージしかなかった。
それがいつの間にか、天皇杯と言えば苦い想いしか浮かばなくなった。
天皇杯はすっかり遠い過去のものになってしまっている。
和司にとっても天皇杯は特別な想いがあるに違いない。
和司の監督就任決定には「名門復活」の期待が掛けられた。
もちろんリーグ優勝、そしてこの天皇杯を獲ること。
何としてでも和司とまた天皇杯を掲げたい。

初戦の相手は去年と同じV・ファーレン。
昨年の対戦では長崎出身の千真の大活躍で完勝したわけですが、
この日のメンバー表にはベンチにも千真の名前はありませんでした。
練習でもゴールしてるし、自信を取り戻させるにはこのタイミングだと思ったんだけどな・・・

俊輔も古傷を痛めて大事を取って欠場。
GKも飯倉に替わり、秋元とメンバー変更。
なぜだか一抹の不安(笑)

序盤から、横浜主導で試合が進む展開。
相手が引いてくることもわかっていたので、予想通りの展開ではあった。
ただ相手のプレッシャーに腰が引けていたのか、
明らかに少ない運動量のためか、
攻勢といえども、思うようなパス回しができない。ミスも多い。
最終ライン→中盤→前線の繋ぎの部分でミスが出てしまう。
ここんとこリーグ戦でも序盤の戦い方というか、
スロースターターなところは気にかかるところ。
その中でもミドルを打つなどの姿勢は見せていたが、ゴールを割ることができず、時間だけが過ぎる。

こうなってくると展開はあまりよくない。
案の定の、カウンターからの一発。
敵ながら見事に決まったよね(苦笑)
あの場面では、まったくサイドの相手につくことができなかったし、
中でもフリーにしてしまった。あの切り替えの遅さと言ったら(苦笑)
横浜はなかなか得点が決まらない展開に徐々にポジショニングがずれ始めていた。
やっていることもバランバランで、その隙を見事に突かれた失点だった。

前半での失点だったので、個人的にはそれほど焦りはなかったものの、
スタジアムの雰囲気は一変した。
横浜は失点後も変わらず攻撃の主導権は握っていたものの、
やはりやっていることがバラバラ。
誰が守り、誰が組み立て、誰がシュートを打つのか、何なのか、G裏から見ていても全くわからなかった。
全てがバラバラなのでバランスも取れていない。
とても危うい状態になっていた。
それは精神的な部分もそうで、「今何をすべきか」その意思統一が選手間でなされていなかったように感じた。
前半終了間際、小椋が見せていた怒りは尤もだったと思います。

G裏の焦りは凄かった。
失点後のヤジといったら・・・あれは叱咤激励ではない(笑)
特に私の周りが凄かったんだと思うんだけどね。
近くにいた子供が言ったんですよ。
「なんでみんなおこってばっかりいるの?」
以前もこんなことがあり、その時に聞いた声を思い出しました。
「応援しないの?」

子供の言葉はまっすぐで、時にグサリと心に突き刺さります。
そしてどんな言葉よりも正論なんです。

応援しなきゃね、そりゃそうだ。
頭に血が上って、いいプレーにも拍手することも、声援を送ることも忘れてたらいけないよね。
改めてサポートの意味を考えさせられる瞬間でもあります。


ただピッチは、スタンドの焦りをよそに冷静でした。
ブーイングを受けて終わった前半とは全く違うゲームが後半は展開された。

まずはポジショニングの変化。
攻撃陣は揃って高めの位置取り。攻撃の起点がかなり高くなった。
そして健太の動き。
久々の先発となった健太だが、やはり周囲とのプレースピードの違いを感じる。
前半は特にその遅さが気になった。

一発の輝きはさすがだが、それだけでは足りない。
今の横浜のスタイルと健太のプレーには微妙にズレがある。
それがこのところレギュラー外が多いことの原因ではないのか。
それでも後半はギアチャンジ。
球際の強さも、粘りも見せた。
出来るんだから、最初からやらないと。
健太はもっともっとやれる選手だから、もっとやって欲しいよね。
和司もそう思っているはずだよ。

序盤から猛攻を仕掛ける横浜。
前半も攻めていたけど、得点に繋がらなかったのには、
チームとしてどう攻めるのか、攻撃の方向性が見えなかったところにもあると感じていた。
しかし後半はしっかりと統一された意識を感じました。
長崎のサイド裏が空いているのは、G裏から見てよくわかった。
前半でも左を突いているようではあったけど、もっと深くえぐってDFを崩す必要があった。
後半はしっかりと深く、執拗に崩して中へ送るという一貫した攻撃が出来た。
欲を言えばもっと中に厚みがあると更に迫力が出てくるのだと思う。
中の枚数が増えてくるといいよね。

あとは繋ぐのもいいけど、シンプルにクロスを入れるとか攻撃バリエーションを
もっと増やしていけたらいい。
ただ長崎のカウンターも注意しなければならなかったので、あれはあれでいいのかな。

攻撃の選手一人ひとりの意識がちゃんとサイドDF裏のスペースを使うということに向いていて
また実際にプレーも徹底されていたなと思います。
指示によるものなのか、選手達のそれぞれの考えによるものなのか。
いずれにしても後半はチームとしての闘い方を徹底し、選手一人ひとりがそれをよく理解していたこと、
またそれが結果的に3得点にしっかりと結びついたということはポジティブに捉えたい。

それにしてもゴール後の功治がかわゆい。
小野くんのハニカミは石川遼くんを超えた。


まあ何はともあれ勝利。
よくあの前半から修正してきたなとも思うけど、
出来るなら最初からやってくれよと(苦笑)

和司も試合後のコメントで言っていたが、
こんなもの、なのかもね天皇杯。
勝利が全てです。


小野くんのトップチーム初ゴールと、端戸出場おめ!!
若い力がチームを底上げし、盛り立てていって欲しいです。