花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

いつのまにか

2018年10月08日 10時11分07秒 | 母を想う
友禅染を思わせるような可愛い菊の花が
いつのまにか咲いていたのです
今年の夏はいやに暑い日の連続でその上に雨がよく降って
我が家の狭い裏庭にはどうしようもなく草が繁ってしまいました
夜明けを待って今朝は草取りを少しだけ
でもまだまだ草が沢山に私を嘲笑っているのです



ふとやさしい気分になれました
あの菊が咲いていたからです
来年はもっと花も葉も大きく育てたいです


今年は遅いと思っていましたが金木犀の花あっという間に満開です
馨しい香り待っていたのです




山茶花のつぼみがふくらんでいます
この山茶花はピンク色のつぼみですが花がひらくと真っ白く
やわらかな八重の花になります





母が亡くなった朝にこの山茶花が一輪だけ咲いていました
その年の最初に咲いた一輪でした
私にとってそのときは母の死が世の中にこんなにも悲しいものかと
打ちひしがれるような悲嘆のときでした
静かな夜明けに咲いたその花をみて
この花は母を見送る花なのかな
いいえあちらの世からお迎えの花なのかなと
私にとってはいづれにしても悲し過ぎることでした
でもあれから30年経ちました
毎年同じようにこの山茶花は咲いています
母から与えられた数々の慈愛を思い起こしながら今日があること
とてもとても大きな感謝です
それなのにこんなことを想うとどうしようもなく涙が出て文字もにじんでしまいます
そんなとき心の中で叫ぶのです
“あなたの娘です”と