ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

140128 浅田次郎の「ハッピーリタイアメント」を読む

2014年01月28日 | 辛口ひとりごと

久しぶりに図書館に行き、「浅見光彦シリーズ」の内田康夫や「月下の恋人」の浅田次郎や五木寛之の本などをさがす。浅田次郎のハッピーリタイアメント、内田康夫の坊ちゃん殺人事件、三浦佑之の口語訳古事記の3冊を借りる。ハッピーリタイアメントを読む。65歳で完全リタイアした自分がハッピーであったのかとの自問もあったのでこの本を借りたがこれはおもしろく書かれた小説だと判明。自衛隊と財務省をそれなりのポジションまでいったがノンキャリアゆえ55歳で定年、上司の計らいと称してまったく仕事をしなくとも高給とまた60歳で退職金をもらえる全国中小企業振興会という保障会社に天下る。そこで理事長の秘書と3人で時効となった不良債権の回収を債務者の良心に訴えることで3億5000万円を回収、外資系銀行口座に隠して、ハワイに逃避、3分割して「ハッピーリタイヤメント」と叫び乾杯して終わる話。まじめなリタイア後の生き方ノウハウ書ではない。自衛隊や、官庁の実態、この組織が財閥解体した後のベンチャー支援のためマッカーサーが作ったとか浅田次郎一流の視点から描かれており面白かった。保証人がいないと銀行は金を貸さない。借金が返済不能となった時に債務者にかわってこの保証会社が肩代わりして銀行に返済する。だから銀行は安心して起業家に金を貸した。私の親父もこの保障会社をよく利用したものだ。しかしながら小説家の構想力は大したものだね。浅田次郎自身が若いころ借金して事業に失敗、そのご小説家として成功、時効になった借金の返済を道義的責任でもって実行するエピローグが実話であるかのような錯覚を覚える。

今は年金暮らしの自分だが病気で通院しているわけではないし、趣味の生活ができてはいる。くそったれの組織のしがらみもない。だからハッピーリタイアメントか?70歳近くなって苦しんでいる、苦労している、そんな人々を身近にみないから感じないのかもしれないがね。昨日のNHKクローズアップ現代で10代、20代の女性就労者の半分が年収110万円以下の貧困状態にあり200万人くらいいるという。シングルマザーの経済事情は悲惨だね。女性が活躍する日本をつくると安倍総理は力説するが実態はひどそうだ。男は家庭を支えるべく外で働き、女は家をまもり子育てをする。安易にこの考えを否定する思想に女性は振り回されてはならないと思うがね。

今は左手指の関節の痛みくらいだからハッピーと感じないといけないのだろうね。感謝、感謝!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする