スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

マカロニ・ロケ地探訪 その1 - アグアカリエンテ 村を探す

2007年06月29日 | Weblog
GoogleEarthは、2007年バージョンになって、さらに機能も解像度もアップした。
アルメリア地方のみならず、スペインの荒野は、昨年はまだまだ衛星画像が準備されていなかった
が、今年になったら、ずいぶん見ることができるようになり、ロケ地探しにもずいぶん役に立つ。

マカロニ・ロケ地探訪シリーズ第一弾は、マカロニ・ロケ地の王道、「夕陽のガンマン」
アグアカリエンテ村だ。
ここは、「荒野の用心棒」オープニング、アンソニー・ステファン主演の「荒野のプロファイター」
やトーマス・ミリアンの「復讐無頼」なども撮影された由緒正しきマカロニ村だ。
村民のすべてがマカロニの大ファンだ。(ウソ)

準備するのは、Google Earthでも、GoogleのMapでも構わない。

まずは、スペイン。
ヨーロッパの西端、イベリア半島だ。(それは分かるね)
今回は南部のアルメリア地方だが、「続・夕陽のガンマン」のサドヒルはずいぶん北になる。

(クリックで拡大)

下の矢印のアルメリア地方を拡大。


さらに拡大。


「アグアカリエンテ村」の位置を確保。
白く見えるのはすべてトマトの温室だ。
「ミシュラン」の矢印は広大なミシュランのテストコース。
でっかいカミオントラックが、荒野を土煙をあげて走り回っている。
コースもうっすらと確認できる。

「アグアカリエンテ村」の位置を確保しながら、さらに拡大。


最後の決闘のサークルは、矢印の部分。

現在では、もっとはっきりと確認できると思うのだが、現在の衛星画像が配置されるのは
いつかな?
カメラの矢印は、決闘の後、イーストウッドが死体を馬車に乗せて去ってゆくのをとらえた
カメラの方向だ。

「夕陽のガンマン」「荒野のプロファイター」のこの村での撮影ポイントをまとめたのが
こちら
ちょっと画像が小さいので分かりにくいが、なんとなく「あのシーン」の村での位置関係が
理解いただけると思う。

(追加記事)
ちなみに、この村の唯一のホテル、と言うか民宿は「Hostal ALBA」。
気合入れて作りすぎたHPが重たくっておしゃれ。
全く著作権を無視したHP作りは、私を含めて脳天気と言うかなんと言うか…
ホスタル・アルバの店内にはこんな絵もある。


もっとすごいのは、こんなワインまで勝手に作っちゃってるところ。


とてもきれいな客室で、しかも格安!料理もうまい!
半島のほぼ中心部にあるので、ここに4~5日滞在すれば、マカロニのたいがいのロケ地を
くまなく訪問できる。

イタリアからの荷物

2007年06月27日 | Weblog
イタリアはジェノヴァにある「VideoCiak」からDVDが届いた。
最近は、DVDはここから買っている。
カタログには、古いVHSテープなどのマカロニもアップされているので、その動向なんかも
チェックできるからだ。
前回書いた「Edicola Fabbri」版のマカロニDVDとなると、手に入れるのに何かと難儀するが、
こういうシリーズは、何の気なしに買い物カゴにいれることができるので気楽だ。

先だって届いたスペイン版もすべて見ていないのに、消化不良のままイタリア版チェックだ。


TEX 魔境のガンファイター
これは、一応上下に黒い帯が入っているが、どういうサイズなのか知らない。
フルスクリーンではないが、限りなくフルスクリーンに近いサイズ。
画質は、まあDVDならこんなものかな。


I vendicatori dell'Ave Maria - Twilight Avenger
画質はいいが、タイトルバックの文字が一切ないぞ~
最後に「Fine」と出るだけ。オイオイ


Per una bara piena di dollari - Showdown for a badman
これはワイドスクリーンのものを見たことがない。イタリア版に期待していたが、なんだか
ビデオから起こしたような画質でがっかり。
しかし、メインタイトル、エンドタイトルにこれでもか!と言わんばかりに文字が並ぶ。


Il grande notte di Ringo - 夕陽の墓場
これは、2.35:1のワイドスクリーンで画質もいいので大満足。
ジャケの図柄も初めて見るデザインで面白い。

ガンマン牧師(TV) - Reverendo Colt

2007年06月26日 | Weblog
今まで、日本TV放映版をはじめとして、英語版しか見たことがなかったのだが、
そのメインタイトルの味気なさ(黒地のバックに白い文字のみで、しかも1分ほどと短い!)
には何か物足りなさを感じていた。

そんな折、最近、イタリア版「ガンマン牧師」のDVDを見る機会を得た。

とにかくメインタイトルには、びっくりしてしまった。ホント。

まず聴き慣れたジャンニ・フェリオのメインタイトルの音楽が違う。
旋律はいっしょだが、もっとメリハリのあっていかにもメインタイトルの音楽だ。
今までメインタイトルだと思って聴いていたのは、エンドタイトルだったようだ。

そして、やはりイタリア版は黒地に白抜きの文字だけではなかった。
しかも、マカロニの中では最もエロティックなメインタイトルではないか?!

別に問題はないのだが、控えめに画像を紹介。









レオン・クリモフスキー監督、やってくれちゃってたんだなあ~
とにかく脱帽だ…

しかし、こうして長年の自分の中の謎がひとつひとつ解けていくのは本当に嬉しい。

メインタイトルmp3



復讐無頼 - 狼たちの荒野

2007年06月22日 | Weblog
「TEPEPA」を聴いたのは、モリコーネのウエスタン集のLPが初めてだった。
その後、Cerberasレコードからアルバムが発売され、クリスティの歌が違っていて大騒ぎした。
トランペットの間奏部分が長く、迫力とスピード感があって、しかも1分ほど長かったのだ。
その後、シングル盤を手に入れて、LPコンピ盤に収録されていたのは、シングルバージョンだと
いうことが分かった。

その後、CDアルバムが発売されたが、そのシングル盤バージョンは収録されることがなかった。
今回、ヴェリタ・ノーテ版に密かに期待していたが…

この作品の極みは、エンディングにある。
テペパ亡き後、パキート少年がテペパの意志を受け継ぎ、革命の旗を翻して馬を走らせるエンディングに、クリスティの念のこもった歌が流れてゆく。
大変感動的なエンディングだが、ここに流れるクリスティの歌こそ、シングル盤に収録されながら
今だCDに収録されていないバージョンなのだ。



今回、カラオケバージョンまで追加されていたので、皿起しででもシングル・バージョンは
収録して欲しかったと思う。
う~ん、ちょっと残念。




夕陽の用心棒/リンゴー・キッド(TV)

2007年06月19日 | Weblog
ボクが中学2年生の時だったか。
確かゴールデン洋画劇場だったと記憶しているが、この作品が初めてTVで公開された時のことだ。

次の日の社会科の授業で、新任のY先生が、授業に入る前にいきなり「アメリカとメキシコの国境
に流れる川を知ってるか~?」と尋ねた。

「あ、先生、昨夜映画見たな…」と思わず嬉しくなったことを覚えている。

初めてTV公開された時のメインタイトル部分の吹き替えの大まかなセリフはこうだ。
騎兵隊:「ここはアメリカ合衆国の領土だ」
サンチョ:「へぇ~、いつリオ・グランデを渡ったんだろ?ちーとも知らなんだ」
「女房のやつ、どこへ行っちまったんだろ」
騎兵隊:「クリスマスだってのに、女房に逃げられたのかい」
ドギュ~ン、ドギュ~ン

ちなみに、このときのジェンマの決めセリフは「そいつはフィーリングの問題さ」
だった。

リオ・グランデに見立てたのかどうかは知らないが、馬車で疾走できるほどの浅いリオ・グランデ川
もなかろうて。
しかし、サンチョの手下たちが嬉々と水しぶきを上げて馬を駆る姿は微笑ましい。
その中でも、ドゥチオ・テッサリ監督自身が一番楽しそうだ。



タベルナスの荒野に繰り広げられる追跡劇の最中だが、(16分45秒あたり:SPO版)
丘の上をトラックらしき車両が走ってゆくのを見つけてしまった。



ところで、この初めてのTV公開時は、音楽はもちろん差し替えだった。
「星空の用心棒」と「さいはての用心棒」。

しかし、その頃、ジュークボックスの払い下げレコードというダンボール箱の中から、ボクは
「夕陽のガンマン」の4曲入りレコードを見つけ出していた。
そして、その4曲目というのが、この「夕陽の用心棒」の演奏版サントラだったのだ。
解説には、「ジーノ・パオリとの合作で、エレキ・ギターをベースに大変スケールの大きな曲
となっております」みたいなことが書かれていて、少年の心を大きく揺さぶってくれた。
その、傷だらけのレコードを、安いポータブル・レコード・プレーヤーで聴いていたので、
実際、TVで音楽を聴いた際、当時、「差し替え音楽」という概念が確立されて
いなっかったボクは、何がなんだか分からなくなってしまったものだ。

七人の特命隊 - スペイン版

2007年06月15日 | Weblog
今回のスペインでのDVDリリースの中で最も嬉しかったのが、この「七人の特命隊」だ。

ボクが今まで見た中で、最も長かったのはTVE(スペイン国営放送)で放映のもので、96分。
しかし、画質があまりよくなかった。
画質はまあまあだったのが、イタリア・ビデオ版(なぜか同じ会社のDVDはひどい画質だった)。
しかし、これはあちこちにカットがあって、92分足らず。

いわゆる、帯に短し、たすきに長しってところだ。

今回のDVDのソースは、ちょっとくたびれたフィルムだが、今まで見たどのバージョンよりも
群を抜いていい。

この作品は、フランスのCANAL+が版権を持っていたと聞いていたが、こういう形でリリース
される可能性もあるというのは嬉しいものだ。

最近、とみに騒がしくなってきたスペインのマカロニDVD群。
目が離せない今日この頃。

スペインは何かと送料など高くつくが、それでも、好きなマカロニを拝めるのならへのカッパ、
と強がりを言ってみる。

DVDGOでたいがい買えます。

「アグアカリエンテ」復活

2007年06月10日 | Weblog
ご存知「夕陽のガンマン」の後半の舞台となった「アグアカリエンテ」村こと、ロス・アルバリコクエス
(英語で言う「アプリコット」あんず)村の有名な決闘の場所となったサークルは、去年まで
建設資材置き場と化し、行く末は自然消滅してしまうのかと危惧されていた。

それが、去年の秋にすっかり補修されてよみがえったことは、このブログでも取り上げた。

さて、その後どうなったかなあ~、今年はスペインには出かけられないなあ~と思っていたら、
アルメリアに住むメル友から、面白い新聞の写真が送られてきた。



ロス・アルバリコクエス村で、なんと「夕陽のガンマン」ごっこが堂々と開催されたというのだ。

なんか、俳優は似てないけど、観客はいっぱいいて、新聞沙汰になって、こりゃ未来は明るいゾ!





Western All'Italiana #68

2007年06月08日 | Weblog
先だって、アメリカのトム・ベッツ氏が編纂しているファンジン「Western all'Italiana」68号が届いた。
届いたと言っても、PDFファイルで送られてきて、自分で印刷するのだから便利な世の中になった。
しかし、このファンジンも息が長い。

一昨年前に、トム・ベッツ氏とは、スペインでお会いした。
「南から来た用心棒」の冒頭のロケーションを探しながら、街道筋を歩いていたら、
けたたましくクラクションを鳴らして止まる1台の車があった。
なんだろう?と思っていたら、写真で見たことある3人の初老の男性(アメリカのマカロニ研究者!)
が「Garringoじゃないか?」と声をかけてくれたのだった。
たまたま、同時期に渡西していたとはいえ、そんな出会いもなかなか珍しいのではないかと思った。

さて、特集は、モリコーネのオスカー受賞に関する記事と、「ビバ マリア」のルイ・マル監督への
インタビュー記事。
それから、日本で公開されるのかどうか知らないが、アメリカ西部劇「Seraphim Falls」のレビュー。

(これは、是非劇場で見たいものだ)

そして、長い間レアな作品だったマカロニ、「Djurado」のDVDレビュー。
(正確には「DVDRレビュー」だよな)
ボクも、やっと去年の暮れくらいにイタリアTV放映版を見ることが出来た。
ジャンニ・フェリオの音楽は軽快すぎて、ちょっと気が抜けたし、まあ、たわいもない話だった。

「Djurado」は、こちらで購入可能。
The Drive-in Connection


復讐の脱獄・ガンマン無情

2007年06月07日 | Weblog
ボクにとっては大変思い出深い作品が、このたびスペインでDVD化された。

中学生(確か3年生だったか…)の時に、電波の入りにくいUHF局で放映されたもののひとつだ。
学校から帰ったら、すぐに屋根に登って、UHFアンテナを、その放映局の方向に向け、
コンバーターの中の可変コイルのネジをいじって、一番よく映るように設定。
映画が始まるずいぶん前から、TVの前で待っていたのを覚えている。
しかも、当時の我が家のTVは白黒!!
残念なことに、録音機器が全く用意できず、自分の耳と縦笛だけが頼りだった。

もちろん、当時の習わしとして、こういったマイナーな作品は、たいがいがメインタイトル
がカットされていた。
この作品もご多分にもれず、メインタイトルはなかったが、エンドマークの出るところで、
いきなりかっこいい歌が始まった。
もう、耳をダンボのようにして音を脳に刻み、すぐに縦笛で再現して、音符にしてメモをした。

録音機器に頼らない音の保存方法としては、最低のレベルだが、ボクにとっては最高の
録音方法だったようで、その後10年以上経って、海外のビデオを見るまで、かなり正確に
メロディは覚えていたと思う。

ともあれ、英語版、イタリア版、そして今回のスペイン版の画面を比較してみた。



これは、メインタイトルの題字の部分。どのバージョンもこのメインタイトルはワイド版だ。
ただ、イタリア版は、文字の切り替えの際に、弾丸が飛んできて、文字を炸裂させるような
効果があってとてもエキサイティングで面白い。

画質は、今回リリースのスペイン版は正直言って、いまいちだ。
ワイドスクリーンなのはとても嬉しいのだが、けっこうピンボケな画質なのだ。
アメリカのTV放映版が、フルスクリーンだが画質的には優れている。





ま、それでも、いずれも中学生の頃に見た映像に比べれば、月とスッポン。
しかし、中学生の脳に刻まれた印象は、ワイドもフルも、カラーも白黒も超越していて、普遍だ。



左から、スペイン版、イタリア版、そして英語版と並べてはみたが、確かに映っている範囲は違う。
しかし、思い出の中のエンディングは不動だ。

な~んて、オセンチで意味不明なことをダラダラ書いてしまった…

ストーリーなどは、いつかR.C.さんがご自身のブログで紹介してくれると思う。
うん、きっと。

お願いしま~す、R.C.さん。

Hands of a Gunfighter

2007年06月05日 | Weblog
1965年制作、クレイグ・ヒル主演の作品がスペインでDVD化された。
ラヴァニーノの音楽が、物語を表していて物哀しい。

独自のクレジットタイトルを付け加えてしまったのは、英語音声版のほうで、スペイン版こそ
オリジナルだと思う。

 英語版メインタイトル

ネガ反転したメインタイトルは、マカロニウエスタンらしいが、どうも新たに付け加えられた
ように思う。
エンディングも、英語版はネガ反転処理された画面になってしまうが、スペイン版のほうが
自然で感動的だ。

 左:スペイン版 右:英語版

スペイン版DVDは73分、英語版は76分、付け加えられたメインタイトル分多い。
フィルムの同じ部分に傷があるので、全く同じ原版を使用していると思われる。

ちなみに、最後の決闘シーンは、「続・荒野の用心棒」でジャクソン少佐が人間狩りをしていた所。
「さすらいのガンマン」ではジョーが吊るされていた牧場だ。
現在では、マドリッドの近郊のごく普通の家。
ロケーション

また、この作品に関するストーリーは、R.C.さんのブログのこのページをご参照のこと。