スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

「墓標には墓標を」TV公開作 1963年

2009年04月17日 | Weblog


このたび、めでたくスペインでDVD発売となりました!

「赤い砂の決闘」と同じ時期に作られたリチャード・ハリソン主演作品ですが、どちらも
負けず劣らず、なかなか楽しめます。

私は、個人的には、この「墓標には墓標を」の方が好きです。
単なる復讐物語ではありますが、復讐心を持つ母親に育てられた3人子供たちのそれぞれの
生きざまが見事に描かれた傑作だと思います。
ロバート・ハンダーが、銃に生きる男を好演、母親の意思を遂げる息子の一人を演じる
のですが、これがなかなかぴったりでした。
(リチャード・ハリソンよりも、ロバート・ハンダーの方が主演かな)

また、レオーネ監督がアルメリアでロケを敢行する前に、マルチェント監督は、すでに
アルメリアやマドリッドの主だった場所でロケをして作品を作り上げていたというのは、
評価されるべきことだと思います。
(アルメリアでマカロニを撮ったのは、ホアキン・マルチェント監督が最初)

アメリカ西部劇に限りなく近づけるために、ロディオ・ショーや投げ縄ショーなどの本格的な
ウエスタンらしいシーンを織り交ぜて話を進めていくあたりは、「初期作品」ならではです。
しかし、本場B級ウエスタンよりも、よく出来ていると思います。

リズ・オルトラーニによる、エルマー・バーンステインばりの勇壮な音楽は、特にラストで
感動的でした。

グロリア・ミランダは、3人のガキを育てるお母さんから、白髪まじりの中年域のお母さんまで
演じていましたが、やっぱり若い頃の姿は素敵です。









「復讐の4ドル」サントラCD

2009年04月12日 | Weblog
がちゃがちゃしたような、クツワムシみたいな音色のギリアの音楽ですが、ニコライはとても
うまく表現していますね。
かすれたジューズハープをはじくような音が聞けるトラックがありましたが、耳をそばだてて
聞き入りました。リズムに乗っていないような演奏が面白い!(#9)

トランペットの曲(#6)は聞かせますね。
さすがの演奏です。

「続・さすらいの一匹狼」のメロディもあったりしますが、実際「続・さすらい」のサントラ
の指揮もニコライなんでしょうか?

ともあれ、すべてのトラックが面白いです。
このCDも今後、ヘビロテで聞きますよ。

2年前にフランスで放映されたTVでの、ロバート・ウッズのお姿です。
あまり変わっていないですね(笑)。



「Il Figlio di Django」 サントラCD

2009年04月11日 | Weblog
いきなりメインタイトルにコーラスが入っていなくて拍子抜けしてしまいました…

いわゆるカラオケバージョンみたいなものなので、自分でかん高いコーラスを録音して、
音楽ソフトでミキシングして作るしかありませんな(笑)。
あ、そんなことしなくても、映画から録音すれば早いか…

ともあれ、なかなか面白い音のオン・パレードで楽しめるアルバムだと思います。
オムニバスアルバムに収録されていた歌以外はすべてステレオで音もいいですね。

ワイルダー・ブラザーズの一人、ジョンがメインテーマの「They called him Django」
を歌っていますが、フィルム・バージョンがちゃんと収録されていたのはうれしかったです。
彼らは、この映画の中に出演していて、酒場では二人で歌うシーンがあるのですが、
作曲がウミリアーニではなく彼らになるからか、その歌は収録されていませんでした。



テンポのいい、なかなか面白い曲なのに残念!


「I 4 Pistoleri di Santa Trinita」サントラCD

2009年04月08日 | Weblog
思ってもみなかった作品のサントラが発売になりました。
題名だけ見ると、なんだか胡散臭いコメディタッチのように思えますが、実はかなりシリアス
な内容の作品で、独特の雰囲気が漂う異色作だと思います。
ロケも見慣れないところで、アフリカ?

ただ、DVDはもちろんのこと、まともなビデオの発売もないようなので、近い将来、このCD
と同じように突然DVD化されないかなと期待しています。

イブリン・スチュアート扮するジュリーのテーマをピーター・ブームが歌っていますが、悲壮な
ラストを飾る名曲ではないかと思います。
ジャズっぽいメインタイトルは、なかなか面白い展開で聞かせてくれますが、いわゆるマカロニ調
ではないので評価は分かれるのでは。
ジュリーのテーマは、何度か繰り返し演奏されますが、どれもとても美しいと思います。

CDにはもう一曲「It was a joke」というタイトルの歌が収録されていますが、これは共演の
Valeria Fabriziが酒場で歌うナンバーで、クレジットでは「Cassia-Umiliani」となっており、
実際に歌っているのもVeleria Fabrizi本人で、ウミリアーニの作曲によるものだと思います。
ちなみに、ピーター・ブームの歌うJulieは「Cassia-Pregadio」とクレジットされていました。


It was a joke を歌う Valeria Fabrizi


悲惨な最期を遂げるJulie


ピーター・ローレンス扮するGeorgeの愛用はランダル・カスタム

Toto ciak 1966

2009年04月03日 | Weblog
このDVDは、「Il Grande Cinema di Totò」という膨大なシリーズものの1枚で、DVDショップ
などでは販売していない、「Fabbri Editori」という会社から発売されています。

「Totò Ye Ye」と「Totò ciak」という2作のカップリングになっていて、マカロニウエスタンは
「Totò ciak」の後半に収録されています。
現地イタリアでは1000円もしないと思います。

私は、この手のものを購入する際はebayを探します。

去年の暮れにこのDVDを見つけたのですが、「出品者は日本には送りません」と書いてあったため、
丁重に「日本に送っていただけませんか?」と頼んでみたのですが、答えは「ノー」でした。
諦めて、また別の出品者から買おうと思っていたら、今年の初めころに出品されていました。
今度こそ!と思ったら、また同じ出品者。
めげずに「日本に送ってくださいよ~」と泣きつきましたが、やっぱり答えは「ノー」でした。

万事休す…
しかし、なんとかして手に入れたい…

「あ、なんだ、簡単じゃん!」

ふっと思いつきました。
海外の友人に買ってもらって送ってもらえばいいのです。
何で、早く気が付かなかったんだろうと我ながら呆れてしまいました。

よく考えたら、私も海外のファンに頼まれてオークションで代りに落札したりしていたんだ…


トトのマカロニウエスタン

2009年04月03日 | Weblog
喜劇俳優のトトのマカロニウエスタンを題材にした作品があったことは、以前紹介しましたが、
最近、やっとそのDVDを買うことができたのです。

イタリア歌謡の映像をふんだんに盛り込みながら、トトがマカロニウエスタンの主演を演じる
という内容ですが、悪役はゴードン・ミッチェル。

マッチョな肉体をアピールするクレジットがいい!



一番のお目当ては、マウリッツィオ・グラフが歌う「夕陽の用心棒」の主題歌なんです。
口ぱくの収録ですが、彼が歌う姿は唯一の収録ではないかと思います。



イタリアン・ポップスもてんこ盛り。
モリコーネの作曲のドナテラ・モラッティの「1年以上も」、プールサイドで歌う彼女の
姿には感激でした。



なんと言っても、ジャンニ・フェリオがいいスコアを書いています。