「Once upon a time in the West Shooting a masterpiece」(昔々、西部で~最高傑作を撮る)と題されたクリストファー・フレイリン氏の著作が届きました。
1968年に制作された巨匠セルジオ・レオーネ監督が撮ったマカロニウエスタンの最高傑作とも言われている作品の撮影秘話を貴重な写真とともに著した本です。
この作品に関しては、マカロニウエスタン・ファンからは様々な所見があるのですが、私はイタリア人が描く西部劇「マカロニウエスタン」が最もアメリカ西部劇
に迫った、ある意味超えてしまった最高傑作だと思っています。
映画評論家をはじめとして、たくさんの映画ファンの方々が様々な評価をされていて、とても興味深いのですが、私としては、開巻10分ほどに描かれた映像に
いわゆる「西部劇」としての醍醐味が集約されているように思います。

非業な形で兄を殺された復讐のために、駅に降り立った主人公を待ち受けていた刺客を返り討ちにするシーンです。
返り討ちにするシーンの前には、刺客が主人公と対峙する場面がありますが、このショットが素晴らしい。

本文にも記されていますが、美術・衣装監督だったカルロ・シミの美学が顕著に現れていました。
馬に乗るために、高い位置まで割れたロングコートの「背割れ」。
このロングコートは、決してファッションのためのものではありません。
砂嵐や雨などから身体を守るために、実際にカウボーイが着用していたものなのです。
その背割れの裾が、風にたなびくショット。
無造作に積み上げられた枕木のプラットホームの上に立つ刺客の足元。
長いブーツのため少し上にまくれ上がってしまったズボンの裾。
ブーツの高いヒール、拳銃を抜かんとする手の描写。
これらは、偶然の産物ではなく、すべて監督が狙って撮った映像だと確信します。
刺客が返り討ちに会い、拳銃が手を離れて宙を舞い、のけ反りながら倒れていくシーンは、この本の扉の裏に堂々と現れています。

不謹慎ながら、あえて表現させてもらうと、「勧善懲悪」の美学だと思うのです。
最初の何ページかを読んだ感想です。
1968年に制作された巨匠セルジオ・レオーネ監督が撮ったマカロニウエスタンの最高傑作とも言われている作品の撮影秘話を貴重な写真とともに著した本です。
この作品に関しては、マカロニウエスタン・ファンからは様々な所見があるのですが、私はイタリア人が描く西部劇「マカロニウエスタン」が最もアメリカ西部劇
に迫った、ある意味超えてしまった最高傑作だと思っています。
映画評論家をはじめとして、たくさんの映画ファンの方々が様々な評価をされていて、とても興味深いのですが、私としては、開巻10分ほどに描かれた映像に
いわゆる「西部劇」としての醍醐味が集約されているように思います。

非業な形で兄を殺された復讐のために、駅に降り立った主人公を待ち受けていた刺客を返り討ちにするシーンです。
返り討ちにするシーンの前には、刺客が主人公と対峙する場面がありますが、このショットが素晴らしい。

本文にも記されていますが、美術・衣装監督だったカルロ・シミの美学が顕著に現れていました。
馬に乗るために、高い位置まで割れたロングコートの「背割れ」。
このロングコートは、決してファッションのためのものではありません。
砂嵐や雨などから身体を守るために、実際にカウボーイが着用していたものなのです。
その背割れの裾が、風にたなびくショット。
無造作に積み上げられた枕木のプラットホームの上に立つ刺客の足元。
長いブーツのため少し上にまくれ上がってしまったズボンの裾。
ブーツの高いヒール、拳銃を抜かんとする手の描写。
これらは、偶然の産物ではなく、すべて監督が狙って撮った映像だと確信します。
刺客が返り討ちに会い、拳銃が手を離れて宙を舞い、のけ反りながら倒れていくシーンは、この本の扉の裏に堂々と現れています。

不謹慎ながら、あえて表現させてもらうと、「勧善懲悪」の美学だと思うのです。
最初の何ページかを読んだ感想です。