スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

灼熱の戦場ですね…

2010年07月21日 | Weblog
暑中お見舞い申し上げます。

よくまあ、これほど温度が上がるものだと感心しています。

何か涼しい気分になれる画像ってマカロニの中でないかなあ~と考えていたのですが、
「Amore, piombo e furore」のジェニー・アガターの水浴シーンを思い出しました。

「荒野の大活劇」のシドニー・ロームや「ロス・アミーゴス」のパメラ・テフィンのシーンなども
頭をよぎったのですが、本当に涼しげで気持ちよさそうなのは、やっぱりこれかな。

ともあれ、上手に水分補給しながら灼熱の地獄を乗り切りましょう!


いぶし銀の2作

2010年07月18日 | Weblog
ワイルドイーストの新譜が届きました。

アンソニー・ギドラ主演ののかなり渋めの2作のカップリングDVDです。
「テキーラ・ジョー」あるいは「殺しの時が来た…」と「額に風穴」。

「テキーラ・ジョー」は、デ・マージの音楽です。
ラオールの歌は、どうも盛り上がりに欠けていて、個人的にはさほど心動かされる歌ではないようです。
客観的に聴くと、「情無用のならず者」の主題歌と、あまり印象は変わらないのかも知れませんが、
どこか違うのです。

酔いどれのギドラ保安官が、息子とともに悪に立ち向かいます。下着の赤いシャツにサスペンダーという
スタイルはすでにマカロニでは陳腐でしたが、ギドラ親分ならOKです。

「テキーラ・ジョー」は、何と言っても、まずその音楽が素晴らしいです。
ロベルト・プレガディオの地味ながらも、下のほうからグイグイ押し上げて来る様な、不思議なパワーを
持った音楽は魅力的です。
とても効果的に使われていて、静かなトーンの復讐劇をいっそう際立たせています。

全然関係ありませんが、今日自宅のガレージのコンクリートの隙間から、セミの幼虫が這い出てきて
飛び立つところに遭遇しました。



クマゼミです。
何年も地中で過ごして、固いコンクリートの隙間を手探りで探して地上に這い出てきた、この姿は、
どこか底なし沼から這い出てきたジャンゴの姿を彷彿とさせたので、思わずシャッターを押して
しまいました。


「マカロニ・ウエスタン 銃器 熱中 講座」

2010年07月17日 | Weblog
少しだけお手伝いさせていただいたおかげで、ちょっと早めに手元に届いた久々のマカロニ書籍です。

仕事をうまくさぼりながら、半分ほどあっという間に読んでしまいました。

思い起こせば、私がマカロニウエスタンに熱中したきっかけは、まず音楽でした。
そして、次に心奪われたのが、その銃器でした。
どこか、イタリア人の美学みたいなものを、うすうす銃器にも感じていたのかな?なんちゃって。

この書籍。
マカロニウエスタンに登場するあらゆる銃器に言及した、世界に類を見ないとてもユニークな
マカロニウエスタン研究本であることは間違いありません。

おやぢギャグが「続・荒野の1ドル銀貨」で出てきた妙なガトリング銃のようなテンポで発射されていて、
マニアックになりがちな内容に、クリープと言うか、ブライトと言うか、コーヒーに入れるベージュの粉
のような輝きを放っています。

銃器に興味のあるファンなら、存分に著者蔵臼氏の深い洞察に酔いしれること間違いありません。

銃器には興味のなかったファンも、今後のマカロニウエスタンの見方が変わること間違いなしです。

自称マカロニ銃器ファンの私でさえ、あらためて、マカロニウエスタンの面白さを再発見させていただいています。
こんなマカロニウエスタンへのアプローチがあったんだと、あらためて感動しています。
しかも、随所に盛り込まれている氏の博識さにも脱帽です。

レナード・マンの「ガンマン無頼・地獄人別帳」に関して、これだけ言及した記事も見たことありません。



一杯やりながら読んでいたものですから、つい面白くなってしまいゴソゴソと西部開拓時代の模造拳銃
を並べて楽しんでしまいました。

子供達の本棚に、気づかれないようそっと滑り込ませておこうかなと思っています。


マカロニ訃報

2010年07月13日 | Weblog
スペインの友人から「ワールドカップの優勝は嬉しいのだが…」という前書きで連絡がきました。

我らがアルド・サンブレル氏が先週の土曜日、10日にアリカンテの病院で逝去されたそうです。
1931年2月生まれですから、79歳ですね。

実にたくさんのマカロニウエスタンの名悪役として出演、マカロニファンで知らない人はいないでしょう。

「さすらいのガンマン」のDVDが日本で発売された際、アルド氏にお送りしたところ、とっても
喜んでいただき、ご丁寧なお礼の手紙をいただきました。
私の宝物です。



マドリッドに来たら連絡してください、と言われていたのですが、去年もその前の時も連絡せずにいた
ことが少し悔やまれます。
きっと大きくて柔らかくて温かい握手の感触が欲しかったな…

心からご冥福をお祈りいたします。


「Love is the fire of your own soul...」

2010年07月09日 | Weblog
マイク・マーシャル主演のマカロニウエスタン、「Vendo cara la pelle」の英語の歌が嬉しくって、
何度も何度も聴いているのですが、どうしてもも分からない部分があって、アメリカの友人に聞いて
もらったのですが、英語圏の人にも分かりませんでした(笑)。

すごいイタリアン・イングリッシュで、日本人にとっては分かり安い部分もあるのですが、
部分によっては、さっぱり見当もつかないのです。
なんて歌ってるのかなあ~?

マカロニウエスタンの歌というのは、いかにも!というかっこいいものから、とってもセンチメンタル
なものまで幅が広いではないですか。

私は、かっこいい歌はもちろんのこと、センチメンタルな歌もそれ以上に好きなのです。
この歌もとっても好きです。

だから、どうでもいいような歌詞だとは思うのですが、どうしても知りたいという好奇心が頭をもたげて
しまうのであります。

以下、イタリア語の歌詞と英語の歌詞です。
(英語の歌詞は、分からない部分がありますので、どなたか分かる方がいらっしゃったら埋めてください)

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Come se fosse gia autunno (もう秋の気配)

Come se fosse gia autunno
passo i miei giorni con te
Tu non conosci l' estate
che lei aveva con se

Come se il freddo del mondo
tu lo portassi con te
Sono soltanto un ragazzo
odio l'inverno che e in te

Voglio andare verso la citta del Sole
Voglio andare verso chi mi scaldera

Mile, mile suoni di chitarre al vento
Guideranno la mia strada
dove tu,non ci sarai...
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Love is Fire (愛は炎)

Love is the fire of your own soul
Through all the dreams you may have
Love is the thrill of a Spring time
When there the dream carries on
Love is the feeling of richness
(このライン、さっぱり分かりません)
Love is the… (以下、さっぱり分かりません)
When I will give you my life

Love is true, understand the meaning
Always pray that they should never die
Love is the thousand voices of dreaming guitars
Playing together songs that should be lessons of love

Love is true, understand the meaning
Always pray that they should never die
Love is the thousand voices of dreaming guitars
Playing together songs that should be lessons of love

Love is the fire of your own soul
Love is the fire of your own soul
.....
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それから、以前からとっても疑問だった英語タイトルのひとつ、「I'll sell my skin dearly」
ですが、これは、とってもおかしな英語への翻訳タイトルで、スラングでもなんでもないということが
分かりました。
単に「俺の命はべらぼうに高いぜ」みたいな意味だそうです。

いつか近い将来、ノーカットのイタリア版DVDがリリースされることを祈っています。

「Casa de Campo」 カサ・デ・カンポ

2010年07月07日 | Weblog
調査から1年経って、ようやくの更新になります。

今回は「アルカラ・デ・エナレス」と「カサ・デ・カンポ」という名のエリアになります。

ロケ地HP

アルカラ・デ・エナレスという町は、エナレス川の氾濫原の上に発展した町です。
広い原野は、現在たくさんの工業団地へと変貌してしまっています。
そのエナレス川の浸食によって出来た崖の続く風景が、うってつけのロケーションとなったわけです。

幸いなことに、崖の姿は当時から何も変わっていないので、比較的簡単にロケ地を特定できるのですが、
生い茂った草木と川と私有地の鉄条網にはばまれて、なかなかいい写真を撮ることができません。
とにかく、川を渡り、山を越え、歩いて歩いて歩きまくっての調査でした。

カサ・デ・カンポというエリアは、マドリッド駅の裏手の街なかにあたり、タクシーで出かけるしか
ありませんでした。
マドリッドの町の中を車を運転してゆくのは、外国人にとっては至難のワザです。

カサ・デ・カンポとは、カントリー・ハウス、田舎家とでも言いましょうか。
当時そのエリアにあった民芸館のような建物が、荒野の用心棒をはじめとして、いくつかの作品で
ロケーションとして利用されていたのです。

2年半ほど前に他界した、レオーネ作品のロケ地研究家ドン・ブルース氏から、だいたいの位置を聞いて
いたのと、友人がインターネットを駆使してある程度の位置を特定していたので、それを肉眼で確かめる
というのが昨年の調査の目的でした。

そのカサ・デ・カンポという民芸館は、超高級なレストランへと変わり果ていたのですが、なんとしてでも
店内で写真を撮る必要がありました。
そこで、我々は、開店前の掃除の時間を狙いました。

案の定、若いアルバイト風の男が店の前で掃き掃除をしていました。
「ちょっと中に入って見せてもらってもいいですか?」と言うと、「どうぞお好きなように」みたいな
感じで手を差し出して招いてくれました。
「ラッキー!!」
しかし、店内は調度品などがいっぱいで、なかなかいい写真を撮ることはできませんでした。
ぜひ、もう一度出かけて行って決定的なショットを、と思っています。