スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

「Four rode out」1970年 

2010年12月26日 | Weblog
1969年制作、1970年公開のスペイン/アメリカ合作のウエスタンですが、日本では未公開です。

マカロニウエスタンと言うには、ちょっと無理がありますが、ロケはすべてスペインのアルメリアです。
レスリー・ニールセンがほんとにムカつくピンカートン探偵者のエージェントを演じています。
見れば見るほどムカつきます(笑)。

この映画の特筆事項と言えば、主題歌を、あのジャニス・イアンが歌っていることです。
洋楽には全くと言って無関心な妻でさえ、ジャニス・イアンの「愛は盲目」を得意げに歌います。
70年代の中頃、彼女は日本では結構メジャーな存在でしたよね。
今でも、ご活躍だそうで、なんだかうれしくなってしまいました。

こちらでご確認ください。

ところで、この作品。
何年か前にアメリカでDVDがでましたが、私はビデオを持っていたので買いませんでした。
ある日、アメリカの友人からコピーを貰ったのですが、それを見て唖然…

ジャニス・イアンの歌う主題歌が違うのです。
でも明らかに口の動きと歌詞が合っていない。
どうして、こんなバージョンがあるのか…?

Four rode out 不思議バージョンwmv(約15M)

オリジナルはこちらだと思います。
歌詞と口は合っているように思いますし、歌詞も画面に合っています。

Four rode outオリジナルバージョンwmv(オランダ版ビデオ)(約15M)



し、しかし…
マカロニのデータベースやジャニス・イアンのファンサイトの情報では主題歌のタイトルは「Last time」
となっており、歌詞も明らかになっているのですが、実際の映画で流れる歌詞とは全く違っているのです。

いったいどういうこっちゃ??

彼女のデビュー後2~3年後の歌なのですが、レコード化はされませんでした。
2種類の歌がDVDで聞けますが、「Last time」なる歌は幻で終わるのかな…

そんなことを、このあわただしい年末に呑気に考えておりました。




「第11回 マカロニ大会」 のお知らせ

2010年12月19日 | Weblog
正月気分も抜け切ったドロ~ンとした頃に開催されるマカロニ大会の参加申し込みの件でご連絡します。

主催者DjangoさんのサイトのBBSではすでに告知されていますが、あらためてこちらでもご案内させてください。

Djangoさんのサイトのトップページ

こちらのメニューから「What's new!」をクリックし、さらにその最上段にある
「第11回マカロニ大会の案内をアップしました」をクリックしてください。

そこに年明け1月22日に開催されるマカロニ大会の詳細と申し込みフォームが用意されています。

濃いファンばかりが集うオタクの臭いがプンプンするような集まりではありません。
そういう方もいらっしゃるかも知れませんが(あ、私とか他何人?…)、マカロニウエスタンがお好きな方や
興味をお持ちの方なら、きっとご満足いただけるような楽しい企画満載のイベントです。

二の足を踏んでおられるファンの皆さん、時間と経費が許せば、ぜひぜひお気軽に愛知県まで足を運んでください。
「いやあ、参加してよかった~」と必ずご満足いただけるような企画などを用意してお待ちしています。

今回メインで上映するのは、「荒野のお尋ね者」字幕版です。
イタリア語発声版ですので、アメリカ版と違って、かのラオールの名曲「Seven Men」も劇中とラストに
きちんと流れます。
画面にからみつくようなイタリア語を聞きながら、ラオールの熱唱に酔い、普段誰とも交わせないような
マカロニのおしゃべりを公然としながら、ある意味この世の楽園にいるかのようなひとときを、ぜひご一緒しましょう。


ダニエル・パトゥッチの仕事~「Requiem for a bounty killer」1971年

2010年12月15日 | Weblog
この作品は、私の中ではかなり上位にランクされています。

特にメジャーな俳優が出ているわけではありませんが、全編に漂う暗く異様な雰囲気は
いかにもマカロニウエスタンです。

男が自分の牧場に戻ると、一家が惨殺されていたのですが、娘だけが乱暴されただけで
命だけは奪われずにすみました。
乱暴された娘の脳裏に微かな笛の音が…



別名タイトルの「死は笛を吹く」という通り、笛を吹く謎の男が最後には、生き残った娘
にライフルの銃弾を浴びるという壮絶な作品です。



そんなつらい過去を持つ娘が恋人と馬を進めるシーンで流れるのが、アン・コリンの歌う
「A man is made of love」です。

A man is made of love_mp3

同じメロディのインスト・バージョンがメインタイトルになります。

「続・荒野の用心棒」 大きなスクリーンで見ました

2010年12月09日 | Weblog
先だっての名古屋でのフィルム上映で、大きなスクリーン(マカロニ大会のスクリーンの方が大きいかも)
で、「続・荒野の用心棒」を見ました。

大きな画面で見たものですから、困ったものが目についてしまいました(笑)。

だって、見ている側は、画面の展開にのめり込んでいる訳ですから、余分な画像は要らないのです。
小さな画像なんですが、やっぱり興ざめしてしまうのです。

ま、マカロニだから仕方ないかな。

これは、有名なシーン。
ジャンゴとウーゴの手下のリカルドが酒場で殴り合うシーン。
カウンターの向こうに、カメラマンが…



40人引き連れて来い!と大見栄はった後の待機のシーンですが、送電線がジャマ!



カリバー砦を襲撃した際の画像。
白い車が走ってしまいました。



カリバー砦からの帰路、岩場では不自然な人影が。



実は、これらの映像がどこで現れるか、時間をメモしていたのですが、机上があまりに乱雑になっていて、
メモを失くしました。

私は、決してアラ探しをしている訳ではありません。
大好きなマカロニウエスタンですから、全身全霊を傾けて鑑賞しているので、異物が混入すると過敏に反応する
のではないかと思っています。(なんちゃって…アホか)

しかし、いつぞや紹介した、まひるさん提供の「リンゴ・キッド」のローマ空港の灰皿には、遠く及びません。

「バンディドス」 CD

2010年12月07日 | Weblog
今日、イタリアBEAT RECORDSから「バンディドス」のCDが届きました。

予想通り、歌はやはり権利の関係で収録はされていませんでした。
新規に3曲増曲されていましたが、曲数がどうも腑に落ちない…

音質は概ね良好ですが、トラックのタイトルと内容がLPのそれとどこかで違っているのです。

LPの最後は「Pistolero」というタイトルで、曲の中盤からメインタイトルのリピートが始まる
のですが、その同じ曲はCDでは「Assassination」となっています。
これは、LPでは「Pistolero」のひとつ前のトラックなんです。

なんだかいい加減な仕事してるな~

各曲の長さを調べていたら、間違いの根源が分かりましたが、もうずいぶん酔っ払ってしまった
ので、何が何だか分からなくなりました(笑)。

ま、そんなことはよしにしましょうか。

LPの時のジャケと見比べてみたら、拳銃のシルエットが少しリアルになっていました。
でも、これは、コルト・ビズリー・モデルのシルエットでしょう…



何年か前、フランスの友人と合作でコンプリート・エディションのプライベートCDを作ったことがあります。
その時のジャケはこんな風でした。



それにしても、エジスト・マッキの音楽はとても重厚ですね。
久しぶりに聞いて、あらためて聞き入ってしまいました。

ダニエル・パトゥッチの仕事 ~ Black Killer

2010年12月03日 | Weblog
ダニエル・パトゥッチのマカロニの中では、最もCDアルバム発売を熱望している作品です。

初めて聞いた時は、ニコライの隠れた名作かと思ってしまいました。
ピアノ、バンジョー、フィードルといった古典的な楽器に電子楽器を交えた作風は堂々たるマカロニ節です。
ダニエル・パトゥッチはセンスがいいですね。
様々なマカロニ音楽を消化して、そのエッセンスをうまく自分の音楽の中に表現しているように思います。

ただファンにとって残念なのは、この作品に関してはメインタイトルの楽曲がきちんと独立していないことです。
なんだかよく分からないうちに、タイトルバックが終了~みたいな感じです。

Z級のマカロニかな?と思っていましたが、なんのなんの。
分厚い本のページに細工したコルトを駆使して、任務を遂行する法律家をクラウス・キンスキが演じます。





おじさんにとっては生唾もののシーンあり(笑)、ツッコミどころ満載の銃撃戦ありの怪作だと思います。

でも、なんと言っても見所(聞き所)はダニエル・パトゥッチのセンスのいい音楽です。

メインタイトルにも少し流れる、疾走感あふれるテーマを英語版のエンディングから拾いました。
スペインで出たDVDのエンディングよりも、音楽の流れ方が充実しています。

エンディングmp3