スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

Totoのマカロニウエスタン

2007年05月30日 | Weblog
Totòが出ているマカロニウエスタンがあるということを、1年ほど前に知り合いから聞かされ、
最近、念願かなって、それに巡り合うことができた。

TV放送用に作られたシリーズの中の一編で、「Totò Ciak」というタイトルの中のウエスタン編だ。
約50分の作品で、前半は007シリーズのパロディで、後半の23分くらいがここに紹介するものだ。

Totòは、1967年の4月に亡くなっているので、まさしく晩年の主演作で、彼の唯一のウエスタン。

構成が面白い。
レポーターがスクーターの青年にインタビュー。
「どこへ?」
「マカロニウエスタンを見に…」
「ハリウッド・ウエスタンとどう違う?」
「断然面白いんだ。暴力的で、バンバン撃って、死体もゴロゴロ…」
みたいな(かなり適当な聞き取り)前置きがあって、いきなりマウリッツィオ・グラフが登場!

西部のジェントルマン姿で、「夕陽の用心棒」の主題歌を歌い出だす。
(音は、CDのとおりで、一応エレキギターの部分は、ギターをつまびいているところが可愛い)



続いてTotòが登場。
どうも、4人兄弟のひとりのようで、ゴードン・ミッチェル扮するリンゴーをこらしめる計画でも
立てているようだ。(あてずっぽ)

酒場では、アンナ・イデンティチ(左)らが歌っている。
(ここらは「西部のリタ」のよう)
右の3人娘は、誰だろう…?
クレジットには、「アレッサンドローニのコーラス」となっていたので、もしかするとコーラス員か?
とまた、ひとりよがりの推測。



ジャンニ・フェリオの音楽にのって、ロバにまたがったTotò が現われるシーンの演出は、
なかなかかっこいい。
このあたりからは、かのYouTubeで見られるとおりだ。



ご存知、ゴードン・ミッチェル。
その後、マカロニ・ロケ現場からのレポート風になり、



セットの片隅でギター片手に歌うボビー・ソロが現われる。
いい歌だが、初耳だ。



続けて、ボビー・ソロの当時の大ヒット曲「想い出の夢」が流れる中、エンドクレジット。



と、なかなかこじゃれた小品だ。
知り合いによると、これは、2003年頃のTV放映だそう。
DVD化を切に望むところだ。


貴重な映像を提供してくださったT氏に心から感謝いたします。


殺しが静かにやって来る

2007年05月29日 | Weblog

今回のリリースで復活した、この美しいシーンを見るだけで満足。

コルブッチの美学に、酔いしれる。




雄大なイタリア・アルプスの峰々をバックに、孤独なサイレンスの姿が印象的だ。




雪の結晶が見えるくらいの鮮明な画質に、日本語吹き替えで見ることが出来るなんて、夢のよう。

ブラバドスの黄金 

2007年05月24日 | Weblog
ヴェリタ・ノーテのマカロニ新譜が届いた。
ジャケのデザインも素晴らしい。

堂々の20曲の収録だが、解説や帯には今回はLPオムニバスから1曲が追加されたと書かれている。
ボクは、10年ほど前にリリースされた9曲収録のGDM盤しか知らないが、他にもリリースがあった
のだろうか…?
あったとしたら、ボクはうかつにも見過ごしていたことになるなあ…

ともあれ、今回の新譜の10曲近くはボクの耳に新しかった。

ボクが初めてこの曲を聴いたのは、友人のA氏所有のオムニバスLPに収録されたバージョンだった。
静かな曲調から一転してフルート、ハーモニカ、ジューズハープの乱れ撃ち、みたいな印象。
今回、嬉しいことにボーナストラックとして収録された!!。

ところで、前回リリースされたアルバムを聴いてびっくりしたのが、2曲目の「Ricordi」。
(今回の新譜でのタイトルは「seq#15」)。
実は、大好きなセルジオ・エンドリゴの「花は言えない」という歌と全く同じメロディラインだった
からだ。
メキシコ山賊のチャパカ率いる一族の行軍のシーンに流れるトランペットの素晴らしい曲だが、
トランペットが歌に変わっただけの、長さもコーラスも全く同じなのだ。

イタリア語のタイトルは「Camminando e cantando」、レコードにはバカロフの名前は一切ない。
指揮は「ジャンカルロ・チャラメロ」と「マリオ・ミリアルディ」、コーラスが「4+4」。
そもそも、解説によると「1968年のブラジル音楽祭のコンテストで2位になった曲」とある。
オリジナルを歌った「ジェラルド・ヴァンドレ」自身の作曲だそうだ。
エンドリゴのレコードも、1969年の発売だ。

う~ん、いったいどういう事情が隠されているのか…

花は言えない」歌:セルジオ・エンドリゴ
(原曲は4分以上の長さがあるので、さわりの部分のみ)

と、この「花は言えない」と「Ricordi(seq#15)」を聞くたびに、いつも同じことを思うのだ。

それはさておき、今回のリリースは強力だった。

あ、そうそう。映画では「La piu' grande rappina del West」からの流用がラストに流れる
のが愛嬌だが、今回のリリースでは、ちゃんとそのまま収録されていたのが嬉しかった。

ミネソタ無頼 - タイタンの逆襲

2007年05月22日 | Weblog
友人と「ミネソタ無頼」のロケ地のことで情報交換していたら、友人が面白いことを発見した。

「ミネソタ無頼」のオープニングに出てくる石切り場は、「タイタンの逆襲」でも見かけたと。

う~ん、確かに同じだ。

ミネソタ無頼


タイタンの逆襲

そもそも、マドリッド近郊のマカロニウエスタンのロケ地は、史劇映画のロケ地の流用だから
こんな一致も当然といえば当然だ。

今年は、仕事の関係などで渡西は無理だが、来年こそは、またヨーロッパの友人たちとスペインで
会いたいと思っている。

そういえば、「タイタンの逆襲」ってCD出てたなあ。
ルスティケリだし、どーしようかな…

情無用のジャンゴ - Special Edition

2007年05月14日 | Weblog

連休前に発売されたこのDVD,やっとゆっくりと見ることができた。
もちろん、新たに追加された日本語吹き替えバージョンで。

この映画を初めて見たのは、高校3年生の時だった。

隣だったか、前だったかの机の女の子に、「今日の夜やる映画見なあかんよ」と言ったら、
ちゃんと見てくれたらしく、次の日、彼女は「見たよ。なんかヘンな雰囲気の映画だったけど、
主人公の男の人がカッコよかったね~」と言ったので、妙に嬉しくなってしまったのを覚えている。

その頃から、ことあるごとにハチマキをするようになったし、素肌の上にベストを着るかっこよさ
も覚えた。(自己満足の世界)

その後、何度もこの映画を見る機会があったが、ロケに使われた町が「荒野の用心棒」の町
と同じだということが分かったのはずいぶん後のことだ。

このオープンセットは、70年代初頭に撤去されてしまっていて、現在では何も残っていない。
ただ、ポツンと馬の水飲み場だけが健在で、西部劇を知らぬ者が見ても、さっぱり分からぬ
遺物だと思う。





さて、このシリーズ、今後が楽しみ。



二階堂先生の勢い衰えぬ解説は、まさにマカロニ魂そのものだ!

ガンマン無頼 - スペシャル・エディションDVD

2007年05月07日 | Weblog
4月27日に発売になった「ガンマン無頼」をあらためてゆっくりと鑑賞した。

まず、前回2002年に発売になったDVDに比べて、うんと画質がよくなったこと。
そして、TV放映時の日本語吹き替えが収録されたこと。
AnchorBay版に収録されていたフランコ・ネロへのインタビューに字幕が付いたこと。
これらは、ファンにとってはとても嬉しいことだ。

フェルディナンド・バルディ監督の作品はすべて大好きだが、この作品は特に好きだ。
ドン・ポウエルの悲痛な叫びとも言える主題歌の流れる中、バートが弟の亡骸を馬に乗せ、
落ちる夕陽に向かって去ってゆくラストは、いつ見ても感動する。

これぞ、マカロニウエスタン!!

さらに、今回のシリーズで嬉しくなってしまうのは、当時のオリジナルポスターのデザインが
そのままDVDのカバーデザインとなっていることだ。

なかなか映画館に行けなかったボクは、当時、校区の四辻の角に立てられた看板のポスター
ばかりを下校時に眺めていた。

当時、この「ガンマン無頼」のポスターはほんとうにかっこいいと思ったものだ。
今見ても、古臭さを感じさせないシンプルなレイアウト。
なんと表現していいか分からないが、ただただかっこいい日本語のタイトルの字体。
このデザインを眺めながら、一人で焼酎の杯を傾けて、十分に楽しめる。

久しぶりに、「ガンマン無頼」のサントラCDを引っ張り出してきて、再生させてみた。
このアントン・ガルシア・アブリルによるアルバムはやっぱり最高傑作だ。
(彼による他の作品の音楽は、とても期待を裏切ってくれたけど…)


All'ultimo sangue - 地獄の幌馬車(TV)

2007年05月04日 | Weblog
ニコ・フィデンコ第3弾。

いやいや、これはなんと36曲の収録だ。
これでもか、これでもか!という勢いでChalecoのテーマが、アレンジを変えて登場する。

映画そのものは、「さすらいの一匹狼」と「情無用のコルト」から拝借したフィルムを
ところどころに挿入した、全く興ざめの作品なのに、どうしてこんなにたくさんのトラック
があるんだろう?と不思議に思う。



メインタイトルの映像は、「さすらいの一匹狼」のメインタイトルと全く同じ。



も少しなんとかならなかったかなあ…

ということで、この作品があるのも、このニコ・フィデンコの音楽のおかげだ。

コミカルで、軽快なトラックから、スケール感やスピード感を感じさせるアレンジのトラック
まで、バラエティに富んだ音作りを楽しむことができる。

いずれにせよ、制作から40年も経った今日、こんなアルバムが発売されるのは奇跡に近い。
ジャケットのデザインなども、文句なしに素晴らしい。
決して安い買い物とは思わないが、価値ある出費だと思う。

今後の珍品リリースを影ながら応援しています!



Uno di piu all'Inferno - 地獄へ逆戻り

2007年05月02日 | Weblog
フィデンコ・ウェスタン第二弾。
One more to Hell -「地獄へ逆戻り」「地獄へもう一度」「地獄再訪」…

なんかすごいタイトルだなあ~と思いつつ、作品を見直そうとベータテープを再生させたら、
いきなりデッキが止まってしまった…また故障かよ~…ガクッ

「復讐のガンマン」で「男爵」を演じたジェラルド・ハーターがスコープ付きライフルで、
頭にカボチャだかメロンだかのせて逃げるメキシコ人をターゲットに、射撃に興じるシーンで
映画は始まる。(ですよね?確か)
人間を撃たずに、カボチャだかメロンだかを撃つところが、なかなか人道的な気もするが、
ちょっとミスれば頭部に命中だ。
あ~、マカロニはやっぱり残酷だな。

と思いつつ、アルバムを聞く。
「西部の無頼人」が26曲の収録だったのに比べると、この作品は13曲。



「西部の無頼人」に比べれば、少し物足りない感はあるが、中身はなかなか面白い。
指揮が「西部の無頼人」のウイリー・ブレッツアからジャンニ・デロルソに変わっている。
そういえば、ちょっと音色が違うかな? うん、違うな、これは。
エッダのボーカルがフューチャーされた、コーラスが入り乱れるアレンジのトラックは
聞き応えがある。
久しく映画を見ていなかったので、こんな素晴らしい曲がどこに流れていたか、ちょっと
確かめたかったのだが、デッキが動かないのでは仕方ない。

どこか東洋的な旋律のトラックも面白いし、ジャンニ・ダヴォリのタイトルソングは2種類
収められていて、面白いアレンジのテーマから歌に移行する4分ほどのバージョンが感動的だ。

追記;

ベータデッキは修理へ。
VHSにダビングされたもの発見。
確かに、コーラスがきれいな曲は、馬で疾走するシーン2~3箇所に流れていた。
しかし、本編にはそう音楽は流れていない。
と考えると、13曲の収録は奇跡的だ。
そういえば、この作品のラストは、「さすらいの一匹狼」へのオマージュだったことを
思い出した。これを忘れていてはいけない。





Lo Voglio Morto - 西部の無頼人

2007年05月01日 | Weblog
畑で、夏野菜の苗を植えていたら、ニコ・フィデンコの新譜3枚が届いた。
アナウンスがあってから、手元に届くまでの早いこと!
オクラの苗を植えながらも、もう心はフィデンコ・ウエスタン。
畑仕事も早々に切り上げてしまった。
おいおい、モロヘイアの苗、まだ植えてないよ~
ええい、そんなもん明日!

包装を取り、シールを切り取り、ディスクをトレイにのせる。
playボタンを押して、おもむろにジャケを取り出して開いてみる。
演奏が流れるまでの、このなんともいえない期待感に溢れた短い至福のひと時。

通して聞いて、本当に感激してしまった。
心配だった歌も、ちゃんとイタリア語、英語の双方が収録されていた。
音質は素晴らしいし、映画に使われた曲はすべて網羅され、ボーナストラックがこれまた
泣かせるではないか。

レア・マッサリが、クレイグ・ヒルに同行を許されるシーンに見せる笑顔が好きで、



そのシーンにタイミングよく流れるアレンジの曲がとても気に入っていたのだが、ちゃんと
収録されていて、本当に嬉しかった。(#17:追跡)

よくぞ、こんな素晴らしいアルバムをリリースしてくれたものだと、あらためて感謝の意を表します。

また宝物が増えてしまった。