スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

「黄金の3悪人」

2008年03月25日 | Weblog
メジャーな作品の中でも、まだきちんとした画質のDVDが出ていない作品がいくつもある。
このカステラーリ監督の快作「黄金の3悪人」もそのひとつだ。


VCI Entertainmentというアメリカのメーカーから「Any gun can play」というタイトルで、
97分ワイド版のDVDが出てはいるが、画質がよくないのと、メインタイトルのクレジット
が簡素すぎる点に難がある。


同じく英語版だが、「I go, I'll kill him, and I'll be back」というタイトルのバージョン
もあり、こちらのクレジットは完璧で同じく97分だが、残念ながらワイドスクリーンではない。


ドイツからもDVDが出ているが、比較的(あくまでも比較的だが)画質はいいのだが、
10分ほどのカットがある上、これもワイドスクリーンではない。

ところで、メインタイトルに流れるラオールの歌う「Stranger」は、この作品の魅力のひとつ
だと思うのだが、上記3バージョンは絵と歌のタイミングがよくなくて、ちょっとがっかりして
しまった。

初めてこの作品を見たのはTV放映だったのだが、TV版の原版はイタリア版で、タイトルが
イタリア語で感激しただけではなく、ギターのイントロにからんで「ワン♪ ワン♪」と言う
女声コーラスに合わせて、流れる線路上にタイトルが「Vado...」「L'amazzo」「E torno」
と順次出てきて、音楽と絵の絶妙なタイミングにとても感激したものだった。
(これは単なる偶然だろうか…)



ロケ地の画像をキャプチャーしてみたのだが、それぞれのバージョンでこんなにトリミング
が違うというのも困ったものだが、まあ面白いと言えば面白いかも。


VCI-DVD -「Any gun can play」


English version-「I go...I'll kill him,and I'll be back」


German DVD

 
グラナダ県グアディス近郊

余談だが、エンドクレジットにきちんとラオールの名前が出てくるのは、英語版
「I go...I'll kill him, and I'll be back」バージョンのみだ。



さらに余談だが、予告編に流れるラオールの歌「Stranger」だが、よく知られた主題歌とは
別テイクで若干歌い方が違う部分があるのがとっても気になっている。
どこかから発掘されないかなあ…

BLOODY REVENGE IN TUCSON 「ツーソン・鮮血の復讐」

2008年03月22日 | Weblog
ここのところ、なんだか忙しくてゆっくりマカロニのことを考える時間がなかった、
というかサボっていたと言うか…ポリポリ…

さて、イタリア語のオリジナルタイトルは「Per un dollaro a Tucson si muore」。
うまく翻訳できないので、勝手に「死のツーソン」と呼んでいる。
(その昔、「Tucson」をツーソンと読めず「ツクソン」と読んでいた)

1964年制作のマカロニウエスタンで、主題歌はシングル盤で発売されている。
ノンビリとしたウエスタン・ソングといった印象の曲だ。

シングル盤のジャケは、このエンデイング近くのシーンの別の角度から撮影された
スチール写真が採用されたみたい。



最近、とても画質のいいドイツのTV録画を見たのだが、以前見たたイタリア版のビデオ
に比べて、数分短い。

見比べてみたら、タイトルバックに入る前のいくつかの西部の絵がカットされていた。
それと、エンディングの一部とエンドタイトルに続く絵も同様にバッサリ。



当然、そこにあった音楽もカット。
H.Ticalことアルマンド・シャスシャの音楽だが、かの「対決!ウィンチェスター銃」の音楽
を彷彿とさせない、奇妙なスタイルの音楽だ。



ということで、どうでもいいようなマイナーな作品の検証に時間を使ってしまったよう…

「ガリンゴが見つけ次第殺す…」

2008年03月13日 | Weblog
Sei già cadavere Amigo... ti cerca Garringo
(Dig Your Grave Friend... Sabata's Coming)

最近、イタリアでリリースされたDVDのひとつ。

直訳すると「ガリンゴが探し出したときには、すでにお前は死体になっている…」みたいな
なんだか物騒なタイトルだが、内容は全然物騒ではない。

リチャード・ハリスンとフェルナンド・サンチョ主演の隠れた名作(迷作)だ。
しかし、この作品は、かのマカロニ辞典でも、別の作品と混同されていて詳細が明らかに
されていないように思う。

実は、この作品は確か(私の記憶が確かならば)Arizonaさんが27~8年ほど前にイタリア
から輸入した8mmフィルムの中の一作品ではなかったかと…

タイトル曲は、エンリケ・エスコバール(ヘンリー・エスコバー)のかっこいい曲だが、
劇伴は、ステルビオ・チプリアーニの「男・馬・拳銃」のアレンジ・バージョンで占めら
ていた。

当時、誰かの部屋で、8mm映写会を開いたのだが、私はほとんど寝てしまっていて
内容をほとんど覚えていなかったのだ。
しかし、エンディングの、フェルナンド・サンチョが子だくさんの家族を率いている珍しい
パターンにびっくりしたのと、やはりチプリアーニの音楽が非常に印象的だったので記憶に
残っていたのだ。

でも、この記憶は合ってるかな…

ところで、このシリーズはイタリア語字幕入りなのが嬉しい。
翻訳して日本語字幕を入れて遊べる。


ブルーノ・ニコライ 「MOVIE  SONGS BOOK」

2008年03月12日 | Weblog
いろいろと聞いたり見たりすべきものが、一度にやってくるのも嬉しい悲鳴だよ~。
おかげで連日の更新だけど、ホントはとっても忙しいはずなんです…

ともあれ、このエディパン・レーベルのオムニバスCDは内容が濃すぎる。
大好きなニコライの歌が網羅された珠玉の一枚になりそう。

エッダの「コリ、コリ、コリ…」(走れ、走れ、走れ)としか言わない
「Allora il Treno」もついにCD化されて(初めてですよね?)感激。
初CD化ってけっこう多いのでは?

一番驚いたのは、テリー・サバラスの「地獄の荒野」(Land Raiders)の歌。
イントロは間違いなくサントラの演奏だが、優しいギターのイントロに切り替わった
直後から始まる男声の愛の歌…

なんじゃ、これ???

本来ならエレキギターのかっこいい間奏の部分に、語りが入るのもビックリ。

ともあれ、こんな歌は初めて聞きました…
カバーソングかなあ…謎の歌であります。

それから、、特筆すべきは先だってリリースされた「続・復讐のガンマン」の完全盤にも
漏れていた、最後にミリアンが「ヤッホー」と脳天気に叫ぶバージョンが収録されたこと。
これは、皿起しではなく、マスターからの収録とのこと。

しばらくは、このCDはヘヴィーローテーションかな。

「七人の特命隊」 WildEast版

2008年03月11日 | Weblog
WildEast版の「七人の特命隊」と「対決!ウィンチェスター銃」のDVDが届いた。

「対決!ウィンチェスター銃」は、イタリア版DVDに、そのまま英語音声をシンクロ
させ、メインタイトルの音声不良をドイツ版ビデオで補っただけ、みたいな仕様。
暗すぎるイタリア版DVDを、も少し改善して欲しかったなと思うが、特典映像がいいし、
なんと言ってもジャケのデザインが申し分ないので満足度は80%かな。

「七人の特命隊」も、やはりスペイン版DVDに英語音声をシンクロさせたものだ。
ちょっと黄ばんだような画面も改善されていない。
ドイツの友人が、色彩補正をしてなかなかいい色合いを出していたが、これくらいの
仕事はして欲しかったな。


上:スペイン版
下:補正後

しかしながら、こちらも特典映像が素晴らしい。
ケン・ウッドの40分ほどあるインタビューはとても面白かった。
いかに、当時のスタントマンがマカロニウエスタンに貢献していたか、延々と語られる映像
に感激してしまった。


「彼の名は復讐を叫ぶ」

2008年03月10日 | Weblog
最近届いたマカロニCDのうちの一枚、「IL SUO NOME GRIDAVA VENDETTA」を今日一日
仕事をしながら聞いていた。

今回、LP音源に新たに追加されたトラックは、どれもとても面白い曲ばかりで聞き応えがある。

主題曲のバリエーションはどれも素晴らしいが、特にスローなイントロで始まり、ドラマティック
なストリングスとエレキギターが炸裂する#16は短い曲だが大のお気に入りだ。

思えば、中学3年生の時に買った、キングの「MAX20」シリーズの未公開マカロニの主題曲
として初めて聞いて以来、そのメロディの良さに憧れていた作品だ。
数年後にArizonaさんにLP音源をカセットテープに録音してもらって聞いた感激の数々の
トラック。
その後、アメリカのオークションで妹に借金してまで、当時8000円も出して落札したLP。
ジャケのデザインの素晴らしさに呆然として思いをめぐらしていた頃。

そして、そのまた数年後、海外のビデオで知った、その内容の●●さ…

ジャケのかっこよさから作品を妄想していた頃のほうが良かったかな。

ともあれ、LPのジャケのデザインは素晴らし過ぎる。
(これは、アメリカのペーパーブックの盗作ではない)


Western All'Italiana ! #70

2008年03月07日 | Weblog
カリフォルニアのトム・ベッツ氏が発行しているマカロニ・ファンジン誌
「Western All'Italiana!」の70号が先だって発刊された。

何号か前から、PDFファイルでの発行となり、無料でダウンロードできる上に、代金を
送ったりする手間もなくなり誰でも手軽に読むことが出来るようになった。
もちろん印刷することも出来る。
便利な時代だ。

今回もなかなか内容が濃い。

以前アメリカの掲示板でカナダのMichael McQuarrie氏が何度か投稿していた記事が、
今回まとまった形で寄稿されており、大変面白かった。

マカロニのポスターの図柄は、ほとんどがアメリカの50年代、60年代のペーパーバックス
の表紙の図柄のコピーだというショッキングな内容だ。

長い間、マカロニウエスタンのポスターは、デザインの国イタリアの素晴らしい
産物だと信じきっていたので、その事実を知った時は愕然としてしまった。

以下、Michael氏の投稿画像からの引用。




とまあ、こんなかんじでいくつかの作品が紹介されている。
詳細は本号で。

現在、以下の2箇所でダウンロードが可能。

ttp://www.thedriveinconnection.com/
ttp://www.spaghetti-western.net/index.php/Westerns
(直リンクしていませんので、冒頭に「h」を追加してくださいね)

特に、spaghetti-western.netのサイトでは、1990年発刊のトーマス・ミリアン特集号
や1992年発刊のジャンニ・ガルコ特集号などもダウンロードできるようになっている。



「第九回 マカロニ大会」も無事終了

2008年03月02日 | Weblog
今年も三河安城にてマカロニ大会が開かれた。
西は九州熊本から、東は東京、新潟の柏崎と遠路はるばる参加していただいた同志たち。
本当にお疲れさまでした。

「荒野の10万ドル」に一部字幕のない部分があり、申し訳けありませんでした。
実は、別の難所に気をとられ、すっかり忘却の彼方に。

必殺のビンゴでは、「殺し屋がやって来た」のきれいなパンフをゲット!



大会の模様はこちらにアップしておきました。