ほとんどの人はご存じないと思うが,"Pen"という雑誌がある。と,若干居丈高な書き出しだが,かくいう私も,実は,今日はじめて書店で出会った。手に取った瞬間,独自のこだわりがあってなかなかいい味を出していると思った。最新号の特集は,「名作がいっぱい 映画のデザイン」。タイトルバック(キャスト,スタッフ等を紹介した部分),ポスター,字幕,ロゴといった普段は,本編の刺身のツマ的な役割しか果たさない脇役たちのために,全力投球したアーティストたちを集めた特集である。
この特集には,映画に対する強い 愛 を感じた。個人的には,タイトル・バックデザインの名手と言われているモーリス・ビンダーとの出会いが嬉しかった。
今日まで,「モーリス・ビンダー」という名前は,私の辞書にはなかった。が,あの「シャレード」の洒脱で当時としてはモダンなタイトルバックを作り,なおかつ,007シリーズのタイトルバックも長年手がけた人物と知り,私の脳裏に深く焼き付いた。
007といえば,シルエットを巧みに使ったタイトルバックは誰でも知っていると思う。私は,英国の水戸黄門といっても過言でないこのシリーズのフリークではないが,あのタイトルバックが流れる前の,前座的なエピソードは大好きだ。あの短時間で,いつもグイッと本編へと引き込む凝縮したストーリーには,マンネリ感はあるものの,いつも感心する。これをグイッと引き締めているのが,あの独特の美的センスを持ったタイトルバックと有名すぎるテーマソング。
そして,「シャレード」(オードリー・ヘップバーン&ケーリー・グラント)は,マンシーニの甘美な音楽が全編に流れる佳品だが,のっけから作品の中へと引き込むのが,台詞なしに映像だけで「おいおい!」と思わせる冒頭のエピソード。これに続くのが鮮烈な印象を残すタイトルバック,そして,タイトルバック直後にいきなりオードリーが瀕する危機…この展開だけで,もう映画の世界にのめり込んでしまう。タイトルバックを中心とした冒頭部分だけでも,「シャレード」は一見の価値がある,と思う。
というわけで,007シリーズとシャレードといった素晴らしいタイトルバックを創ったビンダーの存在を知っただけでもPenの最新号には大感謝。他にも,スペイン,チェコ等,普段は目が届かない映画の脇役も盛りだくさんに紹介されている。
こんな素敵な特集を組む力をもった雑誌の編集者はどんな人なのだろうと,興味深く考えた。しばらく,この雑誌から目が離せそうにない。
この特集には,映画に対する強い 愛 を感じた。個人的には,タイトル・バックデザインの名手と言われているモーリス・ビンダーとの出会いが嬉しかった。
今日まで,「モーリス・ビンダー」という名前は,私の辞書にはなかった。が,あの「シャレード」の洒脱で当時としてはモダンなタイトルバックを作り,なおかつ,007シリーズのタイトルバックも長年手がけた人物と知り,私の脳裏に深く焼き付いた。
007といえば,シルエットを巧みに使ったタイトルバックは誰でも知っていると思う。私は,英国の水戸黄門といっても過言でないこのシリーズのフリークではないが,あのタイトルバックが流れる前の,前座的なエピソードは大好きだ。あの短時間で,いつもグイッと本編へと引き込む凝縮したストーリーには,マンネリ感はあるものの,いつも感心する。これをグイッと引き締めているのが,あの独特の美的センスを持ったタイトルバックと有名すぎるテーマソング。
そして,「シャレード」(オードリー・ヘップバーン&ケーリー・グラント)は,マンシーニの甘美な音楽が全編に流れる佳品だが,のっけから作品の中へと引き込むのが,台詞なしに映像だけで「おいおい!」と思わせる冒頭のエピソード。これに続くのが鮮烈な印象を残すタイトルバック,そして,タイトルバック直後にいきなりオードリーが瀕する危機…この展開だけで,もう映画の世界にのめり込んでしまう。タイトルバックを中心とした冒頭部分だけでも,「シャレード」は一見の価値がある,と思う。
というわけで,007シリーズとシャレードといった素晴らしいタイトルバックを創ったビンダーの存在を知っただけでもPenの最新号には大感謝。他にも,スペイン,チェコ等,普段は目が届かない映画の脇役も盛りだくさんに紹介されている。
こんな素敵な特集を組む力をもった雑誌の編集者はどんな人なのだろうと,興味深く考えた。しばらく,この雑誌から目が離せそうにない。