昨日,今日と奄美地方では恵みの雨が降っている。
雨音を聞いているうち,ふと,以前訪れた沖永良部(おきのえらぶ)島の泉,暗川(クラゴウ)のことを思い出した。
地下ダムを持つ喜界島と同じく,沖永良部島は隆起サンゴ礁の島である。
降り注ぐ雨は,地中に染み入り,石灰岩層をすり抜け,不透水層にぶち当たり,石灰岩層の隙間をくぐり抜けるうちに,地下河川を形作って,海へと流れ込む…
この地下河川が,鍾乳洞の竪穴や横穴から垣間見える場所がある。
そこが,かつて,南島の貴重な水を求めて人々が集った場所,暗川(クラゴウ)。
暗川へ至る坂道は,急峻で,湿気を帯びた道は油断すると足を絡め取りにかかる。
1960年代初頭に簡易水道が設置されるまで,人々は,生命の泉へと水を求めて,桶を頭上に抱えて幾度も往復した。
この水汲みの重労働は,婦女子の仕事だったそうだ。
男は,海へ山へと狩猟に出掛けていたのだろう。
奈落の底へ通じる道というほどではないものの,暗川へ通じる道は今なお暗い。
一歩,また一歩と足を踏み入れるたびに,闇が支配する世界へと入っていく。
ひんやりと湿り気を帯びた空気が体中を包む。
暗闇の中,人々は,ぶつからないよう「ヘーヘーホーヌチュー」と掛け声を掛け合いながら行き交ったらしい。
沖永良部島では,暗川を中心に集落が発展していったらしいが,こんなエピソードも南島の生活の苦労を今に伝える。
そして,今,沖永良部島では,喜界島に続いて地下ダム建設を検討しているようだ。
現在の「底」と思われる部分に到着。
日中にもかかわらず,周囲は漆黒の闇。
吸水パイプはさらに先へと続いている...
苔生した階段に何度も足を取られながら,先達の苦労をほんの少しだけ感じる。
かつて人々が水を汲んだ場所へと降り立ち,帰路に着く。
地上に近付くにつれ,心なしか,空がハート型に見えた。
地下の空気に比べるとちょっぴり乾いた空気が向かえてくれた。
【2006.2.16 沖永良部島・知名町(住吉暗川) Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
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雨音を聞いているうち,ふと,以前訪れた沖永良部(おきのえらぶ)島の泉,暗川(クラゴウ)のことを思い出した。
地下ダムを持つ喜界島と同じく,沖永良部島は隆起サンゴ礁の島である。
降り注ぐ雨は,地中に染み入り,石灰岩層をすり抜け,不透水層にぶち当たり,石灰岩層の隙間をくぐり抜けるうちに,地下河川を形作って,海へと流れ込む…
この地下河川が,鍾乳洞の竪穴や横穴から垣間見える場所がある。
そこが,かつて,南島の貴重な水を求めて人々が集った場所,暗川(クラゴウ)。
暗川へ至る坂道は,急峻で,湿気を帯びた道は油断すると足を絡め取りにかかる。
1960年代初頭に簡易水道が設置されるまで,人々は,生命の泉へと水を求めて,桶を頭上に抱えて幾度も往復した。
この水汲みの重労働は,婦女子の仕事だったそうだ。
男は,海へ山へと狩猟に出掛けていたのだろう。
奈落の底へ通じる道というほどではないものの,暗川へ通じる道は今なお暗い。
一歩,また一歩と足を踏み入れるたびに,闇が支配する世界へと入っていく。
ひんやりと湿り気を帯びた空気が体中を包む。
暗闇の中,人々は,ぶつからないよう「ヘーヘーホーヌチュー」と掛け声を掛け合いながら行き交ったらしい。
沖永良部島では,暗川を中心に集落が発展していったらしいが,こんなエピソードも南島の生活の苦労を今に伝える。
そして,今,沖永良部島では,喜界島に続いて地下ダム建設を検討しているようだ。
現在の「底」と思われる部分に到着。
日中にもかかわらず,周囲は漆黒の闇。
吸水パイプはさらに先へと続いている...
苔生した階段に何度も足を取られながら,先達の苦労をほんの少しだけ感じる。
かつて人々が水を汲んだ場所へと降り立ち,帰路に着く。
地上に近付くにつれ,心なしか,空がハート型に見えた。
地下の空気に比べるとちょっぴり乾いた空気が向かえてくれた。
【2006.2.16 沖永良部島・知名町(住吉暗川) Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
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