vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

心に残る5つの映画(2005年)

2005-12-31 22:37:24 | 映画
一年の締めくくりに,今年観た映画の中で,印象に残ったものをまとめておこうと思う。
奄美大島には映画館が一軒しかなく,しかも,演目の入れ替わりが早いため,とうとうこの映画館(「シネパニック」という映画館)で鑑賞することはできなかった(来年の課題)。
そのため,ここでご紹介する映画も,旧作が多く,映画館で鑑賞したのは第1位の「エレニの旅」だけだが,どうかご容赦頂きたい。
なお,その他に今年観た映画の主なものの簡単な感想は,こちらにありますので,併せてご覧ください。

第1位 「エレニの旅」(2004年・希・仏・伊・独)
B000BFLABM
この作品は,ギリシャの映画監督テオ・オンゲロプロスが,構想2年,撮影2年をかけて完成させたもので,映画が総合芸術といわれる所以を久々に感じさせてくれた本格的作品である。
主人公は,ギリシャ難民の女性・エレニ。「エレニ」は,ギリシャ女性に一般的な名前であり,また,ギリシャの愛称でもあるらしい。
この映画の中で,止め処ない悲しみと涙に翻弄されるエレニは,ギリシャの近代史そのものを表している。

時は,ギリシャ史の中でも激動の時代の一つ,1919年から1949年まで,物語が関わる場所は,ウクライナ,ギリシャ,アメリカ,そして,沖縄と,時空を超えて展開する。
冒頭,ギリシャ人の入植地オデッサ(ウクライナ地方)から共産革命の煽りを受けてギリシャ本土へ「難民」として帰還した幼いエレニ達のシーンから始まる。
まずは,草原に立ちすくむ疲弊しきった難民たちを捉えた遠くからのショットが圧巻。
そして,彼らの目の前を覆い尽くすのは,水。
この作品では,生命のメタファーとしての「水」が随所に登場する。時に,優しく,時に,厳しく。
エレニは恋人と約束する。「いつか二人で河の始まりを探しに行こう」と。
しかし,その約束は,希土戦争(イズミル(スミルナ)等を巡るギリシャ・トルコ間の戦争),近親間の愛憎,洪水,第二次世界大戦,そして,大戦後の内戦と激流に弄ばれ,叶えられることはない。
この映画は,そんなエレニの激動の人生(運命)を描いた叙事詩だ。
モティーフには,峻烈なギリシャ神話のエピソード(オイディプスやオデュッセウス)も形を変えて盛り込まれている。
複数の人間が作り出す大きな「水」の流れに呑み込まれた,小さな「水」(エレニという生命。そして,小国ギリシャの運命)が辿っていく過程とその末路は,哀しみに満ち溢れている。

この「人の運命への哀歌」(アンゲロプロス監督)を包み込むのは,長大な長回しを伴った美しい映像と哀愁を帯びたギリシャの民族音楽。
映像は,ひんやりとした水の質感を保ちつつ,超絶的なまでに美しく,時の流れを忘れさせるほどに悠然と流れていく。
こちらで,映画のいくつかのシーンが見られるが,特に,水上の送葬のシーンは,具象でありながら抽象絵画すら想起させるような,深みのあるシーン。
また,ダム湖を使って入念に作り込まれた村のセット,そして,その崩壊の姿も,実物ならではの圧倒的迫力がある。
音楽は,流麗に流れ幸福なひとときを演出しながらも,事件が起きるたびに中断され,また新たな悲劇を生み出していき,物語の流れを巧みに支える。
感情を極限まで制御しきった役者たちの演技も,本作のテーマの前では,余計に涙を誘う。

これだけ総合的に完成された作品には久々に出会った。
この映画は,混乱と戦乱の世紀でもある20世紀前半を見事に描き切っている。
私がこの作品を映画館で見て半年が経つが,今でもこのレビューを書きながら涙が溢れて来るのを止められない。
デジタル全盛の世の中ではあるが,アナログなこの作品が21世紀初頭を代表するものになることは間違いないとさえ思える。

原題名は,英語だと"Trilogy:The Weeping Meadow(嘆きの草原)"
アンゲロプロス監督は,当初,Trilogy(3部作)として,1本の長編で20世紀全体を描く予定だったそうだが,上演時間が膨大になり過ぎることから,本作に続き,「第三の翼」と「帰還」と題する2作品を発表することに予定変更したらしい。
続く2作品が非常に待ち遠しい。

この作品は,上演時間は170分と長大,CGは一切使わず実物を丁寧に写し取る,ストーリーも実際の歴史的な流れを背景にしつつも若干抽象的,とハリウッド映画の対局にあるような映画で,この手の映画を見慣れていない人には,相当の忍耐を強いるかもしれない。
一般の映画と同様に鑑賞しようとするとたしかに厳しいかもしれないが,「映像,音楽を3時間にわたりゆったりと楽しめる」ぐらいの気持ちで臨めば,逆に物語がじんわり心の中に染みてくるのではなかろうか。
なお,本作品は,2004年ヨーロッパ映画賞国際映画批評家連盟賞を受賞しているほか,第48回 2006 朝日ベストテン映画祭(主催:朝日新聞大阪本社・朝日放送)の外国部門第1位に選出されているそうだ。
私は,この賞がどれぐらいの価値ある賞かは知らないが,そのおかげで,大阪では,2006年1月に再演されるらしい
アンゲロプロス監督の旧作も同時に再演されるようで,大阪在住の方が非常に羨ましい限りである。

また,来る年には,世界にまだまだ沢山いる「エレニ」の流す涙が少しでも減るように切に願う。
【評価】10点(10点満点)

第2位 「遠い空の向こうに」(1999年・米)
B0009EP0ES
1957年10月,人類が初めて打ち上げた人工衛星スプートニクが地球の周りを駆け巡った。
それをウエストバージニア州の片隅の炭坑町から見つめていた1人の少年は,やがて,大空への憧れを抱き,3人の仲間たちと力を合わせ,ある教師の支援を得ながら,無謀とも思える小型ロケットの打ち上げに無心に取り組む。
時代に取り残されて寂れつつある田舎町に埋没していくことへの閉塞感と焦り,頑固な父親との確執,幾多の挫折と克服,夢に向かって一生懸命に努力し続けることの大切さ等,どれもありふれたテーマではある。
また,世界中に色んな問題や矛盾があふれかえる中,本当にロケットを打ち上げることが必要なのかという根元的な問題が,心の片隅を駆け抜けるのも事実だ。
しかし,ともすると安直な方向へ傾きがちなこの世の中,hard workが重要だ,ということをもう一度思い起こさせる映画として,心に残った。
原作は,NASAのエンジニアであるホーマー・ヒッカムの自伝小説。
映画の原題は,"October Sky"
Octoberの一つの出来事が,本人の努力と相俟って,大きな人生を切り拓いたという,実直なサクセスストーリーであり,爽やかな印象を抱いた。
恐らく,自分自身がおかれている状況があったからこそ尚更心に残ったのだろうが,いずれにせよ,アメリカ映画の良い部分が凝縮された佳作であることは間違いない。
難病を抱えながら少年たちを支える教師役のローラ・ダーンの演技も優れていたが,主役を演じるジェイク・ギレンホールも好印象で,将来が期待できる。
旧作ではあるが,アメリカ映画にもまだまだ良い映画があると感じた。
【評価】9点(10点満点)

第3位 「スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐」(2005年・米)
B0000AIRN3
2005年は,「スター・ウォーズ」シリーズが終わった年である。
第1作から第3作まで勧善懲悪のSFに過ぎなかった「スター・ウォーズ」シリーズは,第5作と本作とで,俄然,深みを増した。
無償の愛(アガペーに相応するのでしょうか?)を捧げるべき存在だったジェダイが,それとは異質の,愛を失うことの怖さを覚えたとき,独占欲,支配欲や怒り,恨み等を抱き始め,邪悪なダークサイドへ落ちていくというのは,心理学,哲学,神学等の様々な要素の影響を受けているようで,興味深い(その方面に造詣が深くはない私は,「興味深い」程度で終わってしまうのだが…)。
それにも増して,イラク戦争が混迷の度を深め行く最中に,善と悪とが表裏一体・紙一重であることを暗示したこの映画が公開されたことには,何がしかの因縁すら感じる。
共和制に背を背けようとするアナキンに対してオビ=ワン・ケノービの吐く「私は民主主義に忠誠を誓った」との台詞は,この時期に聞くと,皮肉に響く。
民主主義の象徴であるアメリカが,「民主主義」を実現するために進駐し,多数の無垢の市民も巻き添えにしている中,その国内では,民衆の多数は,さほど真摯な考えも持たずに元首の導く方向性に安易に首肯しており,真剣な議論の結果には忠実に従うはずの民主主義システムが働いているようには思えないという状況においては,なおさら空虚でさえある。
それでも,民主主義システムよりマシなシステムは今のところないのであろうが。
いずれにせよ,「シスの復讐」は,超一流のエンターテイメントでもあるとともに,本年を象徴する作品であった。
なお,この作品でも,ユアン・マクレガー(「ビッグ・フィッシュ」,「ムーラン・ルージュ」ほか)は良い俳優だと思った。
【評価】9点(10点満点)

第4位  「ギルバート・グレイプ」(1993年・米)
B000A16QGG
これも古い映画だ。初見だというのが恥ずかしいぐらい。だが,良いものは良い,ということで掲げた。
所はアイオワ州の片田舎。夫の自殺を契機に過食症になり家の中から出ることさえなくなった母,知的障害があって町の給水塔に上りたがる弟(レオナルド・ディカプリオ)と2人の姉妹と共にギルバート(ジョニー・デップ)は暮らしている。
大きな夢もなければ,希望もない。
ただ,ごく普通に起きて,ごく普通に働いて,ごく普通に弟を風呂に入れて,そして,ごく普通に眠るだけ,そんな抑揚のない毎日が繰り返し訪る。
そんな兄弟の楽しみの一つは,一年に一度巡ってくるキャンピングカーのピカピカ光る隊列(何かのフェスティバルに行くらしい)が通り過ぎるのを見ること。
いつもは,その隊列も過ぎ去ってしまえばそれまでなのだが,今年に限っては,事情がちょっと違った。
ある少女(ジュリエット・ルイス)とその祖母を乗せたキャンピングカーが故障してしまい,彼女たちは,修理部品が届くまでの間,町に留まることになったのだ。
そして,ギルバートは次第に彼女に惹かれていき,やがて,ギルバートを中心として今まで完結していた生活の何かが崩れ始め,とうとう一家にとって重大なある事件が起きる…

この映画では,何かが起きそうで,何も起きないともいえて,全体として淡々としたトーンだ。
なのに,他では味わえない清々しさを感じ,そして何だかホッカリと心の温まる不思議な癒し系の佳品で,例えると,見終わった後に,爽やかな5月の風が心の中を吹き抜けるようなそんな映画。
内容的には,一言でいうと,家族の「絆」とその一方で感じられる「束縛」の狭間で,上手くバランスをとりながら,平凡な毎日をつつがなく過ごしていくことの大切さがひしひしと伝わる,そんな作品である。
ジョニー・デップが,平凡だが心優しいギルバートをサラリと好演。この人は,こういう役柄を演じさせると絶品。
そして,意外な発見が,ディカプリオの芸達者振り。弟役を見事に演じ切っていた。ディカプリオは,あのタイタニックぐらいしか観たことがなかったが,タイタニックでの演技振りとは打ってかわった名演技(タイタニックファンの方,ゴメンなさい!)。ディカプリオの演技だけでもこの映画を観る価値はある。
監督は,スウェーデン出身のラッセ・ハルストレム。あの「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985年・瑞)の監督でもあったことを知り,妙に納得。同監督の作品には,未見だが,「ショコラ」(2000年・米)もあるようで,いずれこちらも観てみたい。
【評価】8点(10点満点)

第5位 「パルプ・フィクション」(1994年・米)
B00005V1CJ
ギャングもので,台詞回しも長くてルーズ,無意味な会話が多いetc.拒否反応を示す方も多いであろう,題名通りの三文小説(pulp fiction)だが,造り自体が結構斬新で楽しめた。
時間軸を逆転させた映画には,「メメント」があるが,本作は,さらに造りが複雑で,4つの一見無関係なエピソードが,徐々に一つに収斂していくというもの。
強盗,八百長,薬物,ギャング等,アンダーグラウンドなエピソードだらけで,この映画を観たからといって自分が成長するとも思えないが,その世界に入り込んでしまえば,馬鹿げた会話の一つ一つも単純に楽しめる。
1994年カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したクエンティン・タランティーノ監督の出世作だが,キャストがまた凄い。
ブルース・ウィリス,サミュエル・L・ジャクソン,ティム・ロス,ユマ・サーマン,スティーブ・ブシェーミという誰が主役を張ってもおかしくない顔ぶれに加えて,極めつけは,ジョン・トラボルタ!贅肉がたっぷり付いてしまったトラボルタの仕草と台詞,そしてユマ・サーマンとのダンスシーンには笑えた。
まあ,たまにはこういう馬鹿馬鹿しい映画も良いかと思って,第5位に入れた。
【評価】8点(10点満点)

大晦日の夜に,徒然なるままに今年観た映画の感想を書いてしまいました。
最後までお付き合いくださりありがとうございます。
やはり日頃からこまめに書いてはアップしておかないとだめですねぇ。疲れました
来年も,地理的事情等から新作中心にはならないと思いますが,思い出したように,映画のレビューを書いていきたいと思います。

ということで,このエントリーが今年の最後となりました。
今年1年お付き合いくださりありがとうございました。
来年も新たな気持ちで取り組みたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
にほんブログ村 映画ブログへブログ村にエントリーしてみました。よかったらクリックしてください。

今年観た映画(2005年)

2005-12-31 22:33:59 | 映画
今年観た映画について,簡単な感想を書いてみます。
なお,2005年に私が観た映画のベスト5は,こちらにアップしてありますので,併せてご覧ください(文字数が1万文字を超えたので,2つのエントリーに分けました)。

●「ムーラン・ルージュ」:2001年・米。可笑しくて切ないミュージカル映画。ユアン・マクレガーの「ユア・ソング」が最高!【評価】8点(10点満点)

●「バッド・サンタ」:2003年・米・独。とてつもなく下品だが,市井のアメリカ人が抱えている問題を毒を持ちながら描いており,最後はなかなかにしんみりさせる佳品。サンタ役のビリー・ボブ・ソーントンがはまり役。なお,サンタさんを信じている人は絶対に観ないでください 【評価】8点(10点満点)

●「バーバー」:2001年・米。コーエン兄弟の描くブラックな世界。この作品でも,ビリー・ボブ・ソーントンが良い味出している【評価】7点(10点満点)

●「21グラム」:2003年・米。ある悲劇を切っ掛けに3人の男女の人生が大きく転換する…こちらも時間軸がズレる作品。ショーン・ペンは,良い人の役でも憎々しい顔で,気になる存在。まずまず【評価】7点(10点満点)

●「デッドマン・ウォーキング」:1995年・米。死刑囚の贖罪を扱った重苦しい映画。非道な犯罪と贖罪と遺族感情の慰謝と…答えはなかなか出ない。死刑囚役は,ショーン・ペンがはまり役。【評価】7点(10点満点)

●「群衆」:1941年・米。フランク・キャプラが,マスコミによる情報操作,群集心理の怖さ等を描いた古典的名作。ただ,結末の処理の仕方が,今ひとつだったので,厳しめに…【評価】8点(10点満点)

●「ハウルの動く城」:2004年・日。宮崎アニメは,ある種,安心して観られる。ただ,ちょっとこの映画は,皮相的で深みに欠けるかな,と思った。キムタクは,予想していたよりはアフレコ上手で,「泣き虫の魔法使い」という役柄にもマッチしていた。【評価】7点(10点満点)

●「日本のいちばん長い日」:1967年・日。岡本喜八監督。1945年8月15日の終戦時の玉音放送の録音レコードは,陸軍の反乱分子によって破棄される寸前だったという,終戦前夜の内幕や人間模様をドキュメンタリータッチで描いた映画。ドキュメンタリー系なので,映画としての評価は厳しめにしたが,歴史の作られる裏では,こんな動きもあったということは,知っておいても良いのではないかと思う。ちなみに,原作は,大宅壮一編纂の同名の書籍だが,現在絶版の模様で,残念。【評価】8点(10点満点)

●「真夜中の弥次さん喜多さん」:2005年・日。宮藤官九郎の初監督作品ということで,ちょっとだけ期待して観たが,期待はずれ。スポット的には,面白い部分はあるのだが,それが全体的に作品として統合されていない気がする。良いプロデューサーが付いて,うまく調理(切り貼り等)していれば,もっと面白い作品に仕上がった気がするだけに残念。【評価】5点(10点満点)

●「オペレッタ狸御殿」:2004年・日。鈴木清順監督。実は,東京で一本だけ映画を観る時間が出来たときに迷ったのが,この作品と第1位にした「エレニの旅」だった。この作品の評判も良かったので,とことん迷った挙げ句,こちらはレンタルDVDでも観られるが,「エレニの旅」は難しいかも,と考え,「エレニの旅」を劇場で観ることにしたが,大正解だった。この映画は,私には全く理解不能で面白くなかった。ストーリーは単純,映像はいかにも作り物,役者の演技も今ひとつ。役者の能力というよりは,どう演じて良いのか戸惑っている感じで,流石に,平幹二朗と由紀さおりは,独自の持ち味を出していたが… これが清順ワールドといわれればそれまでかもしれないが,私には合わなかった。観たことを後悔した映画は久々。【評価】2点(10点満点)
にほんブログ村 映画ブログへブログ村にエントリーしてみました。よかったらクリックしてください。

おーい雲よ!

2005-12-30 22:18:16 | ネリヤカナヤの海・空
青空に浮かぶ雲に 呼びかけたくなる。
おーい 雲よ!そんなに急いでどこへ行く?
おーい 雲よ!なぜに目まぐるしく形を変える?
おーい 雲よ!なぜに大島を覆いたがるの?
おーい 雲よ!元日ぐらいは姿を隠しておくれ!!!

★名瀬市中心部から一山越えた崎原から12月の太平洋を臨んで★

~年賀状をようやく書き終わり,何とか年を越せそうです。ただ気がかりなのは元日の空模様。今のところ降水確率50%ですが,『信頼性の低い奄美地方の天気予報』(「晴れ」との予報はしばしば見事に外れます)に期待して,一発大逆転に期待したいところです
にほんブログ村 写真ブログへブログ村にエントリーしてみました。よかったらクリックしてください。

茜雲

2005-12-29 20:56:08 | ネリヤカナヤの海・空
夕暮れ時に 移りゆく 雲の色を眺めるのも楽しい。
色んな形の雲が 時の流れに連れて 薄桃色から 薄紅色 そして茜色へと染まっていく。
少し澄んだ空気が彩りに花を添える。

★こちらも 12月の倉崎海岸の夕景★
にほんブログ村 写真ブログへブログ村にエントリーしてみました。よかったらクリックしてください。

広がり行く雲 果てしなき命の息吹

2005-12-26 23:52:44 | ネリヤカナヤの海・空
この日は,珍しく晴れ間が広がった。
そこにぽっかり浮かんだ白い雲。
そして,今まさに越年せんとするススキの穂。
体の芯からほっかりと暖かくなる。

★奄美大島 崎原手前の展望台にて。眼下に臨むは小湊集落★
にほんブログ村 写真ブログへブログ村にエントリーしてみました。よかったらクリックしてください。

もう一つのクリスマスプレゼント

2005-12-25 21:01:01 | ネリヤカナヤの海・空
昨日のエントリーでも書いたが,今日12月25日は,奄美群島の日本復帰52周年に当たる。
復帰運動の拠点ともなった「おがみ山」では,約400人が集って,復帰記念式典が行われたそうだ。
復帰の際の体験談,苦労話等を語り継ぐ人が年々少なくなり,いかに次世代に語り継ぐかが大きな課題となっているとも聞く。
式典には,小中学生も参加したようで,お年寄のお話は,無形のクリスマスプレゼントにもなったのではなかろうか。

今日は,奄美の住人にとってもう一つクリスマスプレゼントがあった。
午後2時に,「和光トンネル」(名瀬中心部と山を一つ越えた和光地区を結ぶ1820mのトンネル。総事業費134億円。片側1車線)が開通したのである。
実は,名瀬市中心部へ入る道は,片側1車線の国道(上記の「山」を海沿いに迂回するルート)で,中心部への上り線の夕方の自動車の混雑振りは都会並みで,下手をすると空港方面から名瀬市中心部へ2kmほど進むのに30分以上を要することもある。
その原因は,屋仁川(やにがわ。地元の人は『やんごう』という。『ごう』というのは「川」のこと)という歓楽街(奄美群島随一の飲屋街)へ向かう人たちの自動車の列がラッシュに拍車をかけているのではないかと思われるのだが,その真偽のほどはさておき,また,屋仁川で楽しんだ後のドライバーがその後ちゃんと自動車運転代行を頼んでいるのか疑問がなくはない,なんてこともさておき,混雑振りが激しい。
この和光トンネルの開通により,名瀬市中心部に入る道路がもう一本増えたことになり,これは,奄美のドライバーにとって,非常に嬉しいプレゼントである。
車の渋滞も相当解消されることが期待される。

今日の夕方,早速,和光方面からこのトンネルを通って名瀬市中心部へ向かったが,さすが新しいトンネルだけあって快調に走られる。
開通見学に来たと思われる観光バスも微笑ましい。
爽快な気分で,2km近くのトンネルを走らせ,出口に近付いたと思うと…なんと出口先の交差点からおよそ500m近い渋滞。
そして,この渋滞を抜けるのに,15分近くかかってしまった
結局,名瀬市中心部の道が細いため,パイプが詰まっている状態で,新しいインフラも,今日のところは実力を十分には発揮できなかったというところ。
もちろん,今日は,トンネルの開通日で新しい物好きの人たちが集まったこと,年末の三連休の最終日で買い物客が普段以上に集ったことなど,「想定外」の要因も重なったのかもしれない。が,中心部の道路が細いことは周知の事実で,例えば,欧州諸国の各都市で,多数実験されているように,中心部には車を入れさせないといったことが考えられないのか,単にトンネルを一本つなげて「一丁上がり」ではなく,総合的なインフラ整備の観点から,円滑な自動車通行をどのように実現するのか考えられたのか等,若干の疑問を抱いた。
もちろん134億円もつぎ込んでいるわけだから,当然その当たりは十分シミュレートされていたのだろうし,今日の混雑は,「初日」で「年末」であったからだと信じたいのだが…
このトンネルの先(南西側)には,「おがみ山トンネル」(2009年に開通予定)がバイパスとして建設されるようで,これが開通するまでは,「和光トンネル」の能力も十分には発揮できないのかもしれない。

写真は,龍郷町(奄美大島)の中央公民館前のイルミネーション。
写真とエントリーとがあまりリンクしていないのですが,クリスマス繋がりということでご容赦を。
なんだか,2日連続で,久々に文字の多いエントリーを書いてしまいました。
明日は,あっさり目で行きますので
★(屋仁川のことに触れたのでちょっと一言)皆さん 年末年始お酒を飲む機会も多くなると思いますが 飲酒運転は絶対にやめましょうね

聖なる夜に

2005-12-24 20:41:12 | ネリヤカナヤの海・空
今日はクリスマス・イヴ。
クリスマスと奄美は,実は,とても縁が深い。

第1に,奄美出身者には,クリスチャンが多い。
奄美在住の信者数こそ,5,000人ほどだが,鹿児島教区内のカトリック信者のうちの7~8割が奄美出身者等で占められているそうだ。
また,奄美には,32ものカトリック教会(巡回教会を含む)があって,仏教寺院はほとんど見かけないが,文字通り各集落に一つは教会がある。
このカトリック布教の歴史も,意外と浅く,1891年(明治24年)のフェリエ神父の来島に始まったに過ぎないというのだから,琉球王朝,それに続く薩摩藩の支配を受けながらも,宗教的には空白地帯の期間が長かったのかもしれない(むしろ,「ユタ」等の伝統的宗教が現在でも根強く残っているようだ)。

第2に,以前にも書いたが,52年前の12月25日は,奄美が日本へ復帰した日でもある。
アメリカ軍統治下に置かれていた間,奄美は,「基地産業」の恩恵を受けることもなく,かといって日本政府からの補助金等もなく,日本へ作物を輸出する際には「関税」がかかるなどしたため,経済的に相当疲弊し,沖縄等に移住する人も多数出たと聞く。
また復帰運動が盛り上がる中,神社での祈祷や断食なども行われたそうだ。
結局,1953年12月25日,沖縄ほどには戦略拠点としての重要性を奄美に認めなかったアメリカは,「クリスマスプレゼント」として,奄美群島を日本へ返還した。
以来,12月25日は,奄美にとって,忘れられない日となり,毎年,復帰記念行事が行われている。

ちなみに,復帰後の奄美の経済状況はといえば,農業,水産業,大島紬等が基幹産業で,沖縄と比べると観光客も少なく(年間約40万人),依然として,奄美群島振興開発関係予算(国土交通省所管。2006年度予算財務省原案では,約326億円)が頼みの綱。
その内訳は,およそ半分が,治水,道路整備,港湾整備等,その余が,農業農村整備等に当てられており,大半が公共事業であり,他の地方都市でも同様の状況があるとは思うが,旧態依然といえばそうともいえる。
ところで,鹿児島県本土の鹿屋市(かのやし)では,日米政府の中間報告で,普天間飛行場(沖縄)の米海軍空中給油機の移転先として海上自衛隊鹿屋航空基地が挙げられたことから,移転の賛否の激論が起きている(こちらのニュース参照)が,米軍の誘致が実現した場合,「騒音や事件事故が増える一方で,予算が付いたり,観光業が栄えたりすることも考えられる」との意見もあるらしい。
奄美内でも,先のような経済情勢を受けて,以前から,既に自衛隊駐屯地がある場所などでは,米軍誘致の意見もなくはないとの噂も聞く。
基地や原子力発電所を誘致する案というのは,日本の地方都市の経済浮揚策として定番なのかもしれないし,現段階では,それらの施設もどこかに作らなければならないことは否定できない。
しかし,この美しい海と森に恵まれた奄美には,できれば基地がない方が嬉しい。
そのためにも,できるだけ多くの人に,大自然を満喫するために奄美を訪れて欲しいと思う。

先日,2005年10大ニュースが発表されていた。
今年は,景気回復,株価上昇等の明るい兆しも見えたものの,内外での地震,水害等の天災や,低学年の小学生時を狙った凶行や相次ぐテロなど,「愛」のない事件も多く,全体的には,不透明・不安定な一年だったように思う。
そんな中,今,ブロガーの間で話題になっている,ドラえもん最終話『のび太くん、宿題は終わったかい!?』(マンガ版)を読んだ。
「ドラえもんの最終回」というのは,何度も噂にのぼり,例えば『ドラえもんの話は,全て,病院で病気療養をしているのび太の夢の中の世界だった』というようなものもあったと思うが,今回読んだものは,のび太の深い愛を感じるもので,以前のものに比べると完成度が高いと感じるとともに,爽やかな感じになった(同人誌系の雑誌からの転載のようで,著作権の問題がどうなっているのかちょっと疑問には思ったが… 追記:上記サイトは,その後閉鎖されたようです。同様のストーリーのFlash版はこちらから見られるようですが,マンガ版の方が味があったような気がする)。

来る年は,今年よりは「愛」に溢れた一年になることを願いつつ,徒然に書き綴りながら,聖なる夜を過ごすのであった。

★★★写真は,奄美大島にある「カトリック名瀬聖心教会」のもの。奄美のカトリック教会の歴史等については,こちらをご覧ください★★★

ポインセチアの花

2005-12-23 22:00:59 | ネリヤカナヤの海・空
クリスマスシーズンを代表する植物といえばポインセチア。
そのポインセチアが花を付けるのをご存じですか?
上の写真の赤いものは,花でも葉でもなく,「苞(ほう)」。
花はどこにあるかというと...
赤い苞の真ん中に黄金色に輝くのがポインセチアの花です。
また,メキシコ原産のポインセチアは,南国では成長が良く,庭に植えると,3~4メートルに成長するようです。
私たちが,街や花屋さんで見かけるポインセチアは,この木の先っぽの部分だったんですね。

今日の奄美は,昨日のアラレ混じりの天気から一転,久々に文句なしの晴天
名瀬中心部から一山越えた小湊(こみなと)という集落に出掛けたところ,はじめて,3メートルほどに成長したポインセチアの大木に出会いました。

気紛れメジロ

2005-12-22 21:41:54 | ネリヤカナヤの海・空
鳥の写真を撮るのは難しい。
このリュウキュウメジロの写真も,メジロは,横向き加減。
ちょっとこちらを向いたと思うと,ピントが少し後ろ寄り。
もう一枚,と狙った瞬間,飛び立ってしまった...

今日は,日本全国,雪で大荒れ。
皆さんお住まいの所は,大丈夫でしょうか?
奄美大島でも,雪こそ降らないものの,昨夜から(弱めの)台風並みの風が吹き荒れ,大変でした。
鹿児島空港が閉鎖(鹿児島市内で11cmの積雪)されことなどから,飛行機のダイヤが大幅に乱れ,本日はとうとう新聞(全国紙)が届きませんでした

★写真は,先日の好天時のもの。リュウキュウメジロは,本土のメジロの腹の両脇がブドウ色なのに対して,両脇が灰白色なのが特徴だそうです。★

北風に耐えて

2005-12-20 23:43:36 | ネリヤカナヤの海・空
寒風吹きすさぶ中,奄美では,ハイビスカスやリュウキュウツワブキなど,まだまだ沢山の花が咲いている。
香り立つようなサイヨウシャジンの花(写真)も,そぼ降る雨に濡れ,吹き付ける北風に耐えながら,咲き誇っている。
いつか照りつける太陽を待ちながら生き抜く力強さ。

★今日の奄美地方は,最高気温18度とポカポカ陽気でした

六調サンタ

2005-12-19 21:17:01 | ネリヤカナヤの海・空
まもなくクリスマス。
奄美大島の名瀬市内でも,都会ほどではないものの,クリスマスを意識したイルミネーションやオーナメントが飾られている。

そんな中,この三味線を抱いたサンタクロースは秀逸(名瀬市ティダモールにて)。
ハブ皮の三味線はもとより,サングラスとヒゲの生え方(ロックバンド ZZ TOPを髣髴とさせる)がファンキーで,右足も決まっていて,島のクリスマスっぽくてグッド
この衣装にマッチする島唄といえば...「六調」しかない!

皆さんのところへは,今年は,どんなサンタさんが現れそうですか?
サンタさんにならなきゃいけない人もいるかもしれませんが

(注)「六調」とは,奄美では,宴会,コンサート等の最後に唄われることの多い,アップテンポでビートの効いた島唄です。リズム的には,「阿波踊り」に近いものがあり,島唄初心者でも乗れます。
「六調」が始まると,一同総立ちになり,老若男女踊り乱れる,というのが島の習わしです。

一瞬の日差し

2005-12-18 20:23:38 | ネリヤカナヤの海・空
奄美大島は,12月に入って寒い日が続いている。
今日の最低気温は8度と,本土に比べると気温自体は比較的高いのだが,黒く厚い雲が立ち込め,氷雨がしとしと降り,北風が吹きすさび,体の芯から冷える。
こんな夜には,鍋に限る
上の写真は,今日,ほんの一瞬晴れ間が見えたときの空。
厚い雲の切れ間からお日様が顔を覗かせ,ちょっとエネルギーをくれたかと思ったら,ほんの一瞬でまた雲隠れしてしまった...