vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

黄金色のシャワー

2004-11-29 21:18:08 | 
日曜日の神宮外苑の風景。
お父さんに肩車されて,少しだけ不安げな女の子。

うららかな陽気に誘われ,黄金色のシャワーを体中に浴びた。

遠くに見えるのは絵画館。吸い込まれそうなぐらい濃い青色の空。

幸せなひととき...


★★★まだ青い葉もところどころにあったので,今週末までが見頃かと思います★★★



高尾山へ紅葉狩り

2004-11-28 20:52:15 | 
昨日は,高尾山へ紅葉狩り。新宿から1時間の小旅行。
上の写真は,薬王院の山門。6~7分ぐらいの色付き具合。


4号路にある吊り橋付近は,まだ色づいていない。
この紅葉が真っ赤に染まるとキレイだろうなぁ



富士山へ沈みかかる夕陽(高尾山頂付近より)。
ぼんやりとしか見られなかったけれど,それはそれで素敵な情景。
冬至の頃には,富士山の真ん真ん中へ陽が沈むらしい。
ただ,日没までいると真っ暗になって下山が難しくなるとのことで,日没を待たずに急いで帰りました



マンホールも紅葉!

晩秋の1日,暖かな土曜日のハイキングでした。
高尾山へは初めていったけれど,「山」というほど険しくなく,ケーブルカーを使って,気軽に遊べる場所でした。
紅葉は,来週ぐらいが見頃かな♪

六義園周辺の食べ歩き

2004-11-24 07:52:34 | 
六義園へ行ったら,周囲の散策もお薦め。
この辺りは,三菱財閥の広大な所有地を戦後に分譲しただけあって,広々としたお屋敷が多い。
一帯は「大和郷(やまとむら)」と呼ばれ,洒落た店も点在する。
ケーキなら,フレンチ・パウンドハウス。私は,ここのイチゴのショートケーキ・ルージュが大好き。
カフェ・クラナッハのコーヒーもお薦め。ここは,生豆を手作業で選別して,腐った豆等を取り除いた上で,自家焙煎する。建物も,お洒落なたたずまい。
散歩には,駕籠町周辺マップなども参考にしてみてください。

写真は,六義園の外壁。煉瓦の壁が延々と続き,なかなか良い雰囲気です。

六義園の夜は更けて

2004-11-23 21:23:29 | 
本日は六義園へ行った。モミジが目当てだったが,残念ながら,まだ二~三分の色づき具合。今週末ぐらいが見頃かも。上は,染井門(JR駒込駅から近い入口)付近のモミジ。これは鮮やかな色付き具合。
同じモミジがライトアップされるとこんな感じでなかなかの雰囲気。
でも,夕陽越しに見るモミジの方がきれいかも。

吹上茶屋方向を対岸から臨む。
この景色も美しい。

ムラサキシキブという木の実。
初めて見たが,その名に相応しく,鮮やかな存在感。

お月様もポッカリと浮かんできた。のどかな雰囲気。
日没後は,立ち入り禁止区域が沢山設置されるので,帰りはチョットした迷路気分。のんびり散歩して帰りました。

★★★今,都立庭園では,紅葉めぐりスタンプラリーを実施中。3つのスタンプを集めるともれなく「花のカレンダー2005」をもらえる。旧岩崎邸に続いてこれで2個目のスタンプ。あと1個だ★★★

レトロな風景(その3)

2004-11-21 14:30:20 | 美術
イスラム風の美しいタイル。玄関に入っただけで,素敵な装飾品との出会いが予感できる。


穏やかな色のランプが照らす絢爛たる模様の壁紙。
今では失われつつある「金唐革紙(きんからかわかみ)」の技法を用いた眩暈さえ感じるような美しさ。
この空間だけ100年の時が止まっているように感じられる。



天上はひたすら高く,ところどころにある煖炉。
落ち着いた空間。



イオニア式の装飾の施された列柱の立ち並ぶベランダ。
差し込む緩やかな日差し。


広大な芝生と大きく開けた空。
都心に広がる美しくも贅沢な空間。

ここは,湯島の旧岩崎邸庭園。
1896年にジョサイア・コンドルの設計により,三菱を創設した岩崎家の邸宅として建てられ,外国人や賓客を招いてのパーティーに使われた華やかな舞台。
第二次世界大戦後にはGHQに接収され,秘密工作機関 キャノン機関の活動拠点としても用いられたという歴史を持つ。

洋館の全貌はこのとおり。
ため息が出るぐらい美しい建物。

隣には和館もあり,こちらも素晴らしい意匠の建物。
橋本雅邦作の障壁画が残る。ただし,美しかったであろう富士山は,色褪せてほとんど判別ができないのが残念。


金唐革紙の製作実演もやっていた。
木の枠に槌様の道具で革を打ち付け,錫,金等を用いて仕上げていく,ひたすらに労力を要する仕事。
この作業の積み重ねが,他では体験できない豪華絢爛な空間を生み出す。



旧岩崎邸は,建物自体が美術品。特に大規模な企画展等があるわけではないけれど,秋の1日気が向いたらフラリと出掛け,ゴージャスな雰囲気を味わうのもよいものです。

入園料400円。
ただし,はとバスのルートに入っているようで,時として大量にお客さんがやってくるので要注意。
この点を差し引いても足を運ぶ価値はあると思います。

★★★11月27日(土)には, 「二胡と揚琴の演奏会」も行われるようですよ★★★

厚岸のカキ

2004-11-19 20:26:34 | 味わい
本日のディナーのメインは,厚岸のカキ。以前,釧路へ訪れたときに味わった炭火焼きのカキ以来,ず~っと狙っていたんだけど,漸く,本日食しました。
ちょっと小降りだけれど,美味い!
もちろん生で味わいました。
北のきれいな海で育っただけあって,混じりっけなしの美味さです。
締めは,一緒に搬送されてきた特大のアサリと,唐辛子とオリーブオイルだけで作ったシンプルなパスタ。
素材が良いと,料理人の腕は関係ないようです。
至福のひととき

解禁!ボージョレ・ヌーボー

2004-11-18 21:22:10 | 味わい
今年もボージョレ・ヌーボーの季節がやってきた。熟成されたワインの方が,味わい深く美味い。が,爽やかで華やかな香りと味わいは,ボージョレ・ヌーボーでしか体験できない。解禁日が近付くと,豊饒の秋がピークを迎えた,といつも感じる。
今年は,過去最高の85万ケースが出荷されたという。これは4年連続で世界一の輸入量。やはり日本人は新しい物好き。
今日は,写真右端のルイ・ド・ジョリモンのキュベ・トラディションを味わった。
ノン・フィルターでボトリングしているようで,豊かで華のある一品。
う~ん,満足

「伝説の浮世絵開祖 岩佐又兵衛」展へ走れ!

2004-11-17 23:59:23 | 美術
「岩佐又兵衛」を知っているとすれば,その人は相当コアな日本画ファンであろう。私は,つい1週間ほど前,朝日新聞の文化面でその存在を知った。記事を飾っていたのは,「浄瑠璃物語絵巻」第4巻の牛若が浄瑠璃姫を口説くシーン(上の写真)。牛若の表情は猥雑なことこの上ない。日本画にこのような作品が存在したのかという驚きとともに,その表情のグロテスクさに嫌悪感さえ催した。しかし,1984年に福井県立美術館で開催された「岩佐又兵衛」展以来20年ぶりの包括的な展覧会と知り,物見高い私は,川村美術館から千葉市美術館で開かれている「伝説の浮世絵開祖 岩佐又兵衛」展へと「はしご」したのであった。

又兵衛の特色は,次の3つといわれている(辻惟雄「奇想の系譜」(ちくま学芸文庫)による。)。
第1に,奇矯な(妖しい)表現的性格。
第2に,古典的,伝統的テーマを扱いながら,その内容を卑俗なものにすり替えようとする,「転合絵」とでもいうべき要素。
第3に,「豊頬長頤」(ほうぎょうちょうい・頬が脹れ,頤(おとがい)の部分が異常に長い)をはじめとする人物描写に関する風変わりな特徴。

左の「人麿貫之像双幅」(柿本人麿と紀貫之)が,第2の特色の典型例だが,歌聖を馬鹿にしているとしか思えない。が,一気呵成に描いたと思われる筆致は確かで,見事な造形力を感じる。
同様の路線のものとしては,「老子渡函図」があった。だらしない口許と格好の老子と,対照的に,老子を背中に乗せて嫌そうに,しかし必死で踏ん張る牛の姿。これも笑える。さりげなくかい描いたようで的確に像を捉えた衣のシルエット,活き活きとした指先,つま先の動き,そして表情の豊かさ。見事だ。
その他,「布袋と寿老の酒宴図」(布袋が酒を飲んで踊っている)も漫画チック。


右の「伊勢物語 梓弓図」の在原業平は,第3の特色の典型例だが,残念ながら展示替えのため見られなかった。この業平もどこかおかしい。
展示されていた中では,入ってすぐのところの金屋屏風が良かった。特に,「弄玉仙図」は,上空を舞う鳳の活き活きとした姿,天女の優雅な衣が素晴らしく,気に入った。

又兵衛というと「怪しさ」や「生々しさ」ばかりがクローズアップされるようだが,確実な描写力と人間洞察力を持っていると見た。


今回の展覧会の目玉は,絵巻物がふんだんに展示されていること(とはいっても,現存作の総延長は約1キロメートルとのことで,そのうちのごく一部ということになる。)。下は,「小栗判官絵巻」第2巻の龍王。この毒々しさは,他の作家ではなかなかお目にかかれない。
他にも,「山中常磐物語絵巻」「堀江物語絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」の各一部が展示されているが,全てに共通するのは,人間の欲,荒々しさ,残虐さといったもの。
又兵衛は,戦国武将・荒木村重の子として生まれたが,村重が信長に対して謀反を企てたことで,2歳の時に,一族が虐殺され,乳母によって奇跡的に救出されたという特異な経歴の持ち主である。又兵衛の活躍した江戸初期は,まだ戦乱の名残もあって,このような経歴の持ち主が描く毒々しい絵巻物が人気を呼んだのであろうかと思うと,一抹の感慨を覚える。


また,「山中常磐物語絵巻」は,昭和3年,長谷川巳之吉という収集家が,今正にドイツ人に売られようとしているこの作品の写真を見て,家屋敷や他の収集品も抵当に入れて,入手したという曰く付きの作品。この作品の公開が端緒となって,この絵巻が又兵衛の作品か否かを巡って,他の絵巻物も巻き込んだ大論争になったそうだ。
そんな大論争も今は昔。又兵衛展も閑散としており,じっくりと作品鑑賞に勤しむことができた。

この展覧会は,千葉市美術館の前館長である辻惟雄氏のいわば置きみやげとのこと。辻氏は,1970年に,伝説的名著「奇想の系譜」(ちくま学芸文庫)で,又兵衛や当時はまだマイナーだった伊藤若冲,曽我簫白らを紹介している。
私も,展覧会後にこの本を読んだが,30年以上前に,(当時は)傍流の画家を堂々としかも魅力的に紹介しているのは凄いと思った。図版(大半が白黒)も沢山収録されているので,是非,目を通してみて頂きたい。
この本で,紹介されている若冲は,今ではブームを呼び起こすほどの人気者。10年後には,又兵衛も同様のブームを巻き起こしているかもしれない,というと若干下世話に聞こえるかもしれないが,いずれにせよ魅力的な展覧会であることは間違いない。展覧会後半の絵巻物は賛否分かれると思うが,旧金屋屏風,三十六歌仙図等を中心とした前半は万人受けするはず。

★11月23日(火)までなので,是非お見逃しなく!
(芸術新潮10月号は又兵衛特集です。)


【オマケ】
千葉市美術館の1階はエントランスホールは,昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉市店の一部(10本の円柱が並ぶネオ・ルネサンス様式)が,鞘堂様式(建物を風雨などから保護するため、外側から覆うように建てた建築物)で保存されている(右の写真)。
こちらも,古き良き時代を偲ばせる立派な建物なので,ついでに見学してみてください。

森の中の美術館~川村記念美術館でのピカソ ジャクリーヌ・コレクション展

2004-11-14 22:52:39 | 美術
西欧の古城を思わせるこんな建物で,美術品の鑑賞をできたら素敵だと思いませんか。それが可能な場所があるんですよ。それは,千葉県佐倉市の川村記念美術館。ここでは,現在,ピカソ ジャクリーヌ・コレクション展を開催中です。
これは,おそらく10月まで東郷青児美術館で行われていた展覧会と同内容のもの(来年には,山口県立美術館へ行く模様)。ジャクリーヌ・コレクションとは,ピカソの最後の妻・ジャクリーヌが,ピカソから相続したものの,決して公開することのなかったいわば門外不出の作品の数々で,もちろん日本初公開。ピカソが,愛着を持って最期まで手元に止めておいた作品の数々だけに,妻やかつての恋人たち,そして息子たちを描いた作品も多く,「英雄」の恋愛遍歴ぶりとともに,普通の人々と同じ家族に対する愛を持っていたことを窺い知ることができる。

かねてから,ピカソには,駄作がないと感じていたが,今回の展覧会の出品作も佳品ばかり。左の「帽子と毛皮の襟をつけた女」をはじめ,「接吻」,「赤い風景の接吻」,「闘牛士」等,どれも愛といたずら心に溢れた作品ばかり。
それにしても,ジャクリーヌの美しいこと!黒く大きな瞳,そしてすっきりと通った鼻筋。とても美人だったんだろうということが,ピカソが描いた作品からでさえ(!)分かる




ところで,今回,はじめて川村記念美術館を訪れましたが,この美術館自体に私は感動!!!
ここは,大日本インキ化学工業株式会社がその関連グループ会社とともに収集してきた美術品を公開するため,1990年5月,千葉県佐倉市の同社の総合研究所敷地内に開館した私立美術館。レンブラントの自画像,モネの睡蓮から,長谷川等伯,尾形光琳,加山又造まで所蔵するそのコレクション,常設展も素晴らしいが,「『作品』『建物』『自然』の三要素を調和させることで,理想の美術館を実現させようと努める」というコンセプトに強い共感を覚えた。
右は,美術館へのアプローチ。さながら森の中へと入り込んで行くよう。ワクワク感が高まっていく…



森を抜けると忽然と現われる美術館。
白鳥が水面に浮かぶ池に面していて,古城そのもののイメージ。みんな湖面をの~んびり眺めながらくつろいでいました。



美術館の入り口内部は,こんな感じ。ドームの頂上は天窓になっていて,外光を取り入れている感じでした。この柔らかな光の雰囲気が幸せな世界へと誘います。
美術館の内部は天上が高く,広々とした展示スペースで,JR佐倉駅から送迎バスで20分という立地もあってか,鑑賞者は少ない。作品を存分に楽しめます。
当日は,偶々,親子の鑑賞教室「子供に教わる!ピカソの見方」が開かれており,30~40人の親子が美術館のスタッフと会話のキャッチボールをしながら,作品を楽しんでいました。作品の前の広いスペースに子供たちが座り鑑賞するって,日本の美術館ではあまり見られない風景。これだけでも感動もの。私も,しばらく耳を傾けていましたが,子供の素直なものの見方には,久々に新鮮な気分を味わいました。
また,ピカソ展の入口付近(階段を上りきった脇のところ)には,「ピカソを探検!子ども鑑賞ブック」というリーフレット(もちろん無料)が置かれてあって,ピカソ鑑賞の格好のガイドブック。是非,鑑賞の際には,お手元に。



充実した展覧会の後は,お庭の散歩。庭園自体は,無料で市民に開放されている模様。
まずは,紅葉。モミジの木はあまり多くないが,晴天の下,鮮やかな色。

リンドウは,咲き始め。道端に彩りを感じます。
久々の森林浴は爽快。



そして,十月桜。三分咲き。ソメイヨシノと違って,華々しさはないけれど,小春日和の中,可憐に咲いていました。
ピカソもいいけど,日本人の感性には,紅葉や桜がやはりビビッと来ますね。
来週末ころには満開かな。
というわけで,川村記念美術館という非日常的な空間での,極めて非日常的なピカソ作品の数々の鑑賞。至福の時でした。

東郷青児美術館でジャクリーヌ・コレクションを見たという人も,是非,もう一度行ってみては?東京から電車で1時間,さらに送迎バスという小旅行ではありますが,天候に恵まれれば,充実した休日が過ごせますよ!
私は,一度に,この美術館のファンになってしまいました。
★★★12月23日(木・祝)まで。入館料は,1,300円。東郷青児美術館より若干高めだが,JAFカードの提示で100円引き(駐車場は無料)★★★

追記:実は,この後,千葉市美術館の岩佐又兵衛展を訪ねたのであります。この展覧会も良かった~ その報告は,また後日…

夜の美術館~再訪 マティス展

2004-11-12 22:55:20 | 美術
生まれて初めて,夜の美術館を訪れた。国立西洋美術館は,金曜日は夜の8時まで開いている(入館は7時30分まで)。これはおススメです!休日に比べて圧倒的に空いている。そして,ご高齢のご婦人方の人目,否,人耳はばからぬお喋りが皆無!偶に勘違いして大声でつまらない会話をしているグループがあっても,空いているので,その人たちのいない場所へエスケープできる!!夜の美術館は,作品鑑賞にはもってこいですね。金曜日には,色々イベントが入りがちなので,特に休日の激混みが予測される美術展については,是非,平日,土日問わず夜間開催を実施して欲しいですね

というわけで,2度目のマティス展,本日のメインは,切り絵鑑賞。上の絵は,「ポリネシア,空」
とにかく大きくて,大らかな切り絵。「ポリネシア,海」と対になって壁一面をドーンと占拠している。よーく見てみると,比較的小さな紙を繋ぎ合わせて一つの切り絵にしてるんですね。また,ハサミだけじゃなくて,「おいおいこれって手でちぎってるんじゃないの」,みたいな部分もあって,結構親近感を感じちゃう。マティスの作品ってこんなところもチャーミング。切り絵のパーツ一枚一枚は絵の具が塗られている風で,老マティスが,一枚ずつ塗ってはちぎり,ちぎっては張り…という場面を思わず想像。その作業の様子って,おじいさんが内職しているみたいで,結構可愛いかもしれない。

「ブルーヌードⅡ」
これもなかなか大胆な構図。マティスは晩年になるに従って,絵画の構図も大胆になってきたけれど,これは極限までいっている。でも,「伝えたいもの」のポイントはよーく分かる。文章もこんな風に簡潔に書ければなあ,と思ってしまう。

「サーカス」
これも原色をポイントを押さえて使った簡潔な作品。サーカスだけじゃなくてコンサートのパンフレットの表紙とかに使うとカッコ良さそう。

ところで,今日は,スライドトーク(午後6時から40分。無料。次回は,11月26日(金),これが最終回)を見てから作品鑑賞。切り絵のことも取り上げていて,「ピエロの葬式」の2頭立ての馬は,一枚の紙を切ってずらして貼り付けただけで上手く表現しているとのこと。わたしゃ,てっきり1頭の馬だけで,上のビラビラはたてがみか,飾りだと思っていましたよ…
また,「礁湖」では,一枚の紙を切って,左側を作品Aに,右側を作品Bに貼り付けているから,よーく見ると同じ形!というパーツが沢山あるとのこと。確かに,「礁湖」では,あちこちにそういうパーツがあるのに気付いたけれど,これと同じことを「ポリネシア,空」でもやろうとしたので,大変でしたよ
でも,やっぱりこの絵が好きだなあ。「赤い室内,青いテーブルの上の静物」

この赤,今日もじ~っくり鑑賞…よく見ると左上と右下とで赤の濃さが違うんですよ。右下の方が黒みがかっている。
やっぱりマティスの赤色は素晴らしいですね。

★★★マティス展の絵画についての感想は,赤,赤,赤!~マティス展を鑑賞してをご覧ください★★★

世界美術館紀行~ロザリオ礼拝堂

2004-11-12 02:09:03 | 美術
世界美術館紀行でロザリオ礼拝堂が取り上げられるようですね。
これは見逃せません

「ニース・マティスの世界一美しい礼拝堂・ニース・マティス美術館とロザリオ礼拝堂」
11月12日(金) NHK教育 22:00~22:25

世界美術館紀行▽大胆な色使いで20世紀の西洋絵画に大きな影響を与えたフランスの画家、アンリ・マティス。彼が多くの作品を生み出したニースのマティス美術館を訪ねる。美術館の中核は、マティスの死後に夫人と子供たちが市に寄贈した約500点の素描やタブロー。「色彩の調和」を生涯追い求めた彼の軌跡がうかがえる。また、最も高い人気を誇るのは切り絵コレクション。切り絵は色と形の単純化にこだわり続けたマティスがたどり着いた新しい色彩表現であり、マティスが自らの画業の集大成と呼んだロザリオ礼拝堂の設計にも生かされている。

追記・放送を見ましたが,映像で見るロザリオ礼拝堂は,想像以上に感動的でした。まるで青いシャワーを浴びているかのような空間。ニースのマティス美術館共々,いつかは絶対行きたい!と思いました。
★★★11月20日の午前5時15分から,NHK総合で再放送をやるようですね。見逃した方は是非!★★★

やっと出会えた!クライバーのカルメン!!

2004-11-09 20:59:31 | 音楽
カルロス・クライバーがこの星から消えてしまって早4か月が経とうとしている… その間,既発のCD,DVDの再発売と並行して,これまでパッケージで販売されていなかった演奏の発掘も進められている。その一つ,1978年12月9日に行われたクライバー指揮ウィーン国立歌劇場での「カルメン」のDVDがようやく手許に届いた。
喜びのあまり,平日の夜にもかかわらず,じっくり見ちゃいました

カルメンは,エレーナ・オブラスツォワ,そして,ホセは,一番脂の乗っていたころのプラシド・ドミンゴ。
長年,プレートル指揮,カラスのカルメンを愛「聴」してきたけど,当然のことながら,DVDでは,あのクライバーが,歩いてピットに入り,微笑み,そして颯爽と指揮をしていて,超感激!
クライバーが画面に現れただけで,テレビの前で,拍手しちゃいました
画面上の聴衆も,もちろんクライバーが出てきただけで総立ち状態

このDVDでのクライバーは,1989,1992年のニューイヤーコンサートのときとは全く別人のように,スマートで逞しく,精悍で,髪の毛もフサフサしていて(!),前奏曲からしてただものではな~い!
こんなに,軽やかでありながら情熱的で心に染み渡る「カルメン」前奏曲は初めて。
前奏曲では,キャメラは,終始クライバーを追っているが,その指揮振りがスゴイの何の。鮮やかに指揮棒を振るかと思えば,クレッシェンドの部分では,握り拳を握りしめ,歯を食いしばり…こんなに精魂を傾けて指揮をしていたから早く燃え尽きてしまったのかなあ,と思わせるような指揮振りです。

その後の演奏も燃焼度が極めて高い。
そして,歌手たちの歌い出しのタイミング等をうまく図りながら,全員を煽るかのような指揮を行っているクライバーの姿を目の当たりにできるのは,超感動モノ。
オブラスツォワは,カルメンにしては,ちょっと腰が重過ぎだけれど,ドミンゴは,(少なくともこの当時は)偉大な歌手だったのだなあと心底思える見事な歌いっぷり。

これは断トツに素晴らしい「カルメン」です
クライバーの生演奏は二度と見ることができなくなってしまい,とても残念だけれど,生きてて良かったぁ,と思える至福の154分間でした

レトロな風景(その2)

2004-11-08 19:35:42 | 
野方給水塔を訪れて以来,給水塔がやけに気になって仕方がない!ということで,昨日は,板橋区大谷口にある大谷口給水塔(昭和6年に荒玉水道町村組合(当時)によって建設)へ
ファサードはこんな感じ。
実は,野方給水塔とこの大谷口給水塔は,どちらも,日本衛生工学の基礎を築いた中嶋鋭治さん(安政5年(1858)~大正14年(1925))の設計した作品(彼の没後弟子たちが完成)だそうで,そういわれてよく見ると確かによく似ている…
塔の高さは約33メートル,円筒形の直径15メートルで,野方給水塔より少しだけ小さく,兄弟のような雰囲気。
ただ,細々とではあるが現役の野方給水塔と違って,大谷口給水塔は,昭和47年以後使われておらず,今年度中の取り壊しが決定しているとのことで,寂しさすら感じさせる。窓などは,鉄板が貼り付けられている!


頭頂部だけ見ると,野方給水塔と全く区別がつかない。
跡地は,給水所を新設し,敷地のほぼ中央にポンプ棟、その南北の半地下に配水池を1池ずつ配置する計画だそうな(平成20年度竣工予定)。
大谷口給水塔は,板橋区の景観百選にも選定されるなど,地域のシンボルとして愛されてきたようで,意匠を継承するデザインとするだけでなく、給水塔の役割・機能や、土木技術上の価値を記録保存する考えとのこと。
是非,この景観を活かした上で,新時代にふさわしい機能を備えた施設を創って欲しい。

既に,施設周辺は更地にされており,鉄条網付のフェンスで取り囲まれた姿は痛々しい。
左は,フェンス越しに眺めた夕陽。

また一つ昭和の時代が遠ざかっていく…