僕の感性

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留守の意味

2008-10-20 22:04:12 | Weblog
ことばおじさんの気になることばから引用します。

「亭主元気で留守がいい!」ひとむかし前に流行りましたね。私たちは普段、「留守」を「家をあける」「家にいない」という意味で使いますが、漢字は「留まって守る」と書くので不思議ですよね。実は、本来の意味は漢字のとおりなのです。「留守」は中国語が由来で、もともと『皇帝・王がいない間、都にとどまり代わりに政治を行うこと、またその人のこと』を言っていました。そこから、「主人や家人が外出した時にその家を守ること、守る人」という意味になったのです。「留守を預ける」「留守を頼む」というのも、主人が自分のいない間の「留守」をお願いしていたのですね。しかし、いない間を守ることよりも「いない」ということに意識がうつり、鎌倉時代には、現在と同じように「家をあけること。外出して不在になること」という意味で「留守」を使うようになったのです。さらに江戸時代、「手もとがお留守になる」というように「ほかのことに心を奪われ、気が回らない」といった使い方も出てきました。中国では現在でも「留まって守る」の意味で「留守」が使われています。日本での使い方だけが変化したことばなのですね。同じように中国語が由来の「勉強」も、「強いて(=強制する)勉める(=無理をして行う)」と書き、本来は「無理やり。無理強い」という意味なのです。日本でも江戸時代には、「無理やり。仕方なしにする」という意味で使われていましたが、そのうち、「(仕方なしでも)努力をして困難に立ち向かう」→「熱心に励む」と意味が変化し、学問に結びついていったのです。今、嫌々勉強をしている人は、もしかしたら本来の意味を知っているのかも!?