浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

さいたま市吹奏楽協会 第8回合同演奏会

2015-02-02 18:34:54 | 吹奏楽

この日訪れたのは、私の居住地、“さいたま市”内ながら初めて行くホールです。

『さいたま市民会館おおみや』

昔の大宮市民会館でしょうか。

行ったことないんですよ。

大宮駅東口から出て、大宮区役所(旧大宮市役所)を通り過ぎて“さいたま新都心”方面に向かうようですね。

 

2015年(平成27年)1月25日、日曜日。

今年4度目のコンサートに選んだのは、「さいたま市吹奏楽協会 第8回合同演奏会」でした。

以前から、この演奏会の“名前”は聞いたことがあったのですが、聴かせて頂くのは初めてです。

私の地元のさいたま市の一般バンドがいろいろ出演するみたいで、楽しみです。

ご存知のとおり、埼玉県は、千葉県と並ぶ吹奏楽王国で非常にレベルが高い。

今回は、さいたま市内の団体に限った演奏会ですが、どのような事になるのか興味津々。

実は、同日、ほぼ同時刻に東京であるコンサートに行くか迷ったのですが、“地元愛”のために、こちらを選択致しました。

様々な団体の個別演奏もあるようですが、イチバン興味があるのが、“市内の演奏団体有志”による合同バンド。(もともとは、「さいたま市民音楽祭」のために編成されたのが“キッカケ”なのだそうです。)

しかも、私の大好きな佐川聖二先生が指揮をされると言う。

曲目もバラエティに富んでいて面白い。

どんな演奏を聴かせてくれるのでしょう。

 

大宮区役所を通り過ぎ、南下すること3~4分でしょうか?

目指す、「市民会館おおみや」に到着。

外観は、“地方の市民会館”といった佇まい。

ケッコウ、建ってから時間が経過しているように思います。

中に入ります。

ロビーは割と広いです。

受付の方にプログラムを頂いてホール内へ。

2階席はありませんね。

客席は、なだらかなスロープになっています。

客席数は1370。

そこそこ、大きいホールです。

何か、私の出生地のホールに似ていて懐かしい感じがします…。(私が“生徒”だった頃、何度か舞台に立ったことのあるホールです。)

 

自由席なので、自分で座席を物色し、座ったところで開演となりました。

 

【第1部 団体ステージ】

 

[演奏]埼玉県ユースホステル協会吹奏楽団

[指揮]織茂 学

ユースオリジナルステージ!!~スクリーム マシーン(マーク・テーラー/編曲:ポール・ラベンダー)

Youth original stage!!-SCREAM MACHINE(Mark Taylor / arr. Paul Lavender)

 

[演奏]チームごもく

ライムライト セレクション(チャールズ・チャップリン)

Limelight Selection / Charles Spencer “Charlie”Chaplin

宝島(和泉宏隆)

Takarajima / Hirotaka Izumi

 

[演奏]羽根倉橋吹奏楽団

ゆかいな仲間と(相羽 茂)

Fun with Friends / Shigeru Aiba

素直になれなくて(ピーター・セテラ/デイヴィッド・フォスター/編曲:小長谷 宗一)

Hard To Say I’m Sorry(Peter Cetera / David Foster / arr. Souichi Konagaya)

 

[演奏]さくらウインドシンフォニー

[指揮]藤原 祐介

アルヴァマー序曲(ジェイムズ・バーンズ)

Alvamar Overture(James Charles Barnes)

まつり(原 譲二/編曲:福田 洋介)

Maturi (Jhoji Hara / arr. Yosuke Fukuda)

 

【第2部 団体ステージ】

 

[演奏]おおみや市民吹奏楽団

[指揮]猪俣 康隆

ディズニーランド セレブレーション(マイケル・ブラウン)

A Disneyland Celebration(arr. Michael Brown)

ジャパニーズ・グラフィティⅩⅤⅡ 美空ひばりメドレー(編曲:星出 尚志)

Japanese Graffiti ⅩⅤⅡ Hibari Misora Medley(arr. Takashi Hoshide)

 

[演奏]浦和吹奏楽団

[指揮]山田 昌弘

映画「アナと雪の女王」ソング・コレクション(クリストフ・ベック&ロバート・ロペス)

“Frozen”Song Collection(Christophe Beck & Robert Lopez)

エル・クンバンチェロ(ラファエル・エルナンデス/編曲:岩井 直溥)

El Cumbanchero (Rafael Hernandez / arr. Naohiro Iwai)

 

-招待演奏-

[演奏]さいたま市立内谷中学校吹奏楽部

[指揮]鈴木 國俊/保坂 美沙

マーチ『ブルースカイ』(高木 登古)

March “Blue Sky”(Tohko Takagi)

スーパーマリオブラザーズ(近藤 浩治/編曲:星出 尚志)

Super Mario Bros.(Kohji Kondo / arr. Takashi Hoshide)

テキーラ(チャック・リオ/編曲:明光院 正人)

Tequila(Chuck Rio / arr. Masato Myokoin)

 

【第3部 合同ステージ】

 

[演奏]さいたま市吹奏楽協会合同バンド

[指揮]佐川 聖二

ポップス描写曲「メイン・ストリートで」(岩井直溥)

“On Main Street” (Naohiro Iwai)

マスク(ウィリアム・フランシス・マクベス)

Masque, opus 44 (William Francis McBeth)

シーガル(真島 俊夫)

Seagull – Bllad for Clarinet and Band (Toshio Mashima)

大阪俗謡による幻想曲(大栗 裕/改訂:辻井 清幸)

Fantasy on Osaka Folk Tunes (Hiroshi Oguri / Edited. Kiyoyuki Tsujii)

 

[M.C.]瀧川 伸子

 

今回の演奏会は、3部構成。

1部と2部が各団体の個別演奏で3部が合同バンドの演奏となっています。

まずは、1部から。

 

最初は、「埼玉県ユースホステル協会」。

この団体は、コンクールで演奏を聴いたことありました。

指揮は、地元在住のピアニスト兼作曲家の織茂学氏。(吹奏楽のコンサートでは頻繁にお見かけします。)

歌あり、踊りありの“はじけた”パフォーマンスでした。

エネルギッシュさはピカイチ!

次に登場した「チームごもく」は、木管アンサンブルですね。

フルート、オーボエとアルト、テナー、バリトンの各サックスで構成されています。(5人だから“ごもく”なんでしょうか?)

めずらしい編成ですね。

ホッとするような演奏でした。

特に吹奏楽のコンサートでは定番とも言える「宝島」を木管アンサンブルで演奏したのは興味深かった。

続いては、「羽根倉橋吹奏楽団」。

おもに“さいたま市民音楽祭”や今回の演奏会を目標に活動されているようです。

失礼ながら、初めて名前を聞いた団体です。(私の情報は、コンクールに出場されている団体からのものが多いので。)

20名くらいという人数の少なさをそんなに感じさせない伸びのあるサウンドだと思いました。

ただ、少人数のため、指揮者なしの演奏をしているとの事でしたが、やはり、20名以上だと指揮者を置いたほうがよいのでは?(指揮者がいない事によって、リズム等に“弊害”が出てくる場合も考えられますので…。)

第1部、最後の団体は「さくらウインドシンフォニー」。

何でも埼玉大学OBを中心に結成されたバンドであるとのこと。

とても楽しく演奏して下さいました。

バーンズの「アルヴァマー序曲」と北島三郎のヒット曲「まつり」を演奏したのは“選曲の妙”で大変、面白かった。

 

休憩の後、第2部の開演。

第2部は大編成のバンドが登場です。

最初は、「おおみや市民吹奏楽団」。

この団体も初めて聴かせて頂きます。

“解説”を読みますとこの団体は、1993年に吹奏楽界では超有名な秋山紀夫先生(音楽監督)を中心とした発起人の呼びかけで集まった市民バンドです。

演奏会中心の活動でコンクールには出ていないようですが、活発な活動をされているようですな。(今年の4月にはドイツの吹奏楽団を招いて合同演奏会をされるとか。)

この日は、「ディズニーランド セレブレーション」、「美空ひばりメドレー」。

全体的に楽しいパフォーマンスを繰り広げてくれました。

特に「ジャパニーズ・グラフィティⅩⅤⅡ 美空ひばりメドレー」は良かったですね。(この曲は、昨年5月6日に東京芸術劇場で開催された“なにわ《オーケストラル》ウィンズ”東京公演で初めて聴きました。「美空ひばりメドレー」と言えば、いつも神奈川大学の演奏会で聴く真島俊夫先生の編曲版が印象に強いのですが、こちらは星出尚志先生による楽曲。新鮮に感じたのを思い出しました…。)

今回は、肩に力の入らない曲ばかりでしたが、機会があったら、このバンドの“吹奏楽オリジナル曲”の演奏を聴いてみたいですね。

続いては、定期演奏会に行かせて頂いたこともある「浦和吹奏楽団」。

昨年は、残念でしたが、2012、2013と西関東大会にも出場した実力のある団体です。

指揮は、「NTT東日本東京吹奏楽団」の指揮者でもある山田昌弘氏。

表現力に長けた良い演奏を披露して下さいました。

大人気の「アナ雪」とラテンナンバーの演奏は観客の皆様も大いに楽しめたのではないでしょうか。

そして、第2部、“トリ”の団体は「さいたま市立内谷中学校吹奏楽部」の皆さん。(個人的な話をすると内谷中って私の自宅は学区内なんですねぇ。中学生の子供いませんけど。)

真剣な眼差しが印象的でした。

演奏にも他の動きにしても一生懸命さが伝わってきて好感が持てました。

サウンドは、まだまだ“若い”ですが、私のド地元の中学校ですので、しっかりと成長して頂きたい。

ガンバレ!!

 

何か、ひたむきに音楽に没頭している子供たちをみているオヤジは興奮してしまいました…。

さて、第3部、「さいたま市吹奏楽協会合同バンド」のステージです。

そして、いよいよ、佐川聖二先生の登場です!

プログラムの“出演者一覧”を見ますと、この日、個別の団体として出演された皆さんだけではなく、他の団体からもたくさん演奏に参加されているようです。

最初の曲は、「ポップス描写曲『メイン・ストリートで』」。

昨年、惜しまれながら亡くなった岩井直溥先生の作品です。

この曲は、1976年度全日本吹奏楽コンクール課題曲でした。

岩井先生は、一昨年の課題曲「復興への序曲『夢の明日に』」まで6曲の課題曲を作曲されていますが、個人的にイチバン好きな課題曲です。

演奏が始まりました。

悪くない、いや、良いじゃないですか。

確かに、いろんな団体から集まった人々で構成されているので、“サウンドの統一性”という点においては今一歩というところでしょうが、細かいアンサンブルや表現力、リズム感は私が思っていたよりは、はるかに良かった。

軽快な感じの明るい演奏で聴きやすかった。

続いては、“我が青春の曲”フランシス・マクベスの「マスク」です。

ん十年前のとある西日本の中学校音楽室。

「マスク」を吹奏楽部員の生徒たちが練習しています。

西日が差し込む音楽室は生徒たちの熱気と「マスク」のメロディで、もう夢の世界です…。

「ああ、本当に吹奏楽やってて、良かった!」

そんな風に“浦和のオヤジ”が始めて思えたのは、はるか遠い昔、この「マスク」を演奏していた時なのでした。

だから、懐かしかった!

メリハリの効いた演奏は心地よく、非常に楽しめました。

3曲目は、真島俊夫先生の「シーガル」。

アルトサックスのための協奏曲で私も何度かいろいろな演奏会で聴かせて頂いたことがあります。(アンサンブルリベルテ、相模原市民、東海大学などを指導されている福本信太郎昭和音楽大学准教授の演奏なんかは、とてもステキだった…。)

甘く切ないメロディは、真島先生の魅力を凝縮した楽曲です。

今回は、楽器が変わって指揮の佐川先生がクラリネットで演奏して下さいました。

佐川先生と言えば、現在では指揮活動の方での印象が強いですが、東京交響楽団の首席奏者を25年間務められた“名クラリネット奏者”です。

どんな音色を聴かせて頂けるのか、ワクワクしますねぇ。(そう言えば、佐川先生の“指揮”での演奏は、たくさん聴いてますけど、クラリネット独奏は初めてかも。)

司会をされていた大宮吹奏楽団の瀧川伸子さんがうまい表現をしていました。

『エロい』

少し、下卑た表わし方かもしれませんが、そう言いたくなるくらい艶っぽかった…。(ちなみに佐川先生は、「エロい」と瀧川さんに言われて、“爆笑”してました!)

アルトサックスとは、また違った雰囲気を持つ、素晴らしい演奏でした。

さて、大トリの曲は、大曲です。

大栗裕先生の名曲「大阪俗謡による幻想曲」。

華やかさや土俗性、「和」の本質的な部分を如何に表現できるかが、カギですね。

もちろん、100%の出来ではありませでしたが、演奏者の“情熱”を感じられる演奏でした!

スマートな演奏より、好感が持てます。

まさに“勢い”のあるパフォーマンスでした!

 

アンコール曲では、内谷中学校の皆さんのダンスも加わり、盛会のうちに終了しました。

プロや有名団体のコンサートも良いですけど、このようなアットホーム感のある演奏会もステキですね…。

 

最後に気になったことをひとつ。

時折、ホール内の空調の音が気になったのは私だけでしょうか?

(それと、またまた記事が遅くなって申し訳ありません…。)