浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第5回音楽大学オーケストラフェスティバル(11月24日ミューザ川崎)

2014-12-16 01:42:31 | 吹奏楽

昨年から聴かせて頂いている「音楽大学オーケストラフェスティバル」に今年も伺わせて頂きました。

会場が“ミューザ川崎”と“東京芸術劇場”の2ヶ所に分かれ、首都圏の9の音楽大学がその腕を競うという一種のお祭りですか。

昨年も音大生の皆さんのひたむきな“情熱”と一流の指揮者(多くは指導教員)の方々の“経験”が融和して、とても心地よかったものですから、“再来”となった次第。

 

そんな“浦和のオヤジ”も音楽素人の上に弦楽器なんぞ、触ったこともないという“初心者”ですが、何故だが、時折、無性にオーケストラのサウンドを聴きたくなる時があるのです。(弦楽器の響きには、私の心を鎮静化させる作用があるように思います。)

いずれにせよ久し振りのオケの音色です。

楽しみです。

 

今回は、開催される4日間の日程のうち、行くことの出来た唯一の公演、2014年11月24日にミューザ川崎シンフォニーホールで行なわれた3音大(上野学園、武蔵野音大、洗足学園)の演奏会を紹介させて頂きます。

なお、この「第5回音楽大学オーケストラフェスティバル」に参加されている9つの学生オーケストラの皆さんに敬意を表して、団体名を記させて頂きます。(出演順)

◆  昭和音楽大学管弦楽団(指揮:大勝 秀也)

◆  東京藝大シンフォニーオーケストラ(指揮:尾高 忠明)

◆  上野学園大学管弦楽団(指揮:下野 竜也)

◆  武蔵野音楽大学管弦楽団(指揮:時任 康文)

◆  洗足学園音楽大学管弦楽団(指揮:秋山 和慶)

◆  国立音楽大学オーケストラ(指揮:高関 健)

◆  桐朋学園オーケストラ(指揮:ラデク・バボラーク)

◆  東邦音楽大学管弦楽団(指揮:田中 良和)

◆  東京音楽大学シンフォニーオーケストラ(川瀬 賢太郎)

 

この催しには、面白い試みがあります。

プログラムにその内容が説明してありますので、そのまま写させて頂きます。

『このフェスティバルは各大学間の交流と協力を目的としています。その一環として、各大学の演奏の前には共演校からのエールを込めたファンファーレの演奏があります。』

とてもいい試みですよね。

しかも演奏されるファンファーレは、各大学の学生が作曲したものです。

それぞれの作曲者の個性が光る楽曲が多かったように思いました…。 

さあ、ミューザ川崎シンフォニーホールの面白い配列の客席に圧倒されながらも、間もなく開演のようです。

 

《ファンファーレ》

近藤 憲太:白のためのファンファーレ

Kenta Kondo:Fanfare for white

演奏:洗足学園音楽大学管弦楽団

 

ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品 作品10(原典版)

Anton Webern:Fünf Stücke für Orchester,Op.10

    Ⅰ.きわめて静かに、そして繊細に

        Ⅰ.Sehr ruhig und zart

     Ⅱ.速く、そして繊細に揺れ動いて

        Ⅱ.Lebhart und zart bewegt

     Ⅲ.きわめて遅く、そしてきわめて静かに

     Ⅲ.Sehr langsam unt äußerst ruhig

     Ⅳ.しなやかに、きわめて繊細に

     Ⅳ.Fließend,äußerst zart

     Ⅴ.きわめてしなやかに

         Ⅴ.Sehr Fließend

W.A.モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K385「ハフナー」

Wolfgang Amadeus Mozart:Symphony N0.35 in D major,K385 “Haffner”

   Ⅰ.アレグロ・コン・スピリート

    Ⅰ.Allegro con spirit

   Ⅱ.アンダンテ

    Ⅱ.Andante

   Ⅲ.メヌエット

    Ⅲ.Menuetto

   Ⅳ.プレスト

    Ⅳ.Presto

管弦楽:上野学園大学管弦楽団

指揮:下野 竜也

 

【休憩】

 

 

《ファンファーレ》

中山 玲央:コールス

Reo Nakayama:“Calls”A signal for Brass Ensemble

演奏:上野学園大学管弦楽団

 

バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116

 Béla Bartók:Concerto for Orchestra

       第1楽章〈序章〉アンダンテ・ノン・トロッポ-アレグロ・ヴィヴァーチェ

    Ⅰ.Introduzione:Andante non troppo-Allegro vivace

   第2楽章〈対による提示〉アレグレット・スケルツァンド

    Ⅱ.Giuoco delle coppie:Allegretto scherzando

   第3楽章〈悲歌〉アンダンテ・ノン・トロッポ

    Ⅲ.Elegia:Andante non troppo

   第4楽章〈中断された間奏曲〉アレグレット

    Ⅳ.Intermezzo interrotto:Allegretto

        第5楽章〈終曲〉ペザンテ-プレスト

    Ⅴ.Finale:Pesante-Presto

管弦楽:武蔵野音楽大学管弦楽団

指揮:時任 康文

 

【休憩】

 

《ファンファーレ》

小田実結子:ファンファーレ

 Miyuko Oda:Fanfare

演奏:武蔵野音楽大学管弦楽団

 

O.レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」

 Ottorino Respighi :Poema sinfonico“Fontane di Roma”

     1.夜明けのジュリアの谷の噴水

      Ⅰ.La fontana di Valle Giulia alľalba

     2.朝のトリトンの噴水

      Ⅱ.La fontana del Tritone al mattino

     3.昼のトレヴィの噴水

      Ⅲ.La fontana di Trevi al meriggio

     4.黄昏のメディチ荘の噴水

      Ⅳ.La fontana di Villa Medici al tramonto

O.レスピーギ:交響詩「ローマの松」

   Ottorino Respighi :Poema sinfonico“I pini di Roma”

   1.ボルゲーゼ荘の松

    Ⅰ.I pini di Villa Borghese

   2.カタコンバ付近の松

    Ⅱ.Pini presso una catacomba

      3.ジャニコロの松

    Ⅲ.I pini del Gianicolo

      4.アッピア街道の松

    Ⅳ.I pini della Via Appia

管弦楽:洗足学園音楽大学管弦楽団

指揮:秋山 和慶

 

洗足学園音楽大学のファンファーレの後、今年から、このフェスティバルに参加となった上野学園大学の登場です。

指揮は、上野学園大学教授でもあり、大活躍のマエストロ下野竜也氏です。

最初の曲はウェーベルン。

“現代曲”ですね。

まともに前衛的な曲を生演奏で聴いたことはないのですが、演奏楽器が移行する瞬間やリズムやテンポの具合によって、独特の“間”があり、個人的に非常に心地よく感じました。

これは、やはり、上野学園の皆さんが厳しい練習に裏打ちされた“技術力”を身につけられているからだと思います。

とても独特で、美しい世界を私が感じた演奏でした。

2曲目は、1曲目とはある意味、対極をなすモーツァルトの「ハフナー」。

明るく、躍動的な演奏でした。

それにしてもモーツァルトの音楽は、いつ聴いても“なごみ”ますね。

 

次の団体は武蔵野音楽大学。

指揮は、これまた著名な時任康文先生です。

上野学園のエールのファンファーレのあと、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」。

私、個人的にバルトークって好きなんですよね。(ラヴェルのように華やかではないけれども重厚なオーケストレーションに惹かれてしまう。)

その中でも「管弦楽のための協奏曲」は“難しいんだろうなぁ”と思ってしまいます。

いろんな楽器が場面、場面で“主役”になるこの曲は、個人の技量の高さやアンサンブル、そして、フレーズのつなげ方とか様々なテクニックがしっかりしてないと貧弱に聴こえてしまう。(私も吹奏楽版も含めて、何回か聴かせて頂いたことがありますが、“華麗”であったり、“地味”であったり、いろんな演奏がありました。)

そういう意味では、とても楽しめたし、素晴らしかった!

練習の成果が良く出ていましたね。

技術力の高さを感じました。

 

さあ、最後は、洗足学園音楽大学です。

“巨匠”秋山和慶先生の指揮で「ローマの噴水」「ローマの松」の演奏。

武蔵野音大のファンファーレのあと、厳かに演奏が始まりました。

とても素敵な演奏でした。

「噴水」の透明感は、“音”という“カタチ”のないものなのだけれど、まるで絵画を見るような色彩を出していたように感じました。

また、「松」は大変、盛り上がりました。

“歴史”を感じさせる演奏でした。

バンダの金管楽器の皆さんも実に効果的でカッコよかった!

 

今年は、“オーケストラフェスティバル”4日間のうち、1日しか見られませんでした。(去年は、2日間、行かせて頂きました。)

こういう催しものは、日本の音楽教育の発展に寄与するものと確信するので、出来るだけ続けて頂きたいなぁと思います。

私にとって、“とても楽しい一日”でした…。

 

またまた、大幅に記事が遅れてスミマセン。