浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

文教大学吹奏楽部 第37回定期演奏会

2014-12-26 00:28:02 | 吹奏楽

文教大学吹奏楽部の演奏を聴くのは久し振りですね。

確か今年8月のコンクール埼玉県大会以来です。

演奏会としては、今年、6月28日のサマーコンサートから、半年振りということになりますか。

 

それにしても、今年の全国大会は、残念でした。

ここのところ、全国大会『金賞』は、不動の“位置”でありましたが、今年は、まさかの「銀賞」。(全国大会「銀賞」は、2008年以来のようですね。)

実際、全国大会の演奏を聴いていないので、ナントモ言い難い部分があるのですが、地元、西関東の代表ですので、残念でなりません。

長生淳先生の委嘱作品である自由曲の“コンコルディア”は、県大会で聴いた時、なかなかの演奏だと思ったのですが…。

来年は頑張って下さいね。

期待してます!

 

サマーコンサートは、南浦和のさいたま市文化センターでしたが、今回の定期演奏会はホームグラウンドと言ってもいい、越谷サンシティホールです。

座席数が1675と言いますから、ケッコウ大きいホールですよね。

それに駅から近いのもいい。

でも、私、ここに来るの初めてじゃないんです。

確か去年の4月に“埼玉県大学によるジョイントコンサート2013”というのが開催された時に訪れているんです。(埼玉県下の大学の吹奏楽団が一同に会して演奏会を開き、交流を深める催しでした。)

それ以来ですから、2年振りにくらいですか。

確か、ダイエーのとなりにあったような。

と余計な事を考えながら、歩いていたら着いちゃいました…。

 

建物の中に入ります。

人がいっぱいいます。

ブログに載せようと思って写真を悠長に撮っていたら、開演5分前に。

あわててホールの中に入り、席に着きました。

それにしても、10日くらい前に行ったアンサンブルリベルテと同じで“超満員”です。私のまわりを見回しても“空席”など見当たりません。

ですから、始まる前から、熱気ムンムンです。

 

さあ、2014年(平成26年)12月23日、火曜日の天皇誕生日。

人口33万人、国に“中核市”として指定されている越谷の空は、寒いながらも澄み渡っていました。

午後4時になりました。

開演の時間です。

 

[演奏]文教大学吹奏楽部

[指揮]佐川 聖二

     黒木 裕太(学生指揮)

     安部 迅(学生指揮)

[司会]石尾 和子

 

【第一部】

 

ロッキー・ポイント・ホリデー(R.ネルソン)

Rocky Point Holiday:R.Nelson

 

ソル・ソラーター(T.マー)

Sol Solartor:T.Mahr

 

ユー・レイズ・ミー・アップ(R.ラヴランド/星出 尚志 編曲)

You Raise Me Up:R.Lovland/arr.Takashi Hoshide

ユーフォニアムソロ:原 大輔

 

ヴォカリーズ(S.ラフマニノフ/石毛 里佳 編曲)

Vocalise:S.Rachmaninov/arr.Rika Ishige

クラリネットソロ:細谷 智祐

 

【第二部】

 

彩雲の螺旋―吹奏楽のための(中橋 愛生)

Cloudly Voltex:Yoshio Nakahashi

 

コンコルディア《委嘱作品》(長生  淳)

Concordia:Jun Nagao

 

【第三部】

 

序曲「ピータールー」(M.アーノルド/近藤 久敦 編曲)

Peterloo Overture:M.Arnold/arr.Hisaatsu Kondo

 

管弦楽組曲「第六の幸福をもたらす宿」(M.アーノルド/瀬尾 宗利 編曲)

The Inn of Sixth Happiness Suite:M.Arnold/arr. Munetoshi Senoo

 

コンサートは、3つのパートに分かれていました。

第一部は、“学生を主体”とした演奏です。

まず、最初の曲は、アメリカの作曲家ロン・ネルソンの「ロッキー・ポイント・ホリデー」。

私は、アメリカの作曲はあまり、詳しくないので、名前を聞いたことのあるような、ないような微妙な感じなんですが…。

でも、いろんな賞を取っている著名な作曲家なんですね。(プログラムの“楽曲紹介”では、「ABAオズワルド賞」「NBAレヴェリ賞」「サドラー国際賞」を受賞していると書いてありました。)

この曲は、1966年の夏にロードアイランド州ウォリックのリゾート地、ロッキー・ポイント・ビーチにて作曲されたとのこと。

ビーチの“風の印象”を題材にしただけあって、軽快な曲でした。

と同時に、“まさにアメリカ人の作った曲”だと言う雰囲気満載。

第36代学生指揮者、安部 迅さんの指揮で始まった文教大の演奏は、最初の曲と言う事もあって、エンジンが掛かってなかったかなぁ。

僅かにアンサンブルが乱れたり、ピッチとかが…。

でも、tuttiのところのになるとバンド自身が持つ明るいサウンドが功を奏し、聴きごたえのある演奏に変わっていきました…。

 

2曲目も学生指揮者のもとでの演奏です。

しかし、人間は替わって、第35代学生指揮者、黒木 裕太さんの登場。

曲は、ティモシー・マーの「ソル・ソラーター」。(マーは、浦和のオヤジでも知ってます。)

曲名は、「日の光、聖霊」という意味なのだそうですが、透明感と荘厳さのある曲でした。

ただ、この日の演奏は、少し落ち着きがなかったような。

でも、曲の意図する雰囲気は十分、出ていました。

 

次は指揮ではなく、ソリストに文教大学の学生さんがなっての演奏です。(ここから、指揮は佐川 聖二先生に替わります。)

まずは、ユーフォニアム・ソロ。

4年の原 大輔さんの演奏で「ユー・レイズ・ミー・アップ」。

荒川静香さんがトリノオリンピックで金メダルを獲得した時にエキジビションで使用した曲ですね。(あれで、我々、一般の日本人に広く知られるようになったような気がします。)

とても、素晴らしいソロでした。

ユーフォニアムの温かい音色がバンドのサウンドと美しく融け合っていてステキでした。

 

第一部、最後の曲は、今度も学生ソリストの登場です。

ラフマニノフの「ヴォカリーズ」をクラリネットの細谷 智祐さんのソロで。

美しいメロディを朗々と歌い上げていました。

また、ジャズ風のアレンジの部分もキレのある演奏で観客を魅了してくれました。

楽しかった!

また、アンコールに二人だけのアンサンブルは本当に良かった!(クラリネット1、ユーフォニアム1だけのアンサンブルを初めて聴きました。)

曲名はハッキリわかりませんが、映画の「三丁目の夕日」のテーマ曲でした。

郷愁を誘うメロディが心に沁み入りました…。

 

休憩です。

それにしても司会の石尾 和子さんは素晴らしい。

文教大学はもちろん、グラール・ウインドオーケストラの演奏会でも“名調子”を聞かせてくれます。

ウィットにとんだエピソードを随所に織り込んだトークは、曲の合間を退屈させません。

“話のプロ”の方のようですが、非常にコンサートを引き立てて下さいました…。

 

第二部は、吹奏楽オリジナル曲のステージです。

最初は中橋愛生先生の曲。

あれ、この「彩雲の螺旋―吹奏楽のための」って、どこかで生演奏を聴いたことがあるなぁ。

どこだろう…。

ああ、確か浦和吹奏楽団の演奏会だったような…。

吹奏楽の名門校、明浄学院高校によって2012年、中橋先生に委嘱された曲です。

仏教の世界観を描いた作品なのですが、その壮大さを見事に描ききった演奏でした。

気合が入ってましたね。

 

2曲目は、今年のコンクール自由曲「コンコルディア」です。

コンクールの結果は残念でしたが、この日の演奏は素晴らしかった!

「銀賞」に疑問を感ずるようなパフォーマンスでした!

ただ、少しだけ思うのは、長生先生の曲は短い“うねり”のようなメロディラインを表現するのは非常に難しい。

本音で言うと昨年のコンクールでアンサンブルリベルテが演奏した長生先生の委嘱作品「時に道は美し」と同系統の雰囲気のある曲だと思っていました。

そして、この“うねり”を如何に効果的に表現できるかがカギでしょうか?

そういう意味では、コンクールにおいて“不利”の曲だった?のかなぁ。(オヤジの戯言です。)

 

また、休憩です。

文教大学吹奏楽部は、いろんな試みをしているようです。

突然ですが、皆さん、“フラッシュモブ”ってご存知ですか?

私は知らなかったのですが、Wikipediaで調べてみました。

『インターネット上や口コミで呼びかけた不特定多数の人々が申し合わせて雑踏の中の歩行者として通りすがりを装って公共の場に集まり前触れなく突如としてパフォーマンス(ダンスや演奏など)を行って周囲の関心を引きその目的を達成するとすぐに解散する行為』

ということなのです。

司会の石尾さんによると今年の5月、越谷のイオンレイクタウンで“フラッシュモブ”に似たコンサートを行ったとのこと。

三々五々に散らばったメンバーが突然現れて演奏を披露する。

買い物客の皆さんは、さぞ驚き、喜んだことでしょう!

ステキな吹奏楽団ですね!

 

第三部は、管弦楽の編曲モノです。

2曲とも近代イギリスの大作曲家マルコム・アーノルドの作品。

最初は「序曲“ピータールー”」です。

これもWikipediaに力を借ります…。

『ピータールーの虐殺(ピータールーのぎゃくさつ、The Peterloo Massacre)は1819年8月16日にイングランド・マンチェスターのセント・ピーターズ・フィールド(St. Peter's Field)で発生した事件である。広場で選挙法改正を求めて集会を開いていた群衆に騎兵隊が突入して鎮圧を図り、多数の死傷者が出る惨事となった。』

この出来事を英国労働組合会議100周年記念作品としてアーノルドが1968年に作曲したものです。

素晴らしい演奏でした!

標題音楽の特徴を余すことのなく表現したパフォーマンスには感動しました!

私的な意見ですが、この日、最高の演奏でした!!

(個人的に)ブラヴォー!!

 

トリの曲は、「第六の幸福をもたらす宿」。

文教大学吹奏楽部、全部員144名による演奏です。

この曲は、吹奏楽でも頻繁に取り上げられる曲ですよね。

迫力のある演奏に浦和のオヤジは大満足でした!

 

アンコールは以下の2曲です。

楽しい演奏会は大盛況の中、終わりました…。

 

私は、アマチュアの大学吹奏楽団の演奏会にイチバン行かせて頂いているのは、神奈川大学です。

神奈川大学は、完成度の高い演奏をします。

でも、演奏前の雰囲気は、おとなしい感じです。

ところが、演奏が始まると恐ろしいほどの“表現力”を発揮します。

個人的に“軍隊”のような印象かな。(失礼!)

しかし、文教大学には“軍隊”ではない“アットホーム”さを感じます。

正直言うと“軍隊”的な統制のとれた演奏も“大好物”なのだけれど、温かみのある柔らかな文教大学のサウンドも大好きです!

これからも、浦和のオヤジにステキな“音楽”を聴かせて下さい!!

ありがとうございました。