浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

NTT東日本東京吹奏楽団 第47回定期演奏会

2014-05-31 12:41:06 | 吹奏楽

今年3月2日にサントリーホールで行なわれた「全国職場バンドフェスティバル」に行きました。
そして、その時、初めてNTT東日本東京吹奏楽団の演奏を聴かせて頂きました。
曲は、1992年度全日本吹奏楽コンクール課題曲、三善晃先生作曲の「クロス・バイ・マーチ」と今、人気の作曲家、井澗昌樹先生の「束の間の恋の歌」。
都会的なサウンドとしっかりしたアンサンブルに心を惹かれることとなりました。
と言うことで、“この日”に至ったわけです。

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2014年5月23日、金曜日。
池袋駅前の東京芸術劇場です。(今年は、このホールばっかりだなぁ。)
NTT東日本東京吹奏楽団、第47回定期演奏会にやって参りました!

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NTT東日本東京吹奏楽団と言えば、吹奏楽コンクール全国大会に何度も出場したことのある“強豪”のイメージが個人的にはあります。
実際、2007年度は、「3出(さんしゅつ。全日本吹奏楽コンクールで3年連続全国大会に出場すると、4年目は出場出来ないと言う大会規定。現在は、廃止。)」により名誉の“お休み”を味わっていますね。
ところが、2009年度から、状況は一変しました。
この年、企業の吹奏楽団を対象にした「職場の部」、学校や企業といった枠にとらわれない自由な吹奏楽団を対象にした「一般の部」が“統合”され、「職場・一般の部」となったのです。
2部門が1部門に統合されたわけですから、ますます、全国大会出場が狭き門になったのは、言うまでもありません。
そのためなのかどうか、わかりませんが、NTT東京(勝手に略させて頂きます。)は、その年以後、全国大会に出場できていません。
ただ、2009年こそ、「銀賞」でしたが、それ以後は、昨年のコンクール東京支部大会まで、毎年「金賞」を受賞しています。
再度、全国大会の舞台に立つ日も、そう遠くない未来だと確信する次第です。

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会場に入ると演奏会前にロビーコンサートをやってますね。
写真を撮りたかったのですが、かなりの人だかりで、なかなか思うようにいきません。
そこで、ロビーコンサートの演奏者が見渡せるエスカレーターの上からの撮影にチャレンジしました。
何とか撮れましたけど…。
動く、エスカレーターの上からの撮影は難しく、ブレブレの写真になってしまいました。
一応、このブログに載せますが…、ご容赦下さい。

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まもなく、コンサートが始まるようです。
楽しませて下さい!

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[演奏]NTT東日本東京吹奏楽団
[指揮]山田 昌弘

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【第1部】

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◆ 2014年全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ
   コンサートマーチ「青葉の街で」(小林 武夫)
◆ 交響組曲「寄港地」より(J.イベール/arr.P.デュポン)
   Ⅱ.チュニス・ネフタ
   Ⅲ.バレンシア
◆ ハーレクイン(P.スパーク)

[ユーフォニアム独奏]齋藤 充
◆ 束の間の恋の歌(井潤 昌樹)

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【第2部】

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◆ ムーライト・セレナーデ(G.ミラー/arr.岩井 直溥)
◆ フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(B.ハワード/arr.櫛田 ?之扶)
◆ ロスト・ムーン~マン・オン・ザ・ムーン・エピソード2~(清水 大輔)
  大統領の夢 ~オープニング・タイトル~
   1. 大統領のスピーチ ~リプライズ~
   2. アポロ13号 ~打ち上げ、運命の日1970年4月13日~
   3. トラブル発生 ~ロスト・ムーン~
   4. 生還
[ナレーション]川勝 亮太郎

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ちなみに今東京芸術劇場は、数限りなく訪問していますが、今回、初の3階席デビューとなりました。(どんな風に聴こえるんでしょう?)
まずは、今年の吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ。
「青葉の街で」。
題名のように実に爽やかな曲ですね。
曲名の由来は、作曲者の小林武夫氏が横浜市青葉区在住と言う単純な理由のようです。
青葉区と言えば東急田園都市線のイメージですか。
高級住宅街の印象が強い。
私が上京したン十年前には、まだまだ住宅地というには、中途半端な状況だった造成地も、こんなに立派になってしまいました!と思ってしまうくらい発展しましたね。
余計なお話はこれくらいにして…、本題です。
軽快なリズム、スピード感、決して重くない演奏です。
まさにコンサートマーチを“表現”して頂いてます。
プロみたいな演奏はできないけれど、これだったら目指せるというアマチュア最上級の演奏でした。

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ただ…、これは3階席のせいかもしれませんが、少しだけ私の席まで届く音の抜け方(ストレートに伝わって来るカンジ…。ウーン、上手く表現出来ません…。)が感じられなかった。
この日は、上の写真のように舞台にパイプオルガンが登場していましたが、もっと響くよう、天井反響板が斜めに降りてきてパイプオルガンを覆い隠してくれれば、良かった。(これは、下の写真のような状態です。)
そうすれば、素人考えながら、もっと私に“音”が届いたかも。
3階席のワガママなオヤジのお願いでした!

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次は、イベールの「寄港地」。
昔は、吹奏楽コンクールで自由曲として多少、流行ったような気もします…。
さすが、社会人バンドは“酸いも甘いも噛み分けて”らっしゃる!
異国のエキゾチックな部分や、何と言いますか色気みたいなものが感じられます。
学生さんと違って、人生経験が“表現力”につながる良い例を見せて頂きました。
3曲目は、ユーフォニアム奏者として広く活躍中の齋藤充先生を客演に迎えて、スパークの「ハーレクイン」です。
「ハーレクイン」とはプログラムの曲目解説によると「イタリアの即興喜劇“コメディア・デラルテ”中のキャラクターで、トリックスターとして知られる“アルレッキーノ”のイギリスでの呼び名」だそうで、「道化師の代名詞」となっているそうです。
曲は、前半が「道化師の哀愁」、後半が「曲芸的なめまぐるしい動き」を「ユーフォニアムの豊かな表現力で描いています。」とのこと。
それにしても齋藤先生の演奏が素晴らしかった!
テクニックを十分、堪能させて頂きました。
ブラヴォー!です。
さて、第1部最後の曲は、人気作曲家、井(い)潤(たに)昌樹(まさき)先生の「束の間の恋の歌」。
ここ数年、井潤先生の「バイ・バイ・ヴァイオレット」は流行りましたね。
自由曲として、取り上げる団体も多かった。(NTT東京も2011年に自由曲にしています。)
素人には明確に表現できないのですが、井潤先生の作品には独特の“激しさ”があって、それによって心を揺さぶられる感じがします。
まあ、日本で言うところの『演歌』に共通するような感情の部分があるような。(演歌に曲が似ているといっているのではありません。“スピリット”の事です。)
NTT東京の演奏も良かったと思います。
細かいミスがなかったとは言いませんが、“大人の演奏”を聴かせて頂きました。
ですが、若干、思ったこと。
先程、書きました井潤先生独特の“激しさ”があまり表現出来てなかったように感じました。(ナマイキ言ってスミマセン。)
個人的にもう少し、泥臭くやってほしかったかなぁ…。

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第1部と第2部の間の休憩中。
また、ロビーコンサートやってました。
今度は、第1部で素晴らしい演奏を聴かせて頂いた齋藤先生を迎えてのユーフォニアム四重奏でした。
またまた、写真を撮りたかったのですが、ロビーコンサートをやっているのが1階席のホワイエで私のように3階席から駆けつけると既に黒山の人だかり。
ですので、先程のようにエスカレーターからの撮影にチャレンジ!
今度もブレブレの写真ですが、載せときます…。

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さて、第2部の始まりです。
プログラムを見返してみて、私のような鈍感なオヤジでも気付きました。
メインの曲、「ロスト・ムーン」に合わせて、曲名“ムーン”の付く曲を持って来たなと。
「ムーンライト・セレナーデ」「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。
どちらも、ジャズのナンバーですよね。
演奏も素晴らしかったし、楽しめましたが、「ロスト・ムーン」と連続で演奏することに多少、違和感を覚えました。(個人的意見ですので悪しからず。)
「ロスト・ムーン」の前作、「マン・オン・ザ・ムーン」の縮小版?だったら、市立柏高校が全国大会で演奏したのでCDを聴いたことがあります。(柏は、良い演奏だと思ったのですが、“銅賞”くらって可哀想に思った記憶があります。)
ただ、「ロスト・ムーン」を聴かせて頂くのは初めてですね。
ちなみに、前作「マン・オン・ザ・ムーン」は、アポロ11号が月面着陸を果たすまでの偉業を描いたものですが、「ロスト・ムーン」は、“輝かしき失敗”と言われたアポロ13号の飛行中の事故、並びに絶望的な状況からの奇跡の生還の物語です。(映画の「APOLLO 13」で有名ですよね。)

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曲にはナレーションが入ります。
最初に故ケネディ大統領の有名な「ムーン・スピーチ」と呼ばれる演説の肉声のテープが流れました。
これで、会場の雰囲気はグッと盛り上がります。
そして、川勝亮太郎さんのナレーションにのせて“音楽”が際立ちます。
また、会場の照明も効果バツグンでした。
物語性があると曲に感情移入しやすいので、吹奏楽に慣れ親しんでいない方でも非常に楽しめるのではないでしょうか?
NTT東京の演奏も会場と一体となって映画の世界のような空間を作り出していて素晴らしかった。

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アンコールは2曲。
以下のとおりです。

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「全国職場バンドフェスティバル」でも、この日のNTT東日本東京吹奏楽団の演奏会でも、あらためて職場バンドの良さを再認識した次第。
会社という組織の中にいると様々な制約に縛られると思いますが、頑張って続けて頂きたいと思います。
武蔵浦和のオヤジも応援しています!!

今回もまた、演奏会が終わってから1週間以上たってしまいました…。m(_ _)m