浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

JWECC(日本管楽合奏指揮者会議)2013~M.グールド生誕100年~

2013-04-09 21:49:54 | 吹奏楽

JWECC(日本管楽合奏指揮者会議:Japan Wind Ensemble Conductors Conference)は日本の吹奏楽振興のために2005年に設立された団体です。
ご存知、東京佼成ウインドオーケストラの仲田守氏が会長となり、その他、日本の吹奏楽界で著名な方々によって運営されています。
2013年3月31日、日曜日、ここ「府中の森芸術劇場 どりーむホール」で“モートン・グールド生誕100年”と題して開催されました。

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私は、つい最近まで、JWECCがあることを知りませんでした。
以前に行ったコンサートでもらったチラシによって、その存在を知る事となったのです。
今回は、東京都下、府中での開催。
しかも、モートン・グールドの曲を演奏するとのこと。
これは、行かないわけにはいきません!(M.グールドは、私にとって特別な作曲家です。その事に関しては後ほどお話したいと思います。)

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この日の日程は、朝10:15に始まり、19:30に終了予定ということでしたが、私は午前中に所用があったもので、午後から伺いました。
府中の森芸術劇場に伺うのは昨年、ゴールデンウイークの都立片倉高校の定期演奏会以来ですので1年振りくらいですか。

私が聴けなかったコンサートⅠ~Ⅲのプログラムは以下のとおりです。(ちょうど会場に着いた時、“コンサートⅢ「中学バンドレパートリー」が終わったところでした。)
なお、私が聴かせて頂いた部分でも、プログラムと順番が違っていたり、新しく加えられた楽曲がありました。
したがって、実際と演奏順や楽曲が違う場合がありますので、予めご了承下さい。(プログラムどおりに記載させて頂きます。)

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【コンサートⅠ「2012~2013新譜、新作」】

[演奏] 山形県立鶴岡南高等学校吹奏楽部
[指揮] 蛸井 朗
● メーカーズ マーク序曲  (Ryan Nowlin)
● マスカレード  (Joseph Turrin)
● シンフォニック エッセイ  (James Barnes)
● ストームチェイサーズ  (Robert Sheldon)
[演奏] 愛媛県立伊予高等学校吹奏楽部
[指揮] 長谷川 公彦
● “楽しい吹奏楽Ⅲ”より“吹奏楽のためのソナチネ”  (高 昌帥)
● 倭建命 流離譚~吹奏楽のための[JWECC2013委嘱作品初演]  (井澗昌樹)
● オプセシォネル[JWECC2013委嘱作品初演]  (長生 淳)

【コンサートⅡ「徹底解明~マーチ王J.P.スーザ~その秘密」】

[演奏] 横浜ブラスオルケスター
[指揮] 近藤久敦
[解説] 高橋誠一郎(東京国際スーザ研究所 主宰者)
● 星条旗よ永遠なれ
● ワシントンポスト
● オン・パレード
● エル・キャピタン
● ギャラント7th
● セヴィーリアの花
● 星条旗よ永遠なれ   (以上、John Philip Sousa)

【コンサートⅢ「中学校バンドレパートリー」】

[演奏] 石川県中学校選抜吹奏楽団
[指揮] 田中一宏、吉田淳一、北山義隆、奥泉清人
● ハバナーファンファーレ  (Andrew Boyson Jr.)
● 古いアメリカ舞曲による組曲  (Robert Russell Bennett/arr.James Curnow)
● シェルタリング スカイ  (John Mackey)
● 創造のレゾナンス[JWECC2013委嘱作品初演(未出版)]  (江原大介)
● 雲を越えて、空の彼方へ![石川県吹奏楽連盟委嘱作品初演(未出版)]  (Richard Soucedo)
● アンコール(未出版)  (後藤 洋)

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以上が既に終わっていたプログラムです。
ひとつのステージだけとってみても、内容が盛りだくさんである事がおわかりになると思います。

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さて、ここからは、私が実際に聴かせて頂いたプログラムです。

【コンサートⅣ「JWECC2013スペシャルバンドコンサート」】
[演奏]  JWECC2013スペシャルバンド 《参加団体及び参加者》伊予高等学校、おかやま山陽高等学校、高知西高等学校、鶴岡南高等学校、光ヶ丘女子高等学校、北陸高等学校、八代白百合女子高等学校、出雲吹奏楽団、ウインドアンサンブルソレイユ、ウインドアンサンブル ドゥ・ノール、上田市民吹奏楽団、勝田町一番地寄合楽団、ソノリテ甲府吹奏楽団、名古屋アカデミックウィンズ、百萬石ウィンドオーケストラ、洗足学園音楽大学(池田政人)、岩田俊哉(川崎医療福祉大学ウインドオーケストラハートフルウインズ)、仲田守、楊鴻泰(青森山田中高等学校)
[指揮] 楊鴻泰、仲田守
● かりそめ小唄~ヴァイオリンと管楽アンサンブルのために[初演]  (日下部進治)
[ヴァイオリン独奏]羽島 健
● サキソフォン日和[JWECC2009委嘱作品(未出版)]  (小長谷宗一)
[Sax]福本信太郎、池上政人、佐野功枝、栃尾克樹
● 翡翠[JWECC2007委嘱作品]  (John Mackey)
● ディス イズ ザ ドラム[JWECC2013委嘱作品初演(未出版)]  (Andrew Boyson Jr.)

【コンサートⅤ「モートン グールドに捧ぐ」】

[演奏] 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団
[指揮] 福本信太郎
[解説] 渡部謙一
● アメリカン サリュート
● バラード フォオ バンド
● “ホロコースト”よりプロローグ(ドラマ音楽:プログラムに記載なし。)
● サンタフェ サガ
● チアーズ

【コンサートⅥ「邦人作品」】

[演奏] 川越奏和奏友会吹奏楽団
[指揮] 佐藤正人
● ファイブ コンビネーション(未出版)  (鹿野草平)
● 沈黙の地球(ほし) (未出版)  (阿部勇一)
[ソプラノ独唱]森有美子
[合唱]松伏高校合唱部

【コンサートⅦ「ウィンドポップスコンサート~世界のリズム~スウィングからアフリカ、ラテン音楽まで」】

[演奏] 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
[指揮] 畠田貴生、織田浩司(Sax&指揮)
● ロングノート ラグ  (Leonard Bernstein/arr.Betty Comden and Adolph Green)
● セイバー ジェット  (Samuel L.Nestico)
● シーロック シティ  (Brant Karricks)
● ストレンジ ユーモア[feat.MATARO]  (John Mackey)
● E chi dal Foro Romano[初演(未出版)]  (Kenichi Mitsuda)
● 映画「追憶」のテーマ  (Marvin Hamlisch/arr.浦田健次郎)(プログラムに記載なし)
[Sax]オリタ ノボッタ
● コンガ  (Enrique Garcia/arr.金山徹)
● スペイン[feat.赤木りえ]  (Chick Corea/arr.金山徹)
● The Bolero!! For Wind Orchestra[未出版]  (Maurice Ravel/arr.Kenichi mitsuda)

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以上がプログラムの全貌です。
見るだけでも疲れてしまいそうな長丁場ですね。

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“コンサートⅣ”は、本日のためのスペシャルバンドの演奏です。
いろいろな団体からの参加で本音で言うとまとまりに欠けるかなと思っていましたが、なかなか素敵な演奏でした。
バイオリンとのコラボがあったり、サックスの素晴らしいハーモニーがあったりして選曲も素敵でした。
マッキーの人気曲「翡翠(かわせみ)」も実はJWECCの委嘱作品だったんですね。
初めて知りました。

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次の“コンサートⅤ”は私にとって、本日の“メインディッシュ”です。
遠い昔の事です。
私は、中学校3年で吹奏楽部員でした。(トロンボーンという楽器と日々、格闘しておりました。)
そして、その年のコンクール自由曲が、モートン・グールドの「サンタフェ・サガ」でした。(私の感覚では「サンタフェ物語」の方がシックリきます。)
大昔の天理高校や駒澤大学の演奏を聴いて参考にしたのを覚えています。
私のいた中学は、この年の前年、前々年と県代表になり支部大会まで進んでいました。
したがって、私が最上級生であったこの年も“支部大会出場”は、必ず成し遂げられなければならない命題でした。
しかし、…。
支部大会には進めませんでした。
その当時は、コンクール自由曲といえば、オーケストラのアレンジ物が主流で、しかも中学では、その傾向が強かった。(アルフレッド・リードさえ演奏する団体が少なかった時代です。)
当時は地方大会の審査員なんぞは、おそらく吹奏楽器のことなど、あまりお詳しくなさそうな(失礼!)声楽ご専門先生もおられたりして…。
そうなると、和声よりもリズムに特徴のあるアメリカの新しいオリジナル曲よりもワーグナーとかのアレンジ物がうけるのは必然でしょう。
何て言い訳がましく書いてますが、高校に進んでから落ち着いた気持ちで演奏の録音を聴いてみました。(もちろん、他の団体と比較してみましたよ。)
ま、納得ですな、力が及ばなかった演奏ということです。
しかし、くやしかった。
今はうらぶれたオヤジの青春の切ない想い出です。

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そんな「サンタフェ物語」(あえて、“サンタフェ・サガ”ではなく“サンタフェ物語”と言わせて下さい。)をこれまた、今、ハマっている(?)アンサンブルリベルテの演奏で聴ける機会が訪れたのでした。
もちろん、他のグールドの曲の演奏も良かったですが「サンタフェ物語」は絶品でした!
私も中学生の“あの日”に戻ったような気になりました…。

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“コンサートⅥ”は川越奏和奏友会が邦人作品を演奏するステージです。
1曲目の「ファイブ コンビネーション」は3月10日の第16回“饗宴”でも聴かせて頂きました。
未出版とのことですが、楽譜が出回れば流行りそうな感じがします。
それにしても、見事な演奏でした。
2曲目は、ソプラノの森さん、松伏高校合唱部の皆さんも素敵でしたが、1曲目と同じく、川越奏和奏友会の魅力を如何なく発揮した演奏だったと思います。

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最後の“コンサートⅦ”は東海大高輪台高校の登場です。
お馴染み顧問の畠田先生と織田浩司(オリタノボッタ)氏の指揮での楽しいステージでした。
特にオリタノボッタ氏のポピュラー音楽の変遷の解説は、わかりやすかったですが、同時にアカデミックで大変、興味深いものでした。

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昨年10月に開催された“第3回もうひとつの全国大会”でのことです。
ゲストとして参加していた東海大高輪台高校は、全国大会で演奏する課題曲と自由曲を演奏しました。
しかし、全国大会まで1ヶ月をきった時点でのその演奏は、決して満足できるものではありませんでした。
というか、今だから言いますが、ヒドかった。
「今年はダメだな。」と思ったのですが、そこから見事な修正、見事、全国大会で“金賞”を獲得しました!
素晴らしい!!
今回のJWECCでは堅苦しいジャンルの音楽ではなかったとはいえ、なかなかのサウンドです。
今年のコンクールは非常に期待できるのではないでしょうか?!

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盛会のうちにJWECCは終了しました。(半分しか聴いていませんが、正直言うと些か疲れました。)
楽しかったですが、観客が少なかった。
企画自体は非常に面白いので、ずっと続けてほしいと思います。
首都圏でも毎年、開催して欲しいですね。