青木フィルハーモニー吹奏楽団の演奏を初めて聴かせて頂いたのは、昨年の埼玉県吹奏楽コンクール、職場一般の部でのことでした。
職場一般の部の県大会は、それまで聴かせて頂いたことがなく、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団を除いては、“初対面”でした。
その日、大学の部に続いて、職場一般の部のトップバッターが青木フィルハーモニー吹奏楽団でした。
朝イチではないものの、最初の団体と言うのは、不利には違いありません。
正直、あまり期待していませんでした。
しかも、自由曲がJ.B.チャンスの「朝鮮民謡の主題による変奏曲」だというではありませんか。
確かに私のようなオヤジには、たまらなく懐かしく、大好きな曲です。(そう言えば、若い頃、腐るほどコンクールで、この曲を聴いたものです。)
ただ、一般の団体がコンクール自由曲として演奏するには、チト、こじんまりとしすぎた曲ですな。
なんて考えながら、演奏を聴くと、なかなか素敵じゃありませんか。
課題曲は、まとまっているし、自由曲冒頭のクラリネットのユニゾンなんか、とても美しかった。
しかし、何よりイチバン気に入ったのは、このバンドのサウンドです。
木管を中心にとてもやわらかいサウンドを持っています。
これは、良い成績が出るんじゃないかと思っておりましたら、案の定、金賞で県代表。
西関東大会での雄姿を拝見させて頂くことが出来ました。(結果は残念、銅賞でした。)
と言う訳で、普段の活動の集大成、定期演奏会に是非にもお邪魔したいと思い、この日に至ったわけです…。
2013年3月24日、日曜日。
場所は、川口総合文化センター、リリア・メインホール。
以下が演奏会のプログラムです。
[演奏] 青木フィルハーモニー吹奏楽団
[指揮] 酒井 敦(常任指揮者)
【1部】
● サモン・ザ・ヒーロー (ジョン・ウィリアムズ)
● 朝鮮民謡の主題による変奏曲 (ジョン・バーンズ・チャンス)
● エルサレム賛歌~アルメニアの復活祭の賛歌による変奏曲 (アルフレッド・リード)
【2部】
~川口初午太鼓「樟風会」のみなさんをお迎えして~
● 「もののけ姫」セレクション (久石 譲/Arr. 森田 一浩)
● ディズニー・プリンセス・メドレー (Arr. 鈴木 英史)
● ジャパニーズ・グラフィティⅩⅦ 美空ひばりメドレー (Arr. 星出 尚志)
【3部】
“第20回定期演奏会記念 スペシャル編成”
● 大序曲「1812年」
(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/Arr. マーク・H・ハインズレー)
さあ、楽しい音楽の時間です。
最初の曲は、「サモン・ザ・ヒーロー」。
アトランタオリンピックの公式テーマ曲ですか。
うーん、最初の曲だからかなあ、金管楽器、ミストーンが多いですね。
だから、曲がつっかえたような感じがします。
しかし、終盤にかかると、この団体が本来持っている実に温かみのあるやわらかいサウンドが威力を発揮し、素敵なエンディングを迎えました。
次は、昨年のコンクール自由曲「朝鮮民謡-」ですね。
これは、練習量が違うせいか、アンサンブルがまとまっていて非常に心地よい。
特に冒頭のクラリネットのユニゾンがうっとりします。
(西関東支部大会の演奏より良かったと思います。)
1部最後の曲は、リードの「エルサレム讃歌」。
この曲は、吹奏楽のコンサートでは聴く機会が多いように思います。(近いところでは、昨年末のアンサンブルリベルテのクリスマスコンサートで聴きました!)
なかなか安定した演奏で曲を楽しませて頂きました。
ただ、時折、同一楽器のユニゾンやハーモニーの部分でピッチの悪いのが気になりました。
と同時に、とんでもなく美しいトゥッテイがあったりして…。
バンダも効果的で、熱演でしたね。
休憩に入りました。
川口リリアメインホールのホワイエから見る外の景色は美しかった。
東京では前日にサクラが満開になったみたいで、ここ川口でも同様のようです。
話をコンサートの方にもどしましょう。
1部を見て感じたこと。
青木フィルハーモニー吹奏楽団の皆さんが最初にステージ上に現れた時から思っていたことがあります。
低音部の楽器が少ない。
バスクラ1、バリトンサックス1、弦バスなしのチューバ2本じゃ少し寂しいかなあ。
せっかく、温かみのあるやわらかいサウンドを持っているのに、もう少し低音の伴奏系の楽器があれば、より重厚になるのにと感じた次第。(素人のオヤジがナマイキに失礼しました。)
でも、一般バンドでは運営や人集めも並大抵のことではないと思います。
心から声援を送りたいです!
さて、次は2部。
(青木フィルの皆さん、全員おそろいの紫のポロシャツに着替えて気合い十分です!)
この日は賛助出演として、“川口初午太鼓「樟風会」の皆さんがコンサートに花を添えて頂きました。
2部のプログラム上の演奏曲目の前に素敵な和太鼓の演奏を披露して頂きました。(日本の伝統文化の世界に引き込まれました。)
次に「樟風会」の皆さんとのコラボで“「もののけ姫」セレクション”です。
聴く前から和太鼓と合う曲だろうなあと思っていましたが、案の定でした。
とてもヨカッタ!
2曲目は、ディズニー音楽です。
ファミリーも多くいるコンサートでは、間違いのない選曲です。
会場の皆さん、“音楽”を楽しまれているようでした。
2部、最後の曲は「美空ひばりメドレー」。
(神奈川大学吹奏楽部のコンサートに行くとアンコールに必ず、ひばりメドレーをやりますが、あちらは、確か真島俊夫先生の編曲だったと思いますので、“違う曲”ですね。)
再び、「樟風会」の皆さんも加わって曲を盛り上げました。
天井のミラーボールが効果的でした(笑)。(それにしても、何故、リリアのメインホールにはミラーボールがあるのでしょう?)
さて、休憩をはさんで最後のステージです。
曲は、ご存知、「1812年」。
演奏メンバーは、現団員に加えて、OBOGの方々。
仕事の都合で辞めざるをえなかったり、遠くに転居したり、また、女性であれば、結婚、出産のためとか、諸々の事情のため青木フィルハーモニー吹奏楽団を離れなければならなかった人々の思いも詰まった演奏です。
原曲では、チェロで始まる冒頭ですが、ホルンとトロンボーンでメロディを奏でています。
どこかの演奏会でサックス群で始まる演奏を聴いたことがあるような気がするのですが…。(サックスで始まるのがとても良く感じた記憶が…。)
私の勘違いか編曲者が違うのか?
この日の編曲者はハインズレーですね。(ハインズレー!懐かしい!私の若い頃は、オケ曲の吹奏楽への編曲は殆ど、ハインズレーだったような印象があります。)
話をもとにもどします。
曲が始まると、冒頭から少しミスが続きました。
目立つところで音を外したりすると印象に残ります。
だから、“特にやってはいけないところでのミス”は、極力さけるべきですよね。
ただ、驚くべきは曲が進めば進むほど、もっと言うなら、演奏している楽器が増えれば増えるほど、素晴らしいハーモニーを聴かせてくれたことです。
そこが、この吹奏楽団の良さだと感じました。
特徴のあるサウンドですね。
プログラム上は、これで終了です。
最後に団長の大沢 一友さんが挨拶されました。
何でも20年前の創団以来、団長をされているとの事。
20年という月日は、決して短くありません。
いろいろなご苦労があったことでしょう。
お察し申し上げます…。
観客も含めたホール全員で団長さんに労いの言葉をかけたあと、アルフレッド・リードの第1組曲の4楽章「ギャロップ」がアンコールとして演奏され、盛会のうちにコンサートが終わりました。
アットホームな演奏会でした。
これからも、ますますのご活躍を期待しております。
特にコンクール。
もう一つ上の段階を目指して頑張って下さい!!
応援しています。