サントリーホール。
1986年の開館以来、日本のクラシック界の名場面を数々、生み出してきた名ホールです。
30年近くたった今でも、全く古さを感じさせず、むしろ“格調高さ”が増したような気さえします。
全国のコンサート専用ホールを全てまわったわけではないので、100%自信があるわけではないのですが、総合的に見て「日本一」のホールだと思います…。
2015年1月9日、金曜日。
早くも今年2回目のコンサートにやって参りました。
場所は、先程から申し上げておりますサントリーホール。
個人的に言えば、昨年9月16日の読響(読売日本交響楽団)の演奏会以来ですかね。(吹奏楽曲で有名なカレル・フサの「この地球を神と崇める」。この曲の管弦楽版を読響が“日本初演”したコンサートでした。とても、楽しかった。)
この日の目的は、神奈川大学の定期演奏会。
しかも、記念すべき50回目のメモリアルコンサートです。
私も2012年のサマーコンサート以来、年2回の定期公演を欠かさず聴かせて頂いております。
どうしても聴きたくなっちゃうんですよね。
私は、開演の15分前に着いたんですが、ホワイエに人があふれ、ホールの中もほぼ満席状態でした。
大盛況です!
そして、ステージ後方、パイプオルガンの下に位置するいわゆる“P席”には、制服を着た生徒さんたちが陣取っていて、ある意味、壮観です。(マスゲームでも始まりそう…。)
それと50回の節目の演奏会だけあって“吹奏楽界の有名人”の方がたくさん、お見えになっていたような…。
私がトイレに行こうとして、2階のロビーを歩いていたら、おそらく中学生だと思われる生徒さんにサインをせがまれていた東海大付属高輪台高校吹奏楽部の顧問、畠田貴生先生。
その畠田先生を横目に見ながら、トイレに向かうと、ちょうどトイレから出て来たのが東関東吹奏楽連盟理事長の新妻寛先生。
用を足し、トイレから出ると私の脇をすり抜ける様にして、小走りに行く方がいます。
よく見ますと、何と横浜ブラスオルケスター等を指導されている近藤久敦先生でした…。(たぶん…。)
わずかな間でも、これだけの方をお見かけしたのですから、たくさんの指導者、吹連関係の方がお見えになっていたことでしょうね。
さて、開演時間がもう間もなくです。
私の席は、2階のRB6列。
正面ではありませんが、視界的になかなかいいですねぇ。
さあ、“音楽”を楽しみましょう!
[演奏]神奈川大学吹奏楽部
[指揮]小澤 俊朗
[オルガン]江尻 弘子
祝典前奏曲 作品61/リヒャルト・シュトラウス
Fesliches Praeludium Op.61/Richard Strauss
バンドのためのディヴェルティメント/兼田 敏
Divertimento for Band/Bin Kaneda
Ⅰ.トッカータ Toccata
Ⅱ.コラール Chorale
Ⅲ.フーガ Fugue
[客演指揮]保科 洋
古祀(1998年 改訂版)/保科 洋
An ancient festival/Hiroshi Hoshina
バレエ音楽「三角帽子」パート2より/マヌエル・デ・ファリャ:保科 洋 編曲
El Sombrero de Tres Picos/Manuel de Falla:arr.Hiroshi Hoshina
粉屋の踊り Danza del Molinero(Farruca)
終幕の踊り Danza Final(Jota)
【休憩】
ゴールデン・ジュビリー/ジョン・フィリップ・スーザ:フレデリック・フェネル
Golden Jubilee/John Philip Sousa:Frederick Fennell
鳳凰が舞う -印象、京都 石庭 金閣寺-/真島 俊夫
La danse du phénix –impression de Kyoto-/Toshio Mashima
交響詩「ローマの松」/オットリーノ・レスピーギ
Pini di Roma Poema Sinfonico/Ottorino Respighi
Ⅰ.ボルゲーゼ荘の松 I pini di Villa Borghese
Ⅱ.カタコンブ付近の松 Pini presso una catacomb
Ⅲ.ジャニコロの松 I pini del Gianicolo
Ⅳ.アッピア街道の松 I pini della via Appia
[司会]岩崎 里衣
最初の曲は、リヒャルト・シュトラウスの「祝典前奏曲」。
5管という大編成オーケストラで、150名余の演奏者が必要となり、しかもオルガンも使うため、なかなか演奏されることがない曲なのだそうです。
そんな大規模な曲を吹奏楽でやって、見劣りしないかと思っておりましたが、杞憂に終わりました。
壮大なサウンドは、弦楽器にも負けぬスケール感を出しており、同時にパイプオルガンの響きと交わることによって、格調高くも聴こえました。
最初の曲から、個人的に心をワシヅカミされたようです…。
次は、兼田敏先生の「バンドのためのディヴェルティメント」。
1967年度(昭和42年)第15回全日本吹奏楽コンクールの課題曲(高校以上)です。
いかに“浦和のオヤジ”がジジィとは言え、さすがにリアルタイムでは知らない曲です。(でも、楽譜は見たことがあるような…。)
初めて聴くのに等しい曲でしたが、兼田先生特有の雰囲気があって、ノーブルな感じがしました。
そして、兼田先生の曲は、もう少し取り上げられても良いのになぁ、と思った次第。
神大の理路整然とした演奏には、好感が持てました。
次からの2曲は指揮者が、代わって保科洋先生。
しかも、曲は、ご自身の作で「古祀」です。
懐かしいですねぇ。
1980年にヤマハ吹奏楽団の創立20周年記念の委嘱作品として作曲された曲です。
若い頃、ヤマハ吹奏楽団の音源でよく聴きました。
私は実際に演奏したことはないですが、よく演奏する団体がいたことを覚えています。
多少、宗教色のある曲ですが、神大の表現力は、その難しいニュアンスを上手にとらえ、観客に伝えてくれました。
土俗的な雰囲気のある名演だと思いました。
次は、指揮は同じく保科先生ながら、感じがガラッと変わってファリャの「三角帽子」ですね。(保科先生の編曲。)
スペインらしく華やかな曲です。
コンクール自由曲として、一時期、よく流行りました。
神大も先程の「古祀」の深いサウンドから、キラキラ輝くような、それでいて温かみのある音色に大転換!
技量の高さが窺われます。
華麗にスピード感のある演奏は観客を魅了していました!
前半が終わり、休憩です。
それにしても、保科洋先生はお元気ですね。
調べてみますと1936年生まれとのことですから、今年で79歳になられるのでしょうか。(ちなみに私の母と同い年です…。)
震災以降、先生の作られた「復興」が大変ブームになって、ご多忙だったと推測されますが、お疲れではないでしょうか?
これからも、お元気でご活躍されることを心から願っております。
後半に入りました。
最初の曲は、「ゴールデン・ジュビリー」。
マーチ王のスーザが自身の指揮者生活50周年を記念して作曲したのだそうです。
そして、それに相応しい華やかな演奏でした。
マーチにでも、色彩感満載の表現力には脱帽。
続いては、「鳳凰が舞う」。
神奈川大学吹奏楽部OBで、吹奏楽曲で超人気作曲家、真島俊夫先生の作品です。
この曲は、2005年に川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の創団25周年の委嘱作品で同年12月の第32回記念定期演奏会で初演されました。(翌年、リベルテのコンクール自由曲となり、全国金賞。)
また、2006年12月16日にフランスのリールで開催された「第2回クードヴァン国際交響吹奏楽作品作曲コンクール」でグランプリを受賞。
京都という伝統のある街の印象を“音楽”として表した素晴らしい曲です。
真島先生の感性が光る名曲に間違いないです。
特にこういう曲には“情緒”が必要だと思うのですが、日本古来のムードを表現した神奈川大学の演奏は素晴らしいものでした。
独特の“間”のようなものを感じられ、観客を「和」の世界に引き込んでいたように思います。(真島先生も会場にお見えになっておられました。)
さて、早いものでトリの曲となりました。
ご存知、レスピーギの「ローマの松」。
吹奏楽のコンサートでは、よくメインの曲として演奏されます。(私も生演奏を10回近くは聴かせて頂いていると思います。)
多種多彩な“色”を持った曲。
何よりも、“きらびやかな”のが好きです。
壮大な演奏でした。
金管のバンダも効果的で実にカッコよかった!
途中、少しオフステージのトランペットとパイプオルガンが噛み合わなかったような気がしたところもありましたが、そんなのも忘れてしまうほど、盛り上がりました!
さすが、神大。
表現力はピカイチです。
なりやまぬ拍手の中、アンコール。
小澤先生の「好きな曲をやります」という掛け声と共に始まったのが、エルガーの「威風堂々」です。
格調高いメロディに会場も興奮気味ですね。
すると、突然、“P席”に陣取っていた中高生の生徒さんが立ち上がり、大合唱が始まりました。(舞台上には、神大を指導されている中村俊哉先生をはじめ、諸先生方も合唱に加わっていらっしゃいます。だと、思います…。)
後での説明によると、その中高生の皆さんは、ちゃんと入場料を払った“観客”でもあり、“エキストラ”でもあったとのこと。
さすが、神奈川大、伝統校の強みですね。
ちなみにこの“合唱”に参加された生徒さんは、東京都立片倉高校、埼玉県立大宮高校、東海大学付属高輪台高校、柏市立柏高校、他、多くの学校の皆さんだそうです。(もちろん、“吹奏楽部”の部員さんたちですネ。)
続いては、神大アンコールの定番、真島先生編曲による「ひばりメドレー」。
そして、これまた定番の「星条旗よ永遠なれ」でフィナーレです。
衣装がバッチリ決まったステージドリルの皆さんも、演奏に華を添えて頂きました。
大盛況のうちにメモリアルコンサートは終わりました…。
サントリーホールって、ホントに素敵なホールですよね。
気品があるし、重みを感じます。
そして、このようなホールで最高の演奏をして頂いた神奈川大学吹奏楽部に感謝!!
(これからも応援し、聴き続けていきます、と決意する“浦和のオヤジ”でした…。)
楽しみにしております *\(^o^)/*
このブログを書いている「浦和河童」です。
「浦和河童便り」をお読み頂いているようで、大変うれしく思います。
仕事の都合でなかなかコンサートに行けないこともありますが、出来るだけ情報を発信させて頂きます。
よろしければ、これからも「浦和河童便り」をよろしくお願いします。
突然 失礼します。
毎回 演奏会の感想や、ホールの様子などなど 楽しみにみております。
神奈川大学の演奏は ほとんど聞いているのですが、その他の演奏はなかなか、全部聞く事は出来ないので、楽しみに読ませていただいてます!
これからも、楽しい情報お願いいたします U+1F3B6U+266C m(._.)m