こころの声に耳をすませて

あの結婚生活は何だったのだろう?不可解な夫の言動はモラル・ハラスメントだった…と知ったウメの回想エッセー。

『私』を取り戻した日

2006-10-10 23:11:34 | 別居その後
 2年前の今日、私は夫の元を離れた(別居)。
 この日までどんなに葛藤したことだろう。どんなに悩み、苦しんだことだろう。夫の望むようにと思いながらも、それが叶えられない激しい焦燥感。そして、夫への憎悪に焼き尽くされそうになった自分自身への恐怖(私の怒りマグマ)。
 私は常に夫に振り回されていた。夫の顔色ばかり窺っていた。夫の望むように生活しようとした。そして私はもう少しで私を見失い、殺してしまうところだった。それくらい、私は自分を極度に追いつめていた。

 別居した当初は、夫への怒り、築き上げていくはずの生活が崩れ去ったという深い喪失感、今までの生活は何だったんだろうという虚無感など、様々な感情の嵐に苛まれた。しかし、同時に自分の時間を大事に過ごすことのできる喜び、穏やかな空間に身を置ける安心感、自分を罵倒する人間がいないことによる精神的な安定感を抱くことができ、そのことから、私はこれで良かったんだ、と思えるようになった。

 最近はふと思うのだ。あの結婚生活は何だったんだろう、と虚しくもなるが、あの生活で喜びもあり、笑いも楽しみもあった。絶望も血を吐くような苦痛も、ハラワタが煮えくりかえるような怒りもあったが、いろいろなことを経験し、学んだ。あの結婚生活を美化するつもりは全く無いが、あの時間も私の人生のある過程なのだろうと思えるようになってきた。そして、これからどんな生活になろうとも、どんなに苛酷な体験があろうとも、それも私の人生なのだ。私は私として、『今』を選択し、『今』を行動し、『今』を生きている。今、私は初めて他人に振り回されない、他人に縛られない人生を生きているように感じる。かつてひとり暮らしをしていた時、それなりに楽しかったが、何かに縛られていた。それは他人の目、あるいは世間の目、親の目、同世代の目…だったかもしれない。

 私は夫から離れ、初めて自分の生活を自分自身の足で手に入れたのかもしれない。だから、そういう意味で、これからが私が私として生きる、本当の人生なのかもしれないのだ。様々な体験が私を成長させ、私に力を与えたと思おう。そうでなければ、あの結婚生活は無意味だった、と私自身を否定することになる。人生、思いがけないことは突然降りかかってくるものだ。しかしそれは自分が悪いからではない。人生につきものの『偶然』というシロモノなのだ。偶然は、いつも手を変え品を変えやってくる。それに自分として、どう対処し、どう乗り越え、どう消化していくか、なのだろう。変えられるのは、『自分』と『未来』。例えモラ夫を選んだとしても、そこから気づき、対処し、自分で自分のこころの声のする方へと修正すればいいのだろう。

 これはある過程。このモラハラ経験で、私はたくさんの方々とこうして知り合うことが出来た。それもすごいご縁。私は、そこで同じ体験をもつ方々同士のパワーを心底実感した。こういうパワーを知ることも、私に必要なことだったに違いない…そんなふうに思う。

 私は今の『私』でよかった。どこへ流れていくかわからないが、私は『私』を信じたい。もう誰かに振り回される人生はやめよう。もしかしたら、振り回されるかもしれない。でもその時の自分を感じよう。私はこれからもいろいろな失敗を繰り返すだろう。でもその度に、修正することも覚えるだろう。いつでも考え直すことができるし、いつでも進む道を変更することができる。きっとできる。。。

そんな勇気を得られた『今日』の日だった。




13 コメント

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脱出記念日おめでとうございました (酒蔵)
2006-10-11 00:43:44
一日遅れちゃいましたが、おめでとうございました!

今の自分を許せたら、過去の失敗?も糧として受け入れられるのかもしれませんね。

ともあれ。乾杯~☆
カンパ~イ☆ (酒蔵さんへ)
2006-10-11 20:43:07
酒蔵さん、おひさです~!

お元気でしたか?



あれから2年たったんだな~って思います。

苦しい思いに押しつぶされそうなことも多かったのですが

漸く、穏やかな心境になってきたかな~って。

自分の人生、否定ばかりしていたら自分が可哀想ですし

苛酷な体験があったからこその「今」もあるわけで

まあ、いろんな意味で自分を受け入れられるように

なったのかもしれませんね。

といってもモラ夫は今も許せませんが!(爆!)



酒蔵さん、ありがとうございます!

ともに飲みましょう~♪

カンパ~イ☆
忘れてた! (宇砂子)
2006-10-11 20:57:48
ウメさん、ありがと~



思い出しました!

ワタシも昨日が脱出記念日~



そうか・・・2年か・・・。



ついこの間のような気もするし、

随分前のような気もするし・・・。



とにかく、2年前のお互いの頑張りに、乾杯~
おぉ~!宇砂子さんもおめでとう~! (宇砂子さんへ)
2006-10-11 21:31:10
宇砂子さん、こんばんは~!

お部屋、落ち着いてきましたか~?



ところで、2年前の昨日は、

奇しくも、宇砂子さんも私も

脱出記念日だったんですね~!?

すごいわ!宇砂子さん、私達がんばったよね!

なんだか嬉しいわぁ~



私が引越しているとき、

宇砂子さんも家を後にしていたのですね~…

もしかして、今日も決死の脱出をしている人が

どこかにいるかもしれません



私達と、これから脱出をしようと決意している人たちのために

乾杯~~

     ウメより
おめでとうございます (あかね)
2006-10-13 12:36:03
もう2年たつんですね。

その間、多少の接触はあったものの

ほぼほったらかしにされてる状態なんですよね?

すっきりしたいですね。

私ももうすぐ「夫を捨てた記念日」がやってきます。

宇砂子さんも10月だったとは・・・。

秋風が吹いて人恋しくなる頃に捨てられたモララ達が哀れです。
ありがとうございます (あかねさんへ)
2006-10-13 22:23:26
あかねさん、こんばんは!



そうなんですよ~。

いつのまにか丸2年たっていました。

その間直接会ったのは1回、

電話は3回、手紙が4回かな。

ほぼ放置状態です。

ちょっと以前の家の売買の件で、

そのままほってますが、

いずれは決着をつける予定です。



あかねさんは夫を捨てた記念日ですか。

精神的にも夫を捨てると、随分楽ですよね。



モララ、哀れじゃないですよ~。

もっともっと苦しんでほしい~~!!(爆)

あかねさん、情けは無用でっせ~~!!

    ウメより



バンザ~イ (baniramama)
2006-10-13 23:15:42
今のウメちゃんのお誕生日は10月10日だったのね あたしと一日違いじゃんね~

なんか嬉しい(喜んでいいのかなぁ)

お誕生日でもあり旅立ちの記念日、おめでとう♪

えらかったね ウメちゃん

えらかったはカケコトバ

偉くて 豪い・・・もうこれで並大抵の事はのりきれる、はず。

記念日 おめでとう そして、バンザ~イ

ありがとうございます~ (baniramamaさんへ)
2006-10-13 23:59:51
baniramamaさん、こんばんは~



ある意味、誕生日だったのか~、と

baniramamaさんが言ってくださったことで

自らも納得☆



えらいってもんでもないんですけどね~…

こんな出来事ができればない方がいいのでしょうが…

相手がモラだったら、あったほうがいい!

(爆!)



baniramamaさん、いつもありがとうございます~

嬉しいです♪

     ウメより

罪悪感 (デスパレート)
2006-10-17 08:24:08
おめでとうございます。せっかくのお祝い気分に暗い書き込みになります。ごめんなさい。つい辛くて自分のブログの日記に吐き出してから、こちらに放浪してきてしまいました。もうモラオと口をほとんどきかない日が2週間以上続いています3週間かもしれません。感覚が麻痺してきました。



ウメさんの書き込みに共感しきりです。特に、うめさんが1人暮らししていたときも何かに縛られていたという部分。私も1人暮らしの時期が何年かありました。



昨日、夫と離婚して1人の自分を想像したとき、あの頃の心境に戻るのだろうか?と考えてみました。でも、あの頃は自由だったけど、私は孤独に縛られていました。いつも白馬の王子様を待っていたのかもしれません。1人暮らしのきっかけは父の存在でした。



父はモラハラだったのか、、、今となっては記憶の遠くです。しょっちゅう怒鳴られて泣いていたのは覚えています。しょっちゅう機嫌が悪くて父が帰ってくると皆がビクビクしてたのも覚えています。父に怒鳴られて一人部屋の中でよく泣いていたのも覚えています。その父も今は年をとって、とっても丸くなってます。母には、よく外国にまで言ってお父さんと同じような人を見つけたわね。絶対にお父さんのような人とは結婚しないって言ってたのに、と言われています。



ところで、ウメさん(長くダラダラすみません。)私、すごく罪悪感があります。夫を騙しているような気がするんです。夫を既に全然愛していません。子どもたちのために芝居をして夫の機嫌を取って冷戦じゃない時は、一見楽しそうにやってます。



夫は、機嫌の良い時は将来二人きりになったら一緒にお正月に日本に戻ろうとか、どこどこへ旅行しようとか楽しそうに話します。私は顔で笑いながら心の中では「モラオと旅行するのは本当にいやだ、苦行だ。」と思っています。



今まで数度、モラオと夫婦旅行、家族旅行に行きましたが、いつもモラオのご機嫌に合わせて、神経を使いっぱなしで何一つ楽しいことはなかったです。



でも、こんなふうに夢見るモラオを子供立ちも巣立った後に捨てるのは、とっても酷だという気持ちが心を離れません。



長男も、こんなモラオの被害に遭いながら(私がほとんどかぶるのですが、それでも長男にモラが行く場合があります。私がいなかったら、大変です。)私がふと将来日本に戻ろうかな、と言うと「ママ、お父さんを捨てないで」と言います。男の老後1人ってみじめだろうな、とか考える自分。でも、夫を愛していなくて、こんな人と、一緒にもう過ごしたくないという自分、騙している自分、罪悪感でいっぱいです。



ご自身を大切に… (デスパレートさんへ)
2006-10-18 21:42:28
デスパレートさん、こんばんは



デスパレートさん、お辛いですね…

私も夫と口をきかずに過ごす日々は

家の中が酸欠になるような感じで息苦しく

また、絶えず夫の怒りの放電が私をビリビリと苛みました。

デスパレートさんの苦しみ、お察しします。



デスパレートさんは、子どもの頃も

お父様の怒りの雰囲気に苦しまれておられたのですね。。。

その頃のこと、そして現在のこと…

生きるとは時に残酷なことですね…。



デスペラートさん、モラとともに生きるには

おっしゃる通り、自ら芝居をするしかありません。

本音は絶対に言えない。

あくまでも、モラに合わせた芝居なのです。

それは、モラの欲望に同化し、自らを抹消することです。

私もそうでしたから、そのことが骨の髄までわかります。

デスペラートさんのこころの声は、自らを取り戻したいと

訴えておられるのではないですか。

生きる上でどちらかが相手の犠牲になるなんて

それは対等ではないと思います。

デスペラートさんは、ご自身の人生を生きる権利があります。



夫を騙している罪悪感…

私も夫に対する愛情もなくなり、ただ憎しみだけが

自分の中にのたうち回っていた頃、

こんな生活は虚構じゃないかと感じました。

どうして夫を憎みながら、私は一緒に生活しているのだと。

デスペラートさん、夫を捨てるのではなく、

自分を生かすと思ってみてはいかがでしょうか。

このような状態では夫さんだって不本意でしょう。

夫が求める生活を、また新たに求めて貰えばいいのだと思うです。

こちらはそれに応えられなかったから

離れればいいと思うのです。

お子さんだってきっと理解してくださると思います。

お子さんはもうデスペラートさんご夫婦の関係を

感じていらっしゃいます。

ただお子さんの立場として

ご両親は離れてほしくないという思いが

おありなのだと思います。



答はすぐにでないと思います。

ただデスペラートさん、どうかご自身を責めないでください。

デスペラートさんは決して悪くありません。

どうか、またいらしてください。

いつでもデスペラートさんの思いを語ってくださいませ!

お待ちしております。

     ウメより







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