新幹線を降りると名古屋はひんやりします。東京との気温の差にちょっと驚きながら近鉄名古屋駅へ。これから乗る特急とあとで乗る観光特急の特急券を買ってからホームへ。
乗車するのは0830発名阪特急大阪難波ゆきですが、その前に新型特急が来るので待ちます。運行を開始して間もない新型特急なので鉄のみならず普通の人々もホームに待機しています。
ギャラリーに見守られながら堂々とやってくる新型特急「ひのとり」。その姿は千両役者のようです。
新型特急「ひのとり」は大阪と名古屋の間を結ぶ名阪特急に3月14日から投入された電車で80000系を名乗っています。6両または8両編成で先頭車2両がプレミアム車、中間車がレギュラー車となっています。プレミアム車は2-1配列で座席間隔は1300mmと、新幹線のグリーン車並みの座席間隔と本革ばりのシートなっています。しまかぜが1250mmなので、近鉄で最も広い座席とも言えそうです。一方レギュラー車は2-2の配列ですが、こちらも新幹線並みの1100mmの座席間隔が確保されています。いずれの座席もバックシェル構造になっており、後ろの席に気兼ねなくリクライニングを倒せるようになっています。
運転席後方にはひのとりのロゴマークが。車両の形や色などのイメージを、翼を広げて飛翔する「火の鳥」に重ねて命名されました。艶のある塗装はカメラを構える自分の姿が映し出されるので、撮影が難しいです。
側面の行き先表示はフルカラーLED。ひのとりの愛称とともに列車番号が表示されます。「ひのとり」はあくまでも車両の愛称で近鉄特急にはJRのように運転系統毎に愛称がついておらず、列車番号がカギとなっています。そのため特急券にも列車番号が表示されています。
「ひのとり」80000系は津のみ停車(一部大和八木も停車)するタイプの名阪甲特急に投入され、運転開始時の現在は6往復の他、西大寺車庫入出庫の関係上、大阪難波ー近鉄奈良間に1往復投入されています。最終的には名阪甲特急すべてが「ひのとり」になり、大和八木・名張・津・白子・近鉄四日市・桑名に停車する名阪乙特急はアーバンライナーとなります。
この列車は満席で近鉄名古屋を発車してゆきました。プレミアム車で300円、レギュラー車で100円のひのとり料金がかかりますが、やはり新車は人気です。0820発の大阪難波行きは大和八木にも停車する列車で空いていれば乗りたかったのですが、次の0830発アーバンライナーに乗ることにしています。
ひのとりが発車していった後にやってきた汎用特急車。折り返し回送電車となる電車ですが、乗務員さんの粋な計らいでしょうか、現在では使われていない湯の山特急併結の行き先表示を出していました。