「東京都児童虐待防止条例」に対して、共産党都議団は修正案を提案しました。
この修正案は、知事から提案された「いいもの」であっても、「より良く」するために共産党都議団として提案しました。
参考①:東京都子供への虐待の防止等に関する条例案に対する修正案の提出について
参考②:条例新旧対照表
東京都子供への虐待の防止等に関する条例案に対する修正案の提出について
2019年3月19日
日本共産党東京都議会議員団
日本共産党都議団は20日の厚生委員会に、東京都子供への虐待の防止等に 関する条例案に対する修正案を提出します。内容と理由は以下の通りです。
【修正案の内容と理由】
1 子どもが権利の主体であることが原案の前文に明記されたことは重要ですが、子どもの権利をより明確にするため、本則にも子どもが権利の主体であることを明記します。
2 前文で、虐待の背景として、核家族化や地域社会の人間関係の希薄化が例示され、家庭や地域社会における養育力が低下することが虐待につながると書かれています。しかし、昔から核家族が子育て家庭の主流であり、核家族化が虐待の代表的な要因であるとは考えにくいこと、家族の形ではなく社会的背景に着目してこそ有効な施策を行うことができることから、経済的困窮と社会的な孤立を例示する文章に改めます。
3 禁止される「子供の品位を傷つける罰」について、原案では「保護者が、しつけに際し、子供に対して行う、肉体的苦痛又は精神的苦痛を与える行為(当該子供が苦痛を感じていない場合を含む。)であって、子供の利益に反するもの」と定義されていますが、この定義だと、前段部分に当てはまる行為で、 子どもの利益に反しないものがあるという誤解を生む可能性があると考えます。そのため、「であって、子供の利益に反するもの」という部分を削除します。
4 原案では、虐待の防止に当たり、子どもの意見を尊重することが定められていますが、子どもの意見表明権が書かれていないため、明記した条文に改めます。
5 原案は体罰等によらない子育ての推進のための施策を行うとしていますが、「体罰等」が指すものをより明確化するため、「体罰その他の子どもの品位を傷つける罰」とします。
6 原案では、保護者が子どもの養育に係る第一義的な責任を負っていると書かれています。保護者の責任を強調することは、行政の責任の位置づけを弱めることや、子育てに悩む保護者が孤立することにつながるおそれがあることから、保護者の第一義的責任についての記述を削除します。
7 原案では、子どもに対し、自身が守られるべき存在であることを認識するための啓発活動等を行うことが定められていますが、子どもは守られるだけの受け身の存在ではなく、権利の主体であることを明確化することが重要であるため、「守られるべき存在である」を「守られる権利を有する」と改めます。
8 原案では、若年者に対し、予期しない妊娠に至らないための啓発活動を行うものとするとしていますが、より早い年齢からの性教育が重要であることなどから、対象を「若年者等」とするとともに、啓発活動だけでなく教育も位置付けます。
9 条例の実効性を高めるため、財政上の措置についての規定を加えます。
10 原案では全体を通じて「子供」という表記が使われていますが、この書き方だと子どもが大人のお供であるような印象を与えるため、「子ども」という表記に改めます。
以上
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