何事をするにも,基準面ができていないと,その上の作業がうまくいかない.今は,いろんな装置ができていて,お金をかければ労力少なく基準面がつくれる.
…が,今回は,「ART of POWER」で紹介されている「節約コース」の基準面のつくり方を実践してみた.
「ART of POWER」では,プラスティック製のメスシリンダーを用意することになっているが,手間隙を考えて今回はコレ↓を用意した.
容器の目盛りは使わず,容器下面からの水面の高さ(相対位置)をスケールで測ることにした.今回,この容器を選んだのは,容器下から水路が上に伸びてノズルにつながっているため,2つの容器をノズル対ノズルでつなぐことによって,2つの容器の水面が同じ高さ(絶対位置)に保つことができるからである.もちろん,つないだチューブの中には空気が入らないよう注意した.(画像では,タイラップが1個ずつだが,実際には2個ずつ使用して空気が入らないようにした.)
チューブの長さは5m.十分な長さである.
水面が同じ高さ(絶対位置)になっているのがわかるだろうか?
まずは,タイヤがくる位置を適当な領域で記した.今回は,□ 200 mm .
最初は,左前と左後を測った.容器下面からの水面高さ(相対位置)の計測値は,FL (66 mm), RL (65 mm). 次は,FL (62 mm), RR (68 mm). 最後に,FL (65.5 mm), FR (65.5 mm). (今考えると,計測結果が怪しいかな?)
ということで,1番床面が高い RL を基準にして,FL +1.0 mm, FR +1.0 mm, RR +7.0 mm の調整板が必要であることがわかった.早速,板を用意して再度計測した.結果,十分満足いく基準面ができた.これで,次のステップへ進むことができた.
計測から調整・再計測を含めて数十分程度で基準面をつくることができた.慣れれば,数分でつくれるだろう.
参考程度に,左右の距離は約 1,240 mm, 前後は約 2,940 mm. 計測精度が 1.0 mm と悪く見積もったとしても,左右間の角度は 0.046 度.基準面としては十分である.
容器は1個 338円(税抜き),チューブは5mで 300円(税抜き).安い買い物だった.メスシリンダーでなく,容器を使った事で,移動の際に水が溢れ出す心配がなくなった.蓋ができることは便利であった.