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つれづれ 2

庭の花や身近な出来事などを退屈しのぎにあれこれ綴っています。

流域紀行八王子 -風景に歴史を訪ねて

2016-09-18 15:00:11 | 馬場先生の野外講座


北浅川をさかのぼる ④夕やけ小やけの里 と 案下の熊野神社

4月期最後の野外講座は、前日までの雨雲もなくなり
青空が広がる好天に恵まれました。

集合場所の高尾駅から私達の乗る陣馬高原下行のバスは
臨時のバスが出るほど若いハイカーや行楽客で賑わっていました。

今日も馬場先生のプリントを片手に歩きました。
午前中は夕やけ小やけの里を訪ね
午後は案下川と醍醐川の合流点まで歩き、
そのあと上案下にある熊野神社を訪ねてきました。(9月17日)

バス停「力石」で下車する
バス停の近くにある「草木家」現在は無住ですが
上恩方村の名主を務めてきた家です。



暫らく歩き 昭和橋からの北浅川です。



遠くに「夕やけ小やけふれあいの里」のふれあい館が見える道を歩く。



高台にある薬師堂にお詣りをする。
創建は応永年間(1394~1428)と伝える。



北浅川に架かる橋からの眺めです。





陣馬街道に出ると直ぐ目の前に ふれあい館が見えた。



中村雨紅のお墓。
明治30年旧恩方村に生まれた雨紅は、
東京府青山師範学校を卒業後、府内で教鞭をとる。
実家への帰り道で見た夕暮れの情景を詩にした 夕やけ小やけは
今も広く歌い継がれている。
本名は高井宮吉。



夕やけ小やけ館
中村雨紅展示ホールや前田真三写真ギヤラリー、市民ギャラリーになっている



お食事処「いろりばた」で美味しい山菜そばを頂いてから
午後は先ず園内の散策です。



石段を少し降りると北浅川の流れを見る事が出来た。、
水量があって迫力があった!
岩と岩の間を流れる透明感のある水面に癒されるひと時でした。


美しい清流に架かる「仮橋」を渡って向う岸に着く仲間達と離れて
私は対岸を歩いた…(細い橋は苦手なのでパスした…)
川の水に手を入れると冷たくて 湿った空気と、いい川音に心が和んだ。





沢山の山法師の実が赤く熟れていました。夕やけ小やけ館前で仲間と合流した。



午後は「夕やけ小やけふれあいの里」から歩き始める。
宮尾神社の神職 高井家です。



上恩方郵便局
外壁は洋風下見板で市の有形文化財になっています。



高留番所跡
江戸時代甲州街道の裏街道(案下道)の重要な交通要点として
治安警備等のため設置されたもので、番所は村持ちで村方36人
が交代で勤務したと云う。明治初年に廃止されたが
現在もこの地を関場と称している。
近くに関場と云うバス停がある。



案下川と醍醐川の合流点
手前の高台を流れる醍醐川に案下川が合流している。



陣馬高原下行きのバスに乗車して熊野神社へ向かう
バスを降りてから案下川に沿って歩き民家の脇の小道を登った。



往時の村人の信仰であったであろう石仏や石碑が歴史を語っている様です。



石段を昇り更に又石段が続き
大木に囲まれた静かな境内に熊野神社は鎮座していた。
創建は定かではない様です。
先生が「古い石段なので注意して降りて下さい」の言葉に
仲間に助けられながら、転ばない様にやっと降りた。


「夕やけ小やけふれあいの里」を流れる北浅川の景観と
案下川と醍醐川の合流点等や、地域の歴史など…
北浅川をさかのぼる の締めくくりに相応しく見応えのある
いい探訪の一日でした。

次回からは10月期が始まります。今度は川口川を遡って歩きます。
もうカリキュラムも頂いています。
どんな風景に出会えるか楽しみです。









流域紀行八王子 -風景に歴史を訪ねて

2016-07-17 14:55:25 | 馬場先生の野外講座


恩方と案下-流域都市:八王子の山と里

野外講座はいつも7月は教室での講義になっています
一年に一度、野外とは違い涼しい教室です。(7月16日)


びっしり印刷されたプリントは目次で理解しやすくなっています。

     1 西に山を見る流域都市:八王子
2 恩方と案下という地名
     3 上案下の熊野社と案下の広がり
     4 本宮山:高茶山の踏査記を読む
 5 里からの眺望と山の相貌

特に恩方と案下と云う二つの地名はどのようにして生まれ
どんな過程があったのか、という事で
      『新編武蔵国風土記稿』
 『武蔵名勝図会』
『帝国地誌』
を資料として揚げ説明して下さって、より詳しく歴史を学ぶ事が出来ました。

プリントは資料として5枚もありましたが
小さいゴシック文字の部分を拡大すれば
倍数位になるのではないかと思いました。

野外講座で歩く時も必ず地図を見ながら歩いていますが
教室の講義でも地図で より解り易く説明して頂きました。
里から西方に見る地図を解り易く右側に1万分の1地形図として貼付しています。

クリックすると拡大します


先生はプリントの最後でこの様に結んでいます。

クリックすると拡大します



午前中の講義が終わり次はヴィア・マーレ(イタリアン)での昼食会です。
和気藹藹と楽しいお食事会でした。

森脇さんのお心配りで事前に パスタは「オイル系?クリーム系?」
メインは「お魚?お肉?」と注文を纏めてくれた控が手元にあったので
今回は間誤付く人は居なかった様でした~

お飲み物を決めて先ず乾杯!私は何時も赤ワインです。
最初は多彩なオードブルです。


メインはお肉で~す。
美味しいお肉に添えてある「レンズ豆」が柔らかくてお肉と相性抜群で、
始めて食べるお豆です。美味しかった!


デザートは程よい甘さと冷たさのミルクプリン ブランマンジェです

最後にお紅茶を頂きながら又、楽しいおしゃべりです。
いい講座と美味しいお食事の一日でした。
8月は夏休みです。9月から又、馬場ファミリーは歩きます。





流域紀行八王子 -風景に歴史を訪ねて

2016-06-19 14:40:33 | 馬場先生の野外講座


北浅川をさかのぼる ③松竹橋から狐塚長尾橋まで

前回の解散地 松竹橋から歩き始める。
快晴でしたが空気の重く感じる一日でした。
緑が迫る北浅川に沿って、その土地の歴史や寺院など
先生のプリントを片手に歩きました。(6月18日)

梅雨最中とは思えないこの空…



浄福寺
馬場先生のプリントによれば、
『稿』に、「境内除地1万1391坪、千手山普門院と号す、
新義真言宗にて横見郡御所村息障院末なり(現在は京都醍醐報恩院末)、
開山を廣恵大師と云、当寺来来由記の略に云、…」



背後の山には浄福寺城と云う山城があったところで
境内の前面に残る石垣跡が、かっての城郭遺構の一端を伝えています。



本堂。



裏山を少し登る、小さな観音像が三つ並ぶ細い道を登ると城址のルートになる。



白山大権現をお詣りし、先生からの説明を受ける。



北浅川の流れ…



稲荷神社。



稲荷神社の裏で、北浅川が大きく蛇行していた。




両岸を山足が迫り次第に山の気配が深まってくる。



緑と北浅川の流れが美しい。



足に優しい道を歩いたり…



駒木野の町並み。



一刻芸術会館で持参のおにぎりで昼食。
彫刻家(故)田中一刻氏と奥方の書家吉沢和子さんの作品を展示している。
良い雰囲気のカフェでした。



黒沼田
田植えのすんだ水田風景が素晴らしかった!



長い急坂を登って興慶寺に入る、境内から今登ってきた眼下を見下ろす…



今日最後の興慶寺です。
先生が実踏に訪ねた時、「猛犬に吠えられて怖かった…」、と
仰っていましたが、この日も盛んに吠えていた~怖かった!
(あんまり気持のいいものではありません…)




鐘楼が立つ山の中腹まで昇った。木間隠れに集落が見える。



行く途中、中村雨虹の「ふる里と母と」の詩碑がある。



かなりの急坂の山道を登り、やっと鐘楼にたどり着いた。



眼下には、今訪ねた本堂や庫裡が見える。

梅雨の中休みでしたが蒸し暑かったので汗びっしょり でした。
でも木陰も多かったので時々森林浴も出来ましたぁ~
蛇行する自然の河川を目の前で見る事も出来たり
古刹や地域の歴史を新たに知る事が出来た いい探訪でした。

皆さまから差し入れの塩飴を頬張り、水分補給をしながら歩きました。
次回7月は暑い時期なので、毎年野外ではなく、お教室での講義です。
恒例になっている昼食会も楽しみです。





流域紀行八王子 -風景に歴史を訪ねて

2016-05-22 16:58:50 | 馬場先生の野外講座



北浅川をさかのぼる ②神戸の流れ橋から松竹橋まで

新緑も一段と輝いてきた5月21日、4月に引き続いて北浅川を遡った。
バス停「切り通し」で下車、
先生から今日の行程や見所などをお聞きしてから歩き始める。
4月に来た時は柔らかい色の芽吹きの時期でしたが、
もう緑が眩しい季節になっていました。

先ず、バス停すぐ傍の日枝神社にお詣りする。
以前訪ねた八王子の石川にも日枝神社があって、
やはり長い石段を登った記憶がありますが
神戸の日枝神社は大楽寺村内にあって鎮座の年号を伝えず…とあり
当所の鎮守であった様ですが、創建はかなり古い様です。


緑の美しい切り通しを歩き神戸の流れ橋に向かう。



緑が繁る草むらが一面に広がるその先に、流れ橋がある。


いよいよ流れ橋を渡る…
渡れるかどうか不安だったけど、幸い水量も少なくてその分少し落ち着けた。
渡っていて感じた事は楚々とした橋なのに、揺れが全くないのには驚いた。

『案ずるより産むが易い』です。渡り終わってホッとしました。
私達全員が渡ったのを見届けてから渡って来る しんがりの三人を撮りました。



みんな揃った処で北浅川沿いに遡る。



陸北大橋が真近に見え、雑草化したオルラヤが河川敷に群生していた。



宝生寺の重厚な山門が見えてくる。


境内には立派な七福神が並んでいて、心が和んだ。


本堂西奥の高台に建つ毘沙門天堂にお詣りする。



新緑も色濃くなってきた気持ちのいい道を歩く。



紙谷橋から下を見る。山入川と小津川が橋のすぐ上手で合流している。
写真で白く見えるのは道ではなく川です。
馬場先生のプリントを抜粋すれば
『稿』 山入村に「無名の川なり、水源は西の方なる谷間より出る清水にて、
下流は小津川に合す、常に水流なし、雨降る時のみ所々の水落入て流る、小石多し…」
砂礫層の様に雨が降っても直ぐ涸れてしまう事が早く、現在も変わらないそうです。



閑静な住宅街の一角にある菅原神社。
現社殿は明治19年(1886)の再建。典型的な明神鳥居で整った美しさです。
ここで鳥居に付いての説明がありました。

プリントに貼付されていた鳥居の見方です。


クリックすると拡大します。


元木橋より眺める北浅川の流れ、遠くに陸北大橋が見えます。



小田野カフェで昼食を頂く。



素敵な色合いの薔薇が中心のお庭を拝見させて頂いた。
チーフにお聞きしたら「母が楽しんでいる庭です…」と仰っていました。



美味しいオムライスに舌鼓です。
薄い味付けが野菜の味を引き立てて居て美味しい上にお値段も良心的でした。



新緑も美しく、心地よい風が快適。
北浅川を遡る…いい風景です。







川原宿橋からの眺めです。明るい陽射しが眩しい位です。



御岳神社の赤い屋根が見えてきました。


馬場先生のプリントに貼付されていた写真です。


クリックすると拡大します。


境内には太子堂がある。



松竹橋まで行く途中、
道に沿って川原宿跡の面影が残る道筋に鍵の手があり地蔵尊が祀られていた。



中央に見える白い橋が松竹橋です。
バス停松竹橋より帰途につく。

風薫る爽やかな五月の野外講座でした。
少し急ぐと汗ばむ位の心地よい快晴の下で
豊かな自然や歴史に触れる事が出来た楽しい一日でした。

来月は松竹橋からの出発です。
又、どんな景色に出会えるか楽しみです。












流域紀行八王子 -風景に歴史を訪ねて

2016-04-17 12:50:25 | 馬場先生の野外講座


北浅川を遡る ①浅川三川合流点から神戸の 流れ橋まで

楽しみにしていた2016年4月期の野外講座が始まりました。4月16日
いつも馬場先生のプリントを片手に歩いています。
この日は説明文とコース図2枚(現在地図、旧版の地図各1枚)でした。

コース図も旧版の地図と、現在の地図を比較しながら
市街化以前の往時の景観を想像してみるのも面白いものです。
その二種類の地図を掲載します。


今日のコースの現在の地図です。クリックすると拡大します。



今日のコースの旧版の地図です。クリックすると拡大します。

先ず、住宅中央バス停で下車、浅川三川合流点を見る。 
北浅川、南浅川、城山川の合流点です。



程無く歩き、八王子市泉町にある相即寺です。
浄土宗。八王子城の鬼門除けの寺ともされ
ランドセル地蔵のある寺として良く知られているお寺です。



山門を入ると左に地蔵堂がある。
奥様が鍵を開けてくださったので中を拝見する事ができました。
地蔵堂内には八王子城落城時の戦死者283人を弔う地蔵150体が祀られ、

うち1体は昭和19年(1944)の東京大空襲のあと、疎開児童として
受け入れた児童が翌年に境内で米軍機から直撃を受けて死亡し、
母親がそのランドセルを背負わせたと云うランドセル地蔵もあった。



山門には銃撃の弾痕がある。



境内の右に松の木が二つに裂けた檜の木の中から
伸びて青々とした葉をつけていた
後ろに回って見ると桜の木も一緒に茂っていた。
松と檜と桜、三種類の木が一株の中で育っている
なんとも不思議な木がありました。



次に八王子市叶谷町の住宅街の一角にある住吉神社へ行く。



広い敷地の中にある神社でした。拝殿の後方には立派な彫刻の神殿があります。


その後、諏訪宿 園乗寺跡と 時々立ち止まり説明を聞きながら歩いた。、
道沿いに こんな美しい光景もあった。



和房「正月」で昼食、
家庭的なこじんまりとしたお店で、この時間帯は私達で貸切の様でした。



お値段も良心的で美味しい和食でした。


思いがけなく甘い「おしるこ」も頂いちゃった!
お正月以来かしら? 美味しかった。


しっかりエネルギーの補給ができたので午後は諏訪神社からスタートです。
お諏訪さま…として崇拝されている神社です。



社殿の東北を囲む池跡が往時を偲ばせていました。



諏訪宿から北浅川の堤防の路を歩いた。暑くなく寒くなく爽やかな気分でした。



暗渠になっていた小川が北浅川に流れ込んでいます。




明るく柔らかい色の芽吹きが実に綺麗でした。



川の流れと春の山の美しい情景が広がります~



川向うの山の稜線の曖昧なコントラストが実にいいんです…



最高の景観!
北浅川の岩盤が浸食された急流部が見える…
「人呼んで浅川渓谷という」そうです。



尚、北浅川を遡って歩いた。




今日、最後の目的地、神戸の流れ橋です。
細いパイプを橋桁にした上にベニヤ板を並べて造られた橋…
住民の苦心の手作りだそうです。
名前の由来は大雨の時には流されてしまう…からだそうです。
まわりの自然と調和した素朴な姿の いい感じの流れ橋…
風情のある橋です。

穏やかな野外講座日和の一日でした。
北浅川と明るい春の山…素晴らしい景観を満喫しながら歩きました。
特に北浅川の流路の岩盤が浸食された急流部と、淡く柔らかい色の春の山が
心のやすらぎとなって残りました。

五月の野外講座は今日の最後「流れ橋」からのスタートだそうです。
又、どんな風景に出会えるか楽しみです。