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月齢進行表

~aki's diary~

今年の振り返り(映画篇)

2011-12-29 00:23:33 | 映画・シネマ

今年もたくさん観ました。
先日の「ライブ篇」同様、月別に振り返り。


【1月】
・瞳の奥の秘密
・メッセージ そして愛が残る
・トロン:レガシー
・Nowhere Boy
・僕と妻の1778の物語
・ソーシャル・ネットワーク
・嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

【2月】
・やさしい嘘と贈り物
・ヘドウィグ アンド アングリーインチ
・うまれる
・ボローニャの夕暮れ
・ドリームガールズ
・オペラ座の怪人

【3月】
・英国王のスピーチ
・彼女が消えた浜辺
・小さな村の小さなダンサー
・ばかもの
・リトル・ランボー
・しあわせの雨傘
・シチリア!シチリア!

【4月】
・ランナウェイズ
・隠された日記
・ロシュフォールの恋人たち
・シェルブールの雨傘
・昼下がりの情事
・ヤギの冒険
・酔いがさめたら、うちに帰ろう。
・冷たい熱帯魚
・さくら、さくら

【5月】
・八日目の?
・まほろ駅前多田便利軒
・冬の小鳥
・ブラックスワン

【6月】
・アレクサンドリア
・さや侍
・赤ずきん
・愛する人
・ソウル・キッチン
・クレアモントホテル

【7月】
・東京公園
・再会の食卓
・ダンシングチャップリン
・プッチーニの愛人

【8月】
・奇跡
・Lily
・愛の勝利を
・阪急電車
・エクレール ~お菓子放浪記~
・戦場のメリークリスマス
・ちいさな哲学者たち
・おじいさんと草原の小学校
・神様のカルテ

【9月】
・うさぎドロップ
・ゲット・ラウド
・ぼくのエリ、200歳の少女
・探偵はBARにいる
・マイバックページ
・木漏れ日の家で
・シャンハイ

【10月】
・僕たちは世界を変えることができない
・イヴ サンローラン
・ゼロからの風
・ジュリエットからの手紙
・白いリボン

【11月】
・ランゴ
・スイッチを押すとき
・彼と私の漂流日記
・海洋天堂
・サンザシの樹の下で
・川の底からこんにちは

【12月】
・台北の朝、僕は恋をする
・トロッコ
・蜂蜜
・ハウスメイド

1年間で74本。
ちょっと懐かしい映画も含まれますが、DVDではなく全て劇場で観たものだけを並べてみました。
よーけ観たなぁ。(笑)


10月初盤まで映画の感想をこのblogに綴っていたのですが、その後はなんだか仕事がたてこんでしまい、観る時間を作ると書く時間がなくなる、という具合で、全然感想が残せていません。


今年のNo.1シネマは?と聞かれると困るのですが…
【かなり泣いたもの】うまれる、八日目の?
【微笑ましくなるもの】リトル・ランボー、台北の朝、僕は恋をする
【衝撃だったもの】冷たい熱帯魚、スイッチを押すとき
【コミカルでちょっと感動】彼と私の漂流日記、川の底からこんにちは
こんなところが、特に印象に残った映画かな?
何気に並べてみたら、邦画満載だし。w


来年も、たくさんのステキな映画に出会えますように。


【映画】0(ゼロ)からの風

2011-11-16 23:23:38 | 映画・シネマ

Zero_images
0(ゼロ)からの風


夫に先立たれ、ひとり息子の零(杉浦太陽)を一人で育てて来た圭子(田中好子)。
しかし、零は念願の希望大学に入学して間もなく、飲酒運転の車にはねられ即死してしまう。
運転していた野崎(袴田吉彦)は、飲酒運転・スピード違反・無免許、しかも再犯。
しかし、法律に則って裁けば業務上過失致死で最高でも禁固5年。
零への深い愛情を胸に、圭子は刑法の厳罰化の為に立ち上がる。
そして、交通死亡事故の遺族やジャーナリストの心をつかみ、活動の輪を広げて行く。



「危険運転致死傷罪」の立法化を実現した女性の実話。
同じような思いをした多くの遺族が、刑の軽さに苦しみながら、でも、彼女が現れるまで、誰も「法律を変えることができる」とは思わなかった。
何かを変えるためには、鬼気迫る程の思いで「変えられる」と信じることが必要だと教えてくれる映画でした。


でも、法律を変えることができても、報われない思いというものは残ってしまいます。
野崎が刑期を終えて出所し、圭子の家へ謝罪に現れた時、圭子は黙って野崎の懺悔を聞いた後に言います。
「あなた、これで少しは楽になった?」
圭子は、決して野崎を許さないと言い放ちます。
謝罪して、許されて、それであなたが人生をやり直すなんて許さない。
だから、あなたを楽になんてさせない。私は絶対あなたを許さない。
圭子が野崎に「終身刑」を下した、といったところでしょうか。
遺族の気持ちを、ものすごくリアルに表現した場面なんじゃないでしょうか。
人によっては「説教臭い」と感じるかもしれませんが、私は、運転講習で見る啓蒙ビデオより、よっぽどインパクトがあると思います。



この映画、今年4月に亡くなった田中好子さんの遺作です。
田中好子さんは、実生活で子供を持つことはありませんでしたが、映画の中で息子の遺体を確認するシーンや、事故現場に花を手向けるシーンなどは、「本当に事故で子供を亡くした経験があるんじゃないか?」を思うほどの感情を、見事に表現していました。



1969ー2005

2011-10-29 00:11:15 | 映画・シネマ

ぽつぽつと、こまめに映画を見に行っているのですが、感想を書いてる時間がない。^^;
だからってわけじゃないんですが、2つの映画の感想をまとめて。


Mbp
マイ・バック・ページ
舞台になっているのは、学生運動が盛んだった1969年から1972年。
武装決起を企てる「赤邦軍」のリーダーで、自称:活動家の大学生、梅山(松山ケンイチ)。
梅山に振り回されながら、スクープをあげようと梅山の動向を追う記者の沢田雅巳(妻夫木聡)。
評論家の川本三郎氏が朝日の雑誌記者をしていた時の実話がベースの話。
映画のキャッチコピーは「その時代、世界は暴力で変えられると信じていた」。


Cambodia
僕たちは世界を変えることができない
~But, we wanna build a school in Cambodia.~

2005年の東京。
不自由も充実もなく漫然と過ごす毎日の中で見た、海外支援のパンフレット。
それをきっかけに、医大生の田中甲太(向井理)は、150万円でカンボジアに小学校を建てるべく、友人と資金集めに奔走し始める。
医師でノンフィクションライターの葉田甲太氏の実体験をベースにした話。


2本の映画に共通するのは、現役大学生にまつわるお話である点。
そして、共通のキーワードは「何がやりたいのか?」


梅山は、自分が主催するディベートのサークルで「結局キミは、何がやりたいんだ?」と部員に問われ、答えに詰まる。
そして梅山が言ったセリフは、「これは俺が作ったサークルだ。文句のある奴は出ていけ。」
資金集めのためにイベントサークルを作った甲太は、サークルメンバーから「何でカンボジアなわけ?困ってる人だったら日本にもたくさんいるじゃん。何がしたいわけ?」と詰め寄られる。
そこでの甲太の答えは「たまたま、パンフレット見たから・・・」


なぜ?とか、何が?とか、そういう問いにハッキリと答えられるものは持っていないけれど、「このままではダメだ」とか「何かを変えたい」という思いはあって、目の前のものに飛びついてしまう。
論破するのが得意な梅山と、うまく自分を表現できない言葉足らずな甲太。表面的には真逆に見える二人だけれど、根本的には同じなのかな、と思いました。
「何がやりたいのか?」なんて、渦中にいる時は解らない。
夢中になったことの理由なんて、大抵は後付けなんじゃないのかなぁ?


大きく違うのは、梅山は「時代の流れ」に乗り、甲太は「たまたま目にしたもの」に乗ったところ。
梅山がいた1970年の頃は、欠落部分の多い未熟な社会。
だから、みんなで一緒に攻撃する何かがあって、その攻撃の先頭に立っていればカリスマでいられたし、充実して存在意義があるような気がする時代だった。
しかし、甲太が生きる現代は、社会が成熟してきたせいで、より「個」が際立って、何が正解なのかは一人一人違うようになってしまった。
だから、「たまたまカンボジア」になった。きっかけは、それ以上でもそれ以下でもなかった。


梅山と甲太の間にあるのは、約35年という時間。
たった40年足らずで日本はこんなに変化したんだなぁ、と、なんだかしみじみ思ってしまいました。


結果的に、梅山も世界を変えることはできなかったので、どちらの映画も行き着くところは「僕たちは世界を変えることができない」になるんだと思います。
しかし、そこに無力感が漂うのか、~But,…~で前に進むのか。
片や暗澹、片や爽やか。
対照的なその結末の描き方が、比較していて面白い点でした。


ま、決して現代が「爽やかな世の中」だとは思いませんが、そのあたりも「But…」で乗り切って行きたいものです。


【映画】木洩れ日の家で

2011-10-03 07:43:43 | 映画・シネマ

Pora_unierac
木洩れ日の家で
(リンク先は音が出ます)


2007年ポーランドの作品。
ワルシャワ郊外の、木立に囲まれた古い家に住む、91歳のアニェラ(ダヌタ・シャフラルスカ)。
夫は既に他界し、アニェラと一緒に暮らしているのは愛犬のフィラだけ。
たった一人の息子に同居を拒否されたばかりか、息子家族はこの家を売ることしか考えていない。
失望と孤独の中で、アニェラは幸せだった頃の思い出に浸りつつ、自分亡き後の終の住処について、大きな決断を下します。


不安や孤独を抱えながら、なお毅然と在ろうとするアニェラの姿が、丁寧に描かれています。
自分自身、40歳を過ぎたあたりから、徐々に「老い」や「老後」について現実的に考えるようになってきました。
そんなタイミングで こういう映画に出会うと、死する時に何をどう遺し、何を捨てて行くのかということを、深く考える機会になります。


アニェラを演じたダヌタ・シャフラスカは、芸歴80年の超ベテラン女優。役所と同じくダヌタも90歳を超えていますが、とてもチャーミングな女優さんでした。
そして、終始アニェラに寄り添う愛犬フィラを演じた わんこ。
Fila
この子もかなりの名演技でした。


全編モノクロなんですが、光の取り込み方が良いのでしょうか。森の緑や古い屋敷の落ち着いた色が見えるような気がする映画でした。


【映画】探偵はBARにいる

2011-09-26 21:32:36 | 映画・シネマ

Private_eye
探偵はBARにいる


仕事と仕事の合間、たまたま空いた時間があったので映画館へ。
「コレを見よう!」という意志があったわけではなく、うまい具合に時間が合った3本の中から選んで見た作品でした。
が、面白かったわぁ~。


酒とオセロが大好きな私立探偵(大泉洋)は、義理堅く情に脆いくせに、縛られることが嫌いで、携帯電話を持たない変わり者。
クライアントに名刺代わりに渡すのは、行きつけのBAR「ケラーオオハタ」のショップカードで、仕事の依頼はBARの黒電話で受ける。


探偵の助手 兼 運転手の高田(松田龍平)の本分は、北海道大学農学部の研究助手。
なかなかエンジンのかからないクラシックな車(平たく言えばポンコツ車)と睡眠をこよなく愛し、尾行中であっても隙あらば居眠りをするダメ男。
でも運動神経は抜群で、空手の達人。


この個性的な二人のコンビネーションが 意外といい。
これ、シリーズ化もありでしょう!
テンポも良く、娯楽として充分楽しめる映画でした。


大泉洋と松田龍平以外の役者さんも みんな味があって、適材適所って感じで良かったです。
こと、髙嶋政伸がキワモノを好演してます。
上映時間はちょっと長め(125分)なんだけど、退屈しませんでした。


しかし、松田龍平は だんだん優作さんに似てきたよなぁ。
「まほろ駅前多田便利軒」を見た時も思ったけど、飄々としたキャラを演じてるのに、軽くなりすぎない あの存在感は、独特の個性だと思います。


そういえば、ちょっぴりだけど、カルメン・マキも出演してます。
この人も、キャラから声から、存在感アリアリですよね。