水口聡さんというオペラ歌手の方が書いた「声の力で人生をもっとよくする!」という本を読みました。
妙にポジティブな自己啓発本は苦手ですし、ボーカルに関しての How to本 もあまり読まないタチなのですが、たまたま書店で手にとってパラパラとめくったときに、「声には生命力がある」という文字が目に入り、単なる発声法の本じゃなさそうだなぁと思って買いました。
色々共感するポイントはあったのですが、「ははぁ~」と思ったのは「声は天から降りてくる」という章。
力んで歌ったらいい声は出ないので、体の力を抜きましょうという話なんですが、『声を出そうと思うのではなく、声はすでにあるもので、天から降りてくるもの。それを一旦自分の中に取り込み、自分の体を介して放出する』というイメージで発声するというのです。
力まずに声を出すには、こういうスケールの大きいイメージって必要だと思います。
そして、「うぅむ」と思ったもう一つのポイントは、『声の力を高めるには人間力を養う』という考え方。
水口式メソッドという発声法はユニークな点がいくつかあって、「口を大きく動かす」「腹式呼吸は正しく」という、ありがちなメソッドの他に、「マイナスイオンを取り込む」とか「歩く」など、従来の発声法にはあまり見なかったものがあります。
そのうちのひとつが「人間力を養う」です。人間力のある人の声には力があり、表現力も伝達力も、結局は「人間力があるかないか」に起因すると。
確かに女性の歌い手は、恋をするとびっくりするくらい魅力的な歌をうたうようになります。(ごめんなさい。男性の歌い手さんがどうなのかは、よく知らないです。)
歌い手の内側(経験)にあるものが歌にもたらす影響は多く、歌い手が何を経験し何を考えたかは、如実に「うた」に表れてしまうようです。
「声」は天から降りてくるもの。その「声」を放出するためには体作りが必要なのだけれど、それは体力やテクニックだけではなく、根本的に「人間力」があること。
かは~っ。日々精進せねばなぁ、と思う本でございました。
この本を読んでから、ちょっと声の出にくいキーの歌をうたってみたら、多少いつもより楽に出ました。ホントに。
まずはこの感覚を繰り返して自分のものにして、あとは人としてどう高いところを目指すか、ですかねぇ…。
道のりは長いと見た。(汗)
気長に頑張ります。(笑)
60歳くらいで、味のある歌い手さんになれたら嬉しいです。
BlueMoonを過ぎて、今日からは欠けて行く月。
放出力が高まる時期なので、要らないものはどんどん整理してスッキリするのに最適な14日間。
ちょっと気合い入れて掃除するか…。