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月齢進行表

~aki's diary~

【映画】ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2012-03-13 16:05:26 | 映画・シネマ

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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い


9.11の同時多発テロで、最愛の父親(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)。
哀しみから立ち直れず、母親(サンドラ・ブロック)にも話すことのできない「最悪の日」の秘密を抱えたオスカーは、事件から1年経ったある日、父親の部屋で小さな鍵を見つける。
この鍵に合う鍵穴を見つけることができたら、何か父からのメッセージが得られるのではと考えたオスカーは、広いニューヨークの街中を彷徨い始める。


同時多発テロを背景にしたお話ですが、アルカイダやイスラムをどうのこうの言う場面は出て来ません。
オスカーという少年の姿を通して、犠牲者の家族の心情を丁寧に描いた素敵な作品だと思います。
事件をきっかけにあぶり出されて来た、家族のお互いに対する思い。
それをお互いにぶつけられず、事件を語ることも思い出すこともタブーのようになった家の中で、いかに現実を受け止めて立ち上がって行くのか。
そいうところにしっかりとフォーカスしていたところが、よかったです。
今までも9.11を題材にした映画は何本かあって、実はそのどれも見ていないのですが、多分、そのどれとも違う映画だと思います。


同時多発テロから10年。
やっと「未来」に向かう映画ができたなぁ、といった感じです。
「心の復興」には、やはり長い時間が必要なのでしょうね。


【映画】ドラゴン・タトゥーの女

2012-03-03 09:20:13 | 映画・シネマ

Dragontattoo
ドラゴン・タトゥーの女


久々のアメリカ映画鑑賞。
と言っても、原作はスウェーデンだけどね~。
デヴィッド・フィンチャー監督の映画は、昨年の「ソーシャルネットワーク」以来です。


ソーシャルネットワークも面白かったけど、これも良かった。
緻密に作り込まれたストーリーに、スピード感のある展開と映像ワーク。
音楽も良くてグイグイ引き込まれます。
登場人物が多いので「むぅ…」と思っていたら、劇中で「人が多過ぎで、誰が何なのかさっぱりわからん」という台詞が出て来て笑けました。
精神を病んでいて喜怒哀楽の「怒」以外すべての表情を失った、運動神経抜群の天才ハッカー リスベット(ルーニー・マーラ)が素敵。表情が変わらないのに、ミカエル(ダニエル・クレイグ)に傾けるひたむきな愛情が、無表情の彼女を少しずつ可愛く見せていくんですよねぇ。


脳天気なハッピーエンドにならず、少し渇いた切なさを残すあたりも含め、ちょっと「ニキータ」を思い出しました。
かなり好きなタイプの作品でした。


【映画】ゲーテの恋

2012-02-27 07:44:26 | 映画・シネマ

Goethe

ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~ 


詩人で戯曲家、小説家のゲーテ。
ゲーテの出世作「若きウェルテルの悩み」裏にあった、ゲーテとその恋人シャルロッテを描いたお話。


若きウェルテルの悩みと言えば、婚約者のいる美しい娘シャルロッテに恋をしたウェルテルが、叶わぬ恋に絶望してピストルで自殺を図るというお話。
決して明るい話ではないので、映画も重くて暗い感じなのかなぁ、と思って見に行ったのですが…
思いの外、ライトなお話でした。

ライトと言っても、つまらないとか退屈っていう意味ではなくて、見終わったときに「さわやかだったなぁ」と思える映画だったという意味で。


ゲーテと言えば叙情的な詩で有名なですが、その実結構な大酒飲みだったり、自分を不採用にした法科学院の先生に向かって暴言吐いたりと、結構な悪ガキとして描かれていました。
ゲーテの生涯について書かれたものを読んでみると、結構な女好きというか、恋多き人生を送ったようで、80歳の時にも恋焦がれた女性がいて、それがきっかけで名作が生まれている様子。
ゲーテにとって「恋」というのは、作品のインスピレーションであり、彼の生き方そのものが彼の作品と言えるのかもしれません。


「若きウェルテルの悩み」は出版直後から話題になり、一時は若者の間で自殺がブームになるという社会現象まで巻き起こした作品なのですが、当のゲーテはこの作品のおかげでハッピーになってまして、芸術家にありがちな「いい作品なのに認められず、貧乏で精神を病んで酒と薬に溺れて云々…」みたいなものもなかったようですし、久々に”比較的”健全な芸術家のお話だったような気がします。


【映画】月光ノ仮面

2012-02-20 08:42:01 | 映画・シネマ

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月光ノ仮面


「板尾創路の脱獄王」に続く、板尾創路の監督作品第二弾。
古典落語「粗忽長屋」からヒントを得たそうです。
粗忽長屋自体、シュールな演目ですが、映画はさらにシュールになってございました。
ストーリーの複雑さやアンニュイで夢オチ的な終わり方など、好き・嫌いがパキっと分かれる映画でしょう。


娯楽性:★★
芸術性:★★★★
↑私の感想はこんな感じ。
そして、どちらかというと「嫌い」「つまらない」という評価になる人が多い気がします。
映画の評価って、自分がどんな映画のつもりで観に行ったかによって大きく左右されると思ってます。
で、色んな意味で観客の期待を裏切ってる映画なんじゃないかなぁ?


全体としては暗いですが、所々「ぷっ」と笑えるシーンが入っているのは、前回作品と同じね。
あと、映像が良かった。
色とかアングルとか、光と影の使い方とか。
そこは大きなスクリーンで見る価値あり。
どうのこうの言いながら、第3弾が発表されたら、また多分見に行くと思います。


【映画】荒川アンダーザブリッジ

2012-02-09 13:28:40 | 映画・シネマ

Arakawa
荒川アンダーザブリッジ


荒川河川敷に住み着いた、ちょっと変わった面々。
この河川敷の再開発を手がける市ノ宮カンパニーの御曹司 市ノ宮行(林遣都)は、会長である父親(上川隆也)から、不法占拠者の一掃を命じられる。
億単位の金を積んでも動こうとしない彼等に「リク」と名付けられ、河川敷のテントで生活を共にするうち、行は「本当の幸せ」について考え始める。


原作はコミック。
そのせいか、大筋はナンセンスというか「あり得んし・・・」というシーンの連続ですが、ワタクシ個人的には、かなり楽しんで観てきました。
主演の林遣都と桐谷美怜が、これまた絵に描いたような美型なので、周囲のキワモノ系キャストとうまくバランスが取れてるというか、いい感じでコミックっぽい雰囲気を残した実写になっていたような気がします。
セリフのテンポも良くて、気持ちよく笑って泣ける娯楽映画でした。
オススメです。


小栗旬と山田孝之という、いわゆる「イケメン」の部類に入っているメジャーな俳優さんが、「お前、誰?」状態のメイクになってまして・・・。
事務所はよくこの仕事を受けたなぁ、と思って見てましたが、当の本人たちは、おそらくあの役どころがかなり気に入っていると思われです。(笑)