「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

三代の栄耀一睡の中 2018・03・19

2018-03-19 08:09:00 | Weblog



    今日の「お気に入り」は、松尾芭蕉の紀行文「奥の細道」から、「平泉」の段。
  


     「 十二日、平泉と志し、あねはの松・緒だえの橋など聞き伝えて、人跡稀に・・・・・・

       ( 中略 )

     三代の栄耀一睡の中(うち)にして、大門の跡は一里こなたにあり。

       秀衡(ひでひら)が跡は田野になりて、金鶏山(きんけいざん)のみ形を残す。

       まづ高館(たかだち)にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。

       衣川(ころもがわ)は和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落ち入る。

       泰衡(やすひら)等が旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし堅め、

       夷(えぞ)をふせぐとみえたり。

       さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時の叢(くさむら)となる。

       「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」

       と、笠うち敷きて時のうつるまで泪(なみだ)を落し侍(はべ)りぬ。



        夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡



        卯の花に兼房みゆる白毛(しらが)かな (曽良)



       かねて耳驚かしたる二堂開帳す。

       経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。

       七宝散りうせて珠の扉風にやぶれ、金(こがね)の柱霜雪に朽ちて

       既に頽廃空虚の叢となるべきを、四面新に囲みて、

       甍(いらか)を覆ひて風雨を凌ぐ。

       暫時(しばらく)、千歳(せんざい)の記念(かたみ)とはなれり。


        五月雨の降りのこしてや光堂         」


      ( 出典:立松 和平(たてまつ わへい、1947年 - 2010年、 本名:横松 和夫 )著

          『すらすら読める奥の細道』講談社刊 )







     「平泉」は母方のご先祖さまゆかりの地、と聞いた記憶がある。

     冒頭の「あねはの松」は、松島・瑞巌寺と石の巻の間にある歌枕とか。

     「あねは」という名前は、どこかで聞いたような・・・・・・

     「談合」だったか「耐震偽装」だったか、「建設」関連の・・・・・・。





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