「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

ビジネスとしての戦争 Long Good-bye 2023・06・21

2023-06-21 05:55:00 | Weblog




   今日の「 お気に入り 」は 、最近読んで 、腑に落ちた論考 。

   元外交官 佐藤優さん ( 1960年1月18日 - ) の「 ウクライナ戦争 」に
  ついての解説から 、備忘の為 、抜き書き 。

   戦争の当事国では 、皆 黙る 。戦時下だから 。非常時だから 。
   皆 自分の 、自分の家族の 身を守るのに 忙しい 。
   停戦が成ると 、皆 蠢きだす 。政治家も 。オルガリヒも 。活動家も 。
   指導者が止めると言わない限り 、終わらない 。
   でも 、権力維持のためには 止められない 。
   とかく この世は 剣呑だ 。
   中朝露 見ていて そう思う 。
  
   引用はじめ 。  

  「 ” 価値観戦争 ” が 長期化する中 、アメリカが恐れているのは
   ロシアと直接対峙することです 。アメリカがロシアと直接
   対峙すれば 、第三次世界大戦が勃発して 核戦争を誘発する
   可能性があります 。これは一部の専門家が言うように 、戦
   術核( 短距離核ミサイルなど限定的な破壊能力の核兵器 )
   レベルでは留まりません 。最終的には 、巨大都市を丸ごと
   焼き尽くす戦略核の使用に行き着くでしょう 。」

  「 ロシアが実験に成功した『 サルマト 』というICBM( 大陸
   間弾道ミサイル )は 、世界最長の射程距離をもちます 。こ
   れまでミサイルでの攻撃は北極経由でした 。しかし 、この
   サルマトは南極経由も可能 。アメリカは 、南半球側からミ
   サイルが飛んでくる事態を想定していませんでした 。です
   からアメリカは 、南極経由の防空システムを構築できてい
   ないのです 。南極経由で発射されれば 、ニューヨークも
   ワシントンも壊滅します 。
    こういう危険な状況で 、アメリカはロシアと絶対に事を
   構えたくありません 。だから アメリカは自ら直接参戦せ
   ず 、『 管理された戦争 』を長引かせているのです 。す
   なわち 、ウクライナに兵器を渡しはするものの 、ロシア
   軍が壊滅するレベルまでの兵器は与えない 。ロシア本土
   を攻撃させない 。
    なぜこういう形で戦争を管理しているのでしょう 。ロシ
   アの核ドクトリンでは 、ロシア本国が核攻撃を受けた場
   合 、もしくは通常兵器によって国家存亡の機に立たされ
   た場合 、核兵器を使うことができるからです 。 」

  「 アメリカによって管理された戦争を戦う限り 、ウクライ
   ナは勝利できません 。もっと言うと 、アメリカはウクラ
   イナの勝利を望んでいないのです 。 」

  「 ゼレンスキー大統領が叫ぶとおり 、奪われた国土を奪還
   するために必要な質量の兵器を西側諸国が送れば 、ロシア
   軍をほぼ壊滅させることができるかもしれません 。ただし
   全滅する前に 、ロシアはアメリカに向けて戦略核を発射す
   るはずです 。
    そうした事態はなんとしてでも避けなければならない 。
   だからアメリカは戦争をできるだけ長引かせ 、ウクライナ
   に代理戦争をやらせ 、できる限りロシアを弱体化させよう
   と試みています 。
    当初はウクライナとロシアの二国間係争だった様相が途中
   から変化して 、西側諸国( 日本を含む )を巻きこんだ形
   での両国の ” 価値観戦争 ” に位相が変化した 。なおかつ 、
   西側諸国にはウクライナを勝たせる気はない 。これが新
   帝国主義の時代における『 管理された戦争 』の実相なの
   です
。」


  「 対露経済制裁が続く限り 、アメリカは法外な値段の天然
   ガスをヨーロッパ諸国に買わせ続けることができる 。
   そしてウクライナに兵器をどんどん供与すれば 、アメリカ
   の軍産複合体は潤う 。
    アメリカの参戦はありえませんから 、アメリカ人の血は
   一人も流れない 。戦費の未払い伝票は 、ヨーロッパ諸国
   と日本に回ってくるのでしょう 。アメリカはビジネスと
   しての戦争
を 、エゲツないまでに継続しているのです 。」


   引用おわり 。

   sustainable な仕組み 。

   何度も 何度も 買ってくれなくちゃ 、商売になりません 。無限のループ 。

   悲しいが 、現実 。

   地球は 今日も 回ってる 。



         

    

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