「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2014・06・02

2014-06-02 14:10:00 | Weblog



今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。

「戦後五十余年という歳月は、老若の間の理解を絶した。一人二人三人よったりと、あんたがたは言わないのかいと、二十代のわが社の女子社員に問うと、聞いたことがないと全員答えた。また道中(どうちゅう)に雲助が出たとある雑誌に書いたら、ウンスケとは何者かともう一人の才媛に問われた。核家族は進行中なのではない、完了したのだと私は去年(一九九九年)の秋出した「誰か『戦前』を知らないか」(文春新書)に書いた
                                     〔『諸君!』平成十三年一月号〕」

(山本夏彦著「最後の波の音」文春文庫 所収)



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