地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

イオンプレーティング用回転テーブルを増設します

2006年03月30日 21時17分55秒 | イオンプレーティングネタ


今日は、取引している同業者様のお身内のお悔やみ事でした。昼前に事務所を
空けて、夕方、戻ってきました。

戻ってみると、案の定、机の上は仕事が積み上がった状態。数時間かけて、今
しがた、やっとさばき終わりました。


一昨日、イオンプレーティング装置の回転テーブル増設を正式に決定し、発注
しました。

当社が採用しているアークイオンプレーティングは、真空容器の中でアーク放
電にてプラズマを発生させ、マイナスに帯電させた被施工品に窒化物や炭化物
などの被膜を生成させる成膜方法です。

被施工品上に被膜を均一に付着させる為には、放電源である原料金属からまっ
すぐ飛んでくるプラズマに対し被施工品を回転させることで、被施工品上の膜
厚を均一に近づけてやることができます。

当社が使用しているイオンプレーティング装置「AIP6036」には、真空容器
の内壁に仕込んである原料金属に対して被施工品を遊星回転させてやる為の
回転テーブルが、運搬用台車とともに付属品として設定されています。

回転テーブルはメーカースタンダードの遊星回転10軸のもの↓2基と、


(丸い大皿の上に小皿が10枚乗っており、大皿・小皿がそれぞれ回転する
ことで、小皿上の被施工品が遊星回転するしくみです)

大直径品の成膜用に自主製作した、遊星回転6軸テーブル↓1基があります。


(6軸テーブルです。小皿の上にスペーサーを載せたまま写真撮ってしまい
ました)

最近、バイク系のお客様からの、インナーチューブへのイオンプレーティン
グご依頼が激しく多くなっています。
インナーチューブに成膜する場合、現在の処、10軸テーブルにて、1皿に
1本ずつ縦置きして施工しています。

ところが、受注量が上昇するにつれ、1回の最大加工量が10本では追いつ
かなくなりつつあります。成膜の回数を増やせばいいじゃないか、と考え、
段取ってみましたが、現状以上に成膜回数を増やすのは、時間的制約から無
理。イオンプレーティング装置は1台1億円前後しますので、簡単に、おい
それと買いたすこともできません。

で、1回の満載量を増やす為に、遊星回転する小皿枚数を増やし、満載量が
24本(遊星回転小皿が24枚)となる様、企てました。

インナーチューブはどんなに太いものでも50mmぐらいまでです。いままで
は、10軸小皿(直径130mm)においていましたので、満載時でさえ、
インナーチューブごとの隙間が空きすぎていてもったいなかったのを、
24軸小皿(直径60mm前後)の場合は、品物の間の隙間がぐっと狭まった
状態での積載となり、1回の最大加工量を2.4倍にすることができる様にな
ります。

テーブルの製作にあたり、6軸テーブルの時にもお願いした、瀬下町の「工藤
技術開発研究所」さんに設計をお願いし、部品製作と組上げは、『メルマガ久
鉄協』配信グループの元締め、久留米鉄工協同組合青年部会長の「判田鉄工
所」さんにお願いしています。

ゴールデンウィーク前後には、24軸テーブルが完成稼動する予定です。そう
なれば、今よりは若干、お客様から品物をお預かりしている期間を短くできる
様になると思います。どの程度短くなるのかは、わかりませんが。

それと、もう一つ。回転テーブルを運搬する台車も発注する予定です。前回の
6軸テーブルの台車は、「藤澤鉄工」さんに作っていただいたので、今回も、
またお願いしよう、と思っています。


(メーカー純正台車)


(こちらは「藤澤号」です。純正品に遜色ありません。塗装が違うだけです)


皆さん、宜しくお願いします。


うろつきアーカイヴス 2004年春・香港&ミャンマーの巻(その3)、は
また明日以降載せます。既に、ある程度原稿が手元にあるので気が楽。


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    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
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● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HISA)
2006-03-31 01:02:10
こんにちわ、いつも楽しく拝見させていただいてます。はじめてコメントさせていただます。海外の知り合いからコーティングのことを聞かれたのですが…。バイクのインナーチューブにグリーンチタニウムコーティングというのがアメリカのブルーストリークという会社がやっているらしいく、日本でも同加工ができるとこがあるとのことでどういった加工か知りたいとの質問でした。緑色のコーティング?と思ったもですが、普通のチタンコーティングとは違う特殊な加工とのことです。自分はわからないのでもし知っていましたらお教えいただけると幸いです。初カキコが質問ですみませんがよろしくお願い致します。
返信する
HISA様へ (トヨコカ0119)
2006-03-31 07:08:43
おはようございます。お問合せありがとうございます。グリーンチタニウムとは、おそらく原料金属にチタンを使い、若干の酸素を導入して成膜する酸化チタン膜だろうと思います。当社のアークイオンプレーティングではなかなか作成しにくい膜なのですが、ホロカソード(HCD)方式という系統のイオンプレーティング装置では、生成可能です。営業的展開をなさっておられるのは、愛知県のスクーデリアオクムラ様http://www.scuderia-okumura.com/です。

スクーデリアオクムラ様は、インナーチューブへのイオンプレーティングご依頼を当社と地元の表面処理業者さんの、計2軒に発注させておられますが、地元の業者さんがHCD方式にて緑色のコーティング膜を作成されているとのことです。



ですので、スクーデリアオクムラ様にお問合せなさるのが、

良いのではないかと思います。
返信する
Unknown (HISA)
2006-03-31 23:36:31
ご返答ありがとうございます!大変詳しくご説明いただいいたみいります。海外の知り合いに連絡をとってスクーデリアオクムラ様にご連絡したいと思います。ありがとうございました。
返信する
HISA様へ (トヨコカ0119)
2006-04-01 06:11:06
喜んでくださって嬉しいです。



当社の色別ラインナップは、金色→ゴールドチタン、明金色→ジルコレモン、明紫色→ピュアパープル、暗紫色→バイオレット、黒色→チャコールブラック、橙金色→マルーングラデーション、灰白色→クロムナイトライド、以上

7色です。数箇月後にはピンクから緑までの虹色がかった(仮称)ジュエルビートルまたは毬藻グラデーション(ネーミングセンス零点)を追加していく準備をしています。



これら色調をご所望の場合には、是非、当社をご利用ください。



ありがとうございました。
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