地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

バイクのミッションシャフトへの再生加工+イオンプレーティング

2008年02月21日 13時41分27秒 | イオンプレーティングネタ


東京のバイク系のお得意先から、ミッションシャフトが4本送られてきました。

加工ご依頼内容は、表面がややヘタって寸法ダウン気味なので硬質クロムめっき
厚付と円筒研削で寸法を原状に戻し、さらにイオンプレーティングにて窒化クロム
(CrN)膜を生成させ、新品未使用時よりも高付加価値な状態にして返送する
というもの。

元々、クロムモリブデン鋼に熱処理を施し硬化させ、円筒研削にて寸法を整えて
あるものなのですが、長期間使用すると摩耗による寸法減は避けられません。

当社ではこれら摩耗してしまったシャフト類への厚付硬質クロムめっきと円筒研削
で形状復帰させ、なおかつ硬質クロムめっき被膜にて耐摩耗性を向上させる作業
を毎日数十本、様々な業界からご依頼いただいています。

そして、上記加工のみならず更に高い水準の耐久性をもたらす為に、イオンプレー
ティングにて窒化クロム(CrN)膜を最外層に形成することが出来ます。

100μmを超えるほど厚付した硬質クロムめっき被膜の上に窒化クロム(CrN)
膜を形成(それも10μmに近づくほどの真空成膜としては特筆すべき厚みとして)
出来るのは、僭越ながら、今の処、当社のみのはずです。

インナーチューブやリヤサスロッドと違い、外部へのビジュアルアピールが出来
ない箇所で作動するミッションシャフトですが、摩耗度合はインナーチューブ類
に負けず劣らずです。

この「再生加工+窒化クロム膜形成」処理、かなりお奨めです。


(昨日の写真。イオンプレーティング装置内にて、窒化クロム成膜直前のメタル
ボンバード工程を進行中です。シャフト表面の活性化の為に必要な工程です。
成膜工程時は窒素ガスを導入しますが、メタルボンバード時には(原則としては)
真空容器内にプロセスガスを導入しません。窒素等のプロセスガスが入っている
場合にはアーク放電の色調は基本的にはピンクorオレンジ系なのですが、
プロセスガスが入っていない時点での写真ですので青色のアーク放電となります)


(真空容器内に設置するクロムターゲット(窒化クロム膜原料金属)です。左上は
使用回数少ない物、左上から右下に向かって使用回数の少ない順に並べてみま
した。右下端のターゲットは、「もはや使用不能」な物です)

各種金属ターゲット、かなり高価です。安く提供してくれるサプライヤーさんを
捜して色々な業者さんに対し、あっちふらふらこっちふらふらしていますが、
昨今のレアメタルの高騰で、中々思った通りに事が進みません。



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● ㈱東洋硬化へのお問い合せは、当社ホームページの「お問い合せ」欄、
   または、TEL:0942-34-1387  FAX:0942-36-0520
   所在地:福岡県久留米市津福本町1978-1 へお願い致します。

● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生が得意です。
● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
    可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。

● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
 フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工開始
    しました。

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