総選挙速報が喧しい中で

この時間帯、全てのメディアで総選挙速報やっています。民主党獲得議席数が
衆議院議席の単独三分の二を超えるか否か、が、注目点となっています。

参議院で単独過半数を持っていない民主党にとって、衆議院議席の単独三分
の二という数字、かなり大切になってくるものと思われます。これを超えてくると
参議院で否決された法案を衆議院で再議決→再可決出来てしまうので、他の
少数政党と連立与党を組む必要は無く、政権下支え互助会的連立政権を選択
しなくともよくなり、政権運営へのフリーハンド度合が飛躍的に向上するとの算
段が可能に。さらには、外交・経済政策の前政権との連続性が失われる様な
連立協定などを社民党と結んでしまうならば、諸外国に対する我が国の信用を
失墜させてしまう事態ともなりましょうし。

国民新党と連立政権組むとしたならば、郵政に対し一体どんな施策を講じること
になるのやら。まかり間違っても、４年前にネジを巻き戻すなどといった不毛は
避けていただきたいが．．

とりあえず、民主党政権のホンネ部分でのお手並みを拝見したい向きには、衆
議院議席の単独三分の二を獲得した民主党の方が宜しいかと。逆に、民主党
に政権担当させてはみたいがその独走は阻止したいとの向きは、３２０議席以
下を望むべきかと。

ま、明日未明には全容判明致しましょうが．．．


政権交代に向かうにあたり、僕なりに幾つか考えてみました。

ショートレンジでは、景気回復ペースをダウンさせることになりゃせんじゃろか、と
の思い。自民党議員と官僚との間で長年構築してきた行財政運営の流れをイチ
ドキにリストラクチャリングするわけですから、滞るものは当然滞るだろうと思われ
ます。秋が深まるとともに加速するだろう新型インフルエンザの蔓延とともに、今
回の大不況からの回復にはややアゲンストな要因になるかと。

ミドルレンジでは、反日的国民意思形成を行なっている近隣諸国（３ヶ国のみ）へ
の「ウケ」の良い政権が出来ることで、短くて数ヶ月、長けりゃ数年間、隣国友好
関係がこれまでの自民党政権よりはソフトでフレンドリーなものになりそう。なにせ、
自民党内ではかつて最左翼に位置していた旧田中派に所属していた方々が民
主党の中枢部においでですし、旧「日本社会党」の幹部だった首長あがりの方も
民主党の現幹部ですし、近隣諸国にとって、新保守主義色濃厚だった旧福田派
面々による森内閣以降の歴代政権よりは余程組し易い印象だろうと、思われま
す。

ロングレンジでは、ともすれば稚拙に感じられる我が国有権者の（特に、親方 日
の丸意識のきつい当地に代表される様な田舎において）選挙行動の成熟化が若
干でも促進されるのではなかろうか、少なくともその萌芽を見ることぐらいは出来
るのではないか、と考えました。多数回選出された与党大物議員を、おらが選挙
区の今様お殿様として、または選挙区への絶対的利益誘導者としてのみ意識す
る状態から、国政への国民の意志代弁者として位置付けをはかり、代議士の行
動をできるだけ客観的に批評していく意志、支持をしていたとしても場合によって
は反対票を投ずるにやぶさかでない意志、政権与党は数年ごとに交替するのが
健全であるとの意志、を常に持ち続ける辛口の選挙民層が田舎であっても大きく
育つ可能性を感じました。


自国の政権運営に関することですから、あまり「対岸の火事」的に面白がってば
かりいるわけにもいきませんが、新政権が落ち着きを見せ始めるまでのこれから
の数ヶ月間、かなりのパラダイム変遷が見られるかもしれません。興味深いです。



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