iPS細胞研究には「拒絶反応のない再生医療」技術の確立との本来的意味とは
別に、「倫理的利用制限」・「技術的オリジナリティの確立」など、幾つかの課題が
存在します。
数ヶ月前に、独バイエル社との「技術的オリジナリティ確立」課題を片付けた京大
ですが、米国での作製技術特許が確立したとの報です。
我が国の将来を左右する基幹技術のオリジナリティがほぼ全ての先進諸国で認
められたことになり、大変喜ばしく思います。
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京大のiPS細胞、米でも特許…日米欧を制す
読売新聞 8月11日(木)20時41分配信
京都大は11日、山中伸弥教授らが開発したiPS細胞(新型万能細胞)の作製技
術に関する特許が、世界最大の医薬品市場を持つ米国で成立したと発表した。
京大はこれで市場の8割を占める「日米欧」のすべてを制し、世界でiPS細胞の基
本特許を事実上独占する形となった。京大は関連技術を学外でも積極利用しても
らう方針で、今後は再生医療や創薬などの応用研究が一層加速しそうだ。
今回成立した特許は、3種類の遺伝子を皮膚などの体細胞に導入してiPS細胞を
作る方法と、2種類の遺伝子と細胞増殖を促す働きなどを持つたんぱく質を体細
胞に導入してiPS細胞を作る基本技術。遺伝子を導入するために用いるウイルス
などの「運び役」は種類を問わず、作製に使う遺伝子と似ている「類似遺伝子群」
も対象に含めた。
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<iPS細胞>技術普及への足場固まる 特許取得で
毎日新聞 8月11日(木)19時30分配信
京都大が人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成方法に関し米国での基本特許を
得たことで、技術の普及に向けての足場固めが完了したと言えるだろう。
iPS細胞の当面の主な使い道は▽薬効成分の探索▽医薬品の毒性・有効性の
評価▽患者自身の細胞による病態解明--など、基礎研究のための「道具」とし
ての利用だ。この場合、基本特許がすぐに大きな収入につながるとは限らないが、
全世界で「広く薄く」使われることが、研究を加速させ、早期の産業化につながる。
参考になるのが、1974年に米国で取得された遺伝子組み換え技術の特許だ。
使用料を低く抑えたのが功を奏し、研究の基盤技術として急速に普及、バイオ産
業の発展に貢献した。結果的には、特許を保有する米スタンフォード大に累計で
200億円以上に上る利益をもたらした。iPS細胞の基本特許も、同様の成功を収
める可能性を秘めている。
一方、海外での特許出願や維持には、多額の費用がかかる。慶応大研究連携
推進本部の羽鳥賢一・副本部長(知的資産担当)は「知的資産の中核になる特
許が成立したことは素晴らしい。だが、今後、京大が自力で全ての関連特許を確
保するのは難しい。費用対効果を踏まえ、民間企業との連携も視野に入れた戦
略が必要だ」と指摘している。【須田桃子】
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iPS細胞、米で特許 京大、研究の主導権確保
産経新聞 8月12日(金)7時56分配信
京都大は11日、山中伸弥教授の研究グループが世界で初めて開発した、さまざ
まな臓器や組織の細胞にできるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の基本技術に関
する特許が、米国でも成立したと発表した。国内ではすでに特許が3件成立。国
外でも今年7月の欧州での特許に続く7番目の成立となる。医療大国・米国での
特許成立で、iPS細胞関連の研究での京大の主導権は確固たるものとなった。
今回認められたのは、iPS細胞の基本技術に関するもので、特定の4つの遺伝子
のうち、2つか3つの遺伝子を体細胞に注入しiPS細胞をつくる技術。平成20年6
月、米国特許商標庁に出願し、今月5日付で登録決定が通知された。欧州特許
と同様、性質や機能が似た遺伝子はすべて「ファミリー」とみなされ、特許権の範
囲に含まれた。
特許が認められる期間は、出願日から約20年間。京大は今後、実用化を目指し
た研究に力を注ぐ。これまでに京大のiPS細胞関連の特許が認められた海外地
域は、欧州(NIS諸国以外)、ロシア、南アフリカ、シンガポール、ニュージーランド、
イスラエル。米国特許の成立で、世界のiPS細胞関連の特許を京大がほぼ独占
する形となった。
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【主張】 iPS細胞 健全育成へ国民的議論を 2011.8.8 02:46
マウスのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から精子を作り、体外受精によって正常
な子を誕生させることに、京都大の斎藤通紀教授らの研究チームが成功した。
iPS細胞の生みの親でもある京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は「10年は
かかると思っていた精子への分化があっという間に達成された。人間を含む霊長
類への応用には技術的、倫理的な観点から課題が残るが、研究スピードは劇的
に加速するだろう」と話している。
技術的な課題の克服は研究者に委ねるとしても、倫理的な課題は私たちの問題
でもある。この機会に、将来の生殖医療や再生医療について議論を深めたい。
iPS細胞は、さまざまな臓器や組織の細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一
つだ。山中所長らが5年前、世界で初めてマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作り、
翌年にはヒトiPS細胞の作製にも成功した。
重い病気や事故で機能を失った臓器や組織を、自分と同じ遺伝子を持ったiPS細
胞で作る技術が確立されれば、拒絶反応のない再生医療への道が開ける。iPS
細胞は、壊れた臓器や組織を修理したり機能を補ったりする従来の医療の概念を、
「作り直して入れ替える」というものへと変える可能性を秘めている。
その一方で、新たな倫理的問題も生まれる。理論的にはiPS細胞から卵子を作る
こともでき、同性間あるいは同一人の細胞だけで「生殖」が可能になるからだ。
国は昨年、ヒトのiPS細胞などに関する指針を改正した。従来は禁止されていた
生殖細胞の精子や卵子を作ることを認める一方、生殖や発生の仕組みの解明や、
新しい治療や創薬に向けた基礎研究に目的を限定し、作った生殖細胞を受精させ
ることは禁じた。
指針の改正は基礎研究の国際競争に対応しつつ、倫理的な問題に一定の枠組
みを定めたものだ。ただ、科学技術の進展は現実を超える場合もあり、将来も今
の枠組みで収まるとは限らない。一方で、常識という人間が積み重ねてきた判断
も忘れてはなるまい。
脊髄損傷や心臓病、肝臓障害などの難病患者が再生医療の実現を待ちわびて
いる。一人一人が再生医療や生殖医療のあり方を「自分の問題」として考えるこ
とから議論を始め、深めていきたい。
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京大では、iPS関連技術を基礎研究や創薬に用いてもらうよう各方面からの請求
に応じていくとのこと。今後、この分野の研究スピードは増していくものと見込ま
れます。
臓器・神経・骨格などの本格的再生医療が臨床試験段階を通過するのは一体
何年後か?
iPS細胞利用再生医療の実用化においても我が国がいの一番であることを願い
ます。
日本はこの辺遅いからな~
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