地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

今回の、尖閣諸島での中国越境漁船拿捕がもたらすだろうもの

2010年09月27日 00時13分13秒 | 時事ネタ
改革開放路線を掲げた小平時代から社会主義市場経済に移行し、独裁体制に
よる政治経済政策決定と実施速度の速さによって刻々と経済規模を大きくしてきた
中国ですが、経済規模拡大とそれによる軍備拡大により自信を深めたのか、周辺
国への威圧的行為をとることも頻繁に。南シナ海周辺諸国への示威行為に続き、
東シナ海で我が国と衝突し始めています。

ブレジネフ時代までのソ連の行状を彷彿とさせるとでも言うか、200年ほど前の欧
米重商主義を今に適用しつつあるとでも言うか、これが法に則った法治国家であ
るならばまだしも、力関係の強弱にのみ敏感に反応する対外姿勢を旨とする時代
遅れの帝国主義国家の行ないであります。

おそらく、我が国だけでなくかの国と国境(海陸問わず)を接する多くの国々が等
しくこの認識を保持しているものと思います。物凄く迷惑で傍若無人な国が隣にあ
るものではある、全く運が悪いことだ、と。もちろん、そんな感慨を述べているのみ
で懸念や課題が解消するわけもありません。

今回の尖閣諸島での我が国海保巡視船に対する中国漁船衝突事件、その後の
中国船船長逮捕と稚拙な政治的判断処分保留による釈放騒ぎが、今後、日中関
係と両国内にどのような影響を与えるのか、少し考えてみます。


まず、我が国政権について。間違いなく、この幼稚で不定見な判断は内閣支持率
の大幅な低下を招きます。長年の垢が溜まった自民党長命政権から政権交代可
能な政治風土に変更することが出来た高揚感の最後の名残も、今回の中国にお
もねるのみの非常時非力政権ぶりを見せ付けられるに及び、全て瓦解してしまう
可能性大。梅雨前まで政権の一角に位置していた一国平和主義政党のトンチン
カンな言説をみせる党首が、万が一閣内にいたとして、この事態にどの様な反応
を示していただろうかと想像してみるに、背筋の寒くなる様な思いにかられます。

今後急速に政権の求心力は低下し、今回の事件、下手すると(上手くすると?)与
党が分裂・溶解する引き金になってしまうかも。

日中関係は、恫喝すれば引き下がる弱腰であると間違ったサインを中国側に送っ
てしまったことにより、今後、中国政権側からの不当な言いがかり発生回数が増え
ることかと。漁船にカモフラージュした工作船の越境侵犯もさらに頻発することと思
います。東シナ海天然ガス田の単独開発に動きだした上で、今回の事件に対する
賠償などと理不尽を長く振り回すでしょうし、それに対する不毛な対応を延々と行
なっていかねばならぬのは明らか。今後かの国の我が国に対する強引ぶりは今以
上のものとなるはずです。

新たに越境侵犯事件が発生し海保が責任者を逮捕したとしても、中国内の日本人
をテキトーな罪状で捕縛し、重罪に処すぞと恫喝すればそれでチャラ以上となるの
ですから簡単なものです。石原慎太郎都知事がやくざ並に性質が悪いと言ってい
ますが、全く同感です。



21世紀初頭の現在、各国国家主権以上に強権を発動出来る規則も制約も権力も
存在していない不幸がこの根底にあります。戦前の国際連盟、現在の国際連合・
国際司法裁判所と言ったって、大国が駄々こねたらその効力を全く発揮できない
のが実情。西欧の順法国家群に取り囲まれた環境ならばいざ知らず、周囲に真の
友好国など存在せず、隙さえあらば相手を貶めようと虎視眈々と周囲を睨む国々
ばかりの極東に位置する我が国です。米国の庇護の下、米国に押し付けられた
憲法による「一国平和主義」のドグマにぬくぬくと浸り、現実の国際情勢に対応で
きぬ政府の無能ぶりを見、やはり国家運営を果たせるのは新保守主義右派政権
しかないか、と。ただし、自民党的政権維持互助会がそれに該当しえないのも事
実ですが。


中国に進出している日系企業は一時的に今以上の嫌がらせを受けるでしょうが、
時間の経過とともに沈静化するものと、それなりに現地感覚を持っている身、予想
しています。

今回の一件で米国の意志が垣間見えました。日米安保条約の建前上、日本領へ
の侵犯行為に対し反応する素振りを見せますが、中東に重い足かせがある今、只
単に傍若無人に振舞う中国との間で、これ以上の揉め事を持ちたくはない、との腹
の中。日米安保条約の下、米軍の庇護下、軽軍備で経済政策に予算を多く割いて
いた戦後の国家運営イメージを大きく変換しなければならないんじゃなかろーか、
と多くの方が思ってしまった今回の事件でした。


中国のレアアース輸出、外交カードに使ってくるだろうな、と予想していましたが、
案の定、非公式&公式に我が国にプレッシャーをかけてくるはやさといったら..

で、そのレアアースについて。

自動車・電子部品・光学製品などの日本の製造業が得意とする産業界で多く使わ
れるレアアース。全世界の9割以上の産出を中国に頼っている現状があります。

先端産業に多く必要とされるレアアースですが、ハイブリッド車や電気自動車の
モーター、MRIなど医療用機器に使用する永久磁石材料のネオジム(Nd)・サマリウ
ム(Sm)・ディスプロシウム(Dy)。光学用途として、レーザー製造時、特殊な波長光
の励起用にガラス中に用いられるネオジム(Nd)・エルビウム(Er)・イッテリビウム
(Yb)など。これら含め17種類の元素が「レアアース(希土類)」と呼ばれていますが、
中国は、これらレアアースをモンゴル国境に近い鉱山で、低賃金と安い経費によっ
て大量に採掘しています。米国・オーストラリア・インド・ブラジル・カザフスタンなど
のレアアース鉱山は、中国の安価採掘による鉱物価格下落に伴い採算性を悪化
させ、近年次々と採掘休止となり、中国の寡占率は結果上昇を続けており、レア
アース寡占率93%などという、中国以外の全世界にとって大変宜しくない状況と
なってしまったのです。今後の高付加価値品製造業にとって必需となるレアアース
輸出を戦略的に重商主義的に使いたいとの、中国政府の思惑が見え隠れする状
況ではあります。

ただ、ここまでお読みくださった読者諸兄お察しの通り、価格が少々上がろうとも、
中国以外の低カントリーリスク諸国での採掘再開となれば、日本の高機能品製造
業界の首根っこを押さえたつもりの中国の戦略が瓦解するのは自明。さらには、レ
アアース自体を使わずに高機能機械類を製造する技術を、数年程度時間をかけて
でも作り上げることになるとも予想されます。

今回の一件で、我が国製造業界はチャイナリスクを多方面にヘッジする必要性を
教訓とするはずです。


さらに、巨大市場として見た中国は確かに魅力的ではありますが、元々、反日教
育が強く行なわれている地、自由な思考と言論で各々が意志を高く持つことが難
しい地でもあります。これほどに馬鹿にされナメられつつモノやサービスを買って貰
わずとも宜しい、との矜持を胸に焼き付けるのにも今回の件は良い機会。当社も極
く小さい売上ではあれど中国国内ニーズに対応してはおりますが、不必要に尻尾
を振ったかの様な商行為は厳に慎むべきと己を戒めています。ただ、当社などより
も、直のお客様である在上海の日系企業様の方が数百倍難しく大変なことだろうと
思います。



これほどに敵対的行為をしかけてくる中国とは(共産政権とも経済とも)距離を置い
た付き合いをするべき、さらに、一国平和戦争放棄の幻想を持ち軽武装しか持たな
かった国家から、幻想を捨てた上で中武装、場合によっては重武装国家への衣替
えを行なうべき、との国民的コンセンサスを形成することになる今回の事件だったと
考えます。

長期的視点に鑑み、我が国の国家的意思が転換する明瞭なポイントとなった事件
だったと、後世言われることになりそうな予感。

その文脈でみるならば、ロングスパン、中国に利がない越境侵犯行為だったと、
かの国の指導者は考えてしかるべきかと。



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    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生(クロムメッキと
   全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
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    平面研削も行います。
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