地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

光駆動ナノマシン

2009年08月03日 22時29分15秒 | 時事ネタ


この手の話題には必ず反応すべし、と己に課しておりますので、
アップさせていただきます。

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光駆動ナノマシン 光で操る“細菌サイズ”ロボ

8月3日10時28分配信 産経新聞

細菌サイズの医療用ロボットが、患者の体内に入り込んで病気
を治してくれる-。SF映画「ミクロの決死圏」(1966年公開)の
ような医療技術が、実現しようとしている。名古屋大学工学研究
科の生田幸士教授が開発した「光駆動ナノマシン」だ。光で加工
し、光で動かすのが特徴で、今年2月には、世界で初めてロボッ
トによる赤血球の解剖にも成功。さまざまな病気の治療法が、根
本的に変わるかもしれない。(伊藤壽一郎)




(写真:産経新聞)


 ≪精緻な立体加工≫

「このカブトムシやロボットは細菌とほぼ同じサイズです。微細
な立体加工技術がナノマシンを実現しました」

顕微鏡の写真を見せながら、生田さんは語る。

物質をナノメートル(100万分の1ミリ)レベルの分解能で加工
するナノテクノロジーは、主に半導体分野で発展してきた。こ
の分野は平面加工が中心だが、生田さんは「立体を作りたい」
と考えた。長年、医療ロボットの研究に携り、ナノテク応用の
必要性を感じていたからだ。

精緻な立体加工を可能にしたのが、92年に開発した世界初の
「マイクロ光造形法」という技術。紫外線照射で液体から固体に
変化する性質を持つ光硬化樹脂に、凸レンズを通して紫外線レー
ザーを当てる方法で、液体樹脂内の焦点部分だけが透明に硬
化する。液体部分を洗い流すだけで設計図通りの3次元構造が
完成する。

開発当初の分解能は5マイクロメートル(マイクロは100万分の
1)だったが、その後の研究で約50倍の100ナノメートルレベ
ルまで向上した。光造形法の利点は、光学顕微鏡程度の装置
で時間も手間もかけず製造できることで、現在はナノレベル立
体加工技術の主流となっている。


 ≪生きた細胞つかむ≫

医療用ロボットとして動く原理は、微小世界で作用する物質のユ
ニークな性質を利用した。

「液体の中に置いて赤外線レーザーを照射し、部品内で焦点を
結ぶ。レーザーの焦点を動かすと、部品はそれに追従して動く」

レーザートラップと呼ばれ、物体が透明かつ微小な場合に初め
て可能になる。これを応用することで光駆動ナノマシンが実現
した。

光で動くナノマシンは「押す」「動かす」「つかむ」などの動作が
可能だ。押す機能に特化した「ナノムーバー」は、直径数マイク
ロメートルのイースト菌(酵母)や赤血球を生きたまま壁に押し
つけ、力の大きさと形状変化から硬さを計測する実験に成功した。

「生きたまま細胞を操作するのは非常に難しいが、ナノマシンだ
からこそできた」という。

 ロボットハンドのような「ナノマニピュレーター」は、モニターを見
ながらコントローラーを操作して、細胞を動かしたりつかんだりで
きる。生田さんは「さらに細かい操作が可能になるよう、対象から
はね返った力がコントローラーに伝わるシステムも完成している」
と語る。


 ≪赤血球解剖に成功≫

将来的には内視鏡と組み合わせ、人体内で動かすことを目指し
ている。患者の体外で細胞を操る再生医療への応用も期待され
ており、さまざまな医療分野で新しい武器となりそうだ。

2月には、極微の針(ナノニードル)をメスのように操作し、赤血球
の解剖に成功した。細胞内にナノマシンを入れ、細胞器官を調べ
る研究も進行中だ。

「鉄腕アトム」にあこがれ、小学生時代からロボット作りを夢見てい
た生田さんは「今の夢はロボット工学から医療に改革をもたらすこ
と。多種多様な光駆動ナノマシンを開発していきたい」と話す。


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紫外線レーザーによりナノ㍍オーダーで立体成型することに成功
した光硬化型樹脂製の「ナノムーバー」や「ナノマニュピレーター」
が、赤外線レーザーの誘導によって人体内の細胞を押したり掴ん
だりすることが出来る様になった、とのニュースです。

将来的には内視鏡と組み合わせて、人体内で細胞を動かすことを
目指しているとのこと。

手間がかかるかもしれないけれど、増殖したガン細胞をこの技術を
用いて全て除去してしまえばいいじゃん、との発想、けっして突飛
なものではなくなったと考えます。

体外でのiPS細胞作成時に使用出来そうなこと、体内の狙ったポ
イントにiPS細胞を留置する際にも使用出来そうなこと、少し想像す
るだけで、医学応用が如何様にも可能であるのがわかります。

無責任に楽観をひけらかすのは宜しくないのかもしれませんが、悪
性腫瘍や梗塞症状の劇的緩和に役立つのは間違い無しです。この
技術が本格的に医学応用される様になれば、悪性腫瘍や梗塞症
状に犯されてしまったとしても完治の可能性が極く高くなりましょう
から、それまでは精々節制精進しておき、技術展開のタイミングを
見計らいつつガンや脳梗塞になってみたいものだな、などと不穏当
に申すと厳しくお叱りをいただくことになるのでしょうが...

近い将来、過去を振り返ったならば、この技術が出現した2009年を
端緒とし、諸先進国民の平均年齢がかなりの程度押し上げられた、
と語られるのはまず間違いないと思われます。

外科的医療法を使わずに微細な組織を切除する新手法として、かつ、
iPS細胞・ES細胞による再生医療のサポート技術として、激しく有望
です。


分野が異なるので簡単に比較しにくくはありますが、筑波大や東京
農工大による知覚神経制御型パワードスーツ開発に勝るとも劣らぬ
新機軸かと。



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● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生(クロムメッキと
   全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
   と書くのが日本語的には正解)が得意です。

● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
    可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。

● マグネシウム合金上へのアークイオンプレーティング成膜が可能です。
    今まで難しかったマグネシウム合金製部品への耐磨耗性付与
    ご利用下さい。

● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
 フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工開始
    しました。

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