国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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道は今まさに作られている

2010年10月19日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
今注目のジャズ系ピアニストといえば、ヴィジャイ・アイヤーがいる。
インド系出身であり、独特な風をジャズ界に入れている。
ここにおいてジャズというのが、ワールド・ミュージックと結びつきながら
様々な方面へと枝を広げ始めたことが分かるだろう。
21世紀において画一的な方向への進歩ではなく、
ある種人がいればいるだけ、ジャズという音楽がより広がっていっているわけだ。

前にもアイヤーの『リイメージニング』を取り上げたことがあるが、
ヴィジャイ・アイヤー自身の評価やアルバムの評価というのは、
まだまだこれからされていくものであり、
彼の音楽これからのジャズを引っ張っていくというわけではない。
だが確実に言えることは、ヴィジャイ・アイヤーが奏でる旋律は、
それまでのジャズとはまた毛色の違ったものであることは誰の耳にも明らかだろう。

『ソロ』というアルバムがこの夏に発売された。
まず度肝を抜かれるのが1曲目が
マイケル・ジャクソンの歌った『ヒューマン・ネイチャー』である。
この曲はマイルスが後期によく取り上げたりもしているため
ジャズでやるのは全くおかしなことではない。
でもインド出身の肩書きから「ヒューマン・ネイチャー」とはなかなかの不意打ちだ。
次のセロニアス・モンクの「エピストロフィー」も
モンクのピアノタッチとはかなり違うアイヤーの曲の解釈が面白い。

聴いていくと4曲目まではそれまでの名曲を取り上げている。
5曲目から8曲目までがアイヤー自身の曲であり、ここにアイヤーの世界観がある。
どっしりと重い低音やごぞごぞと動き弾け飛ぶような旋律は
フリーの曲さながらの混沌と不安を与えてくる。
一方で力強く鳴るアイヤーの音がしっかりと主張をしているのが特徴的だ。

ヴィジャイ・アイヤー、これからも注目していくピアニストだろう。

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