国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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そんな仮想の音楽喫茶

小難しいことはちょっと脇に置いておこう

2010年10月20日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ネット上のニュースを見ると「死海文書、全文ネット公開へ」とあった。
『死海文書』とは、ユダヤ教と原始キリスト教を理解する上で
何やら大切な文書のようだ。
確かアニメの『エヴァンゲリオン』にもちらっと名前が出てきたこともあり、
僕も『死海文書の謎』とかいう小難しい本を購入したことがある。

それがたまたま今日書こうとしていたアルバムと関係していたから
そちらの方がびっくりだ。
先日の大阪での一品、ジョン・ゾーンの『マサダⅠ』である。
このジャケットにはその『死海文書』なるものがちらりと写っている。

特徴的なジューイッシュ・メロディーは、彼自身の出生と深く関わっている。
と、書いてみてもそれはあくまで一般的な解説書の説明であり、
僕にとってはそれのどこら辺がジューイッシュ・メロディーなのかを
判断することは難しい。
なぜなら僕はジューイッシュ・メロディー自体を聴いたことがないのだ。

まぁ、結局言ってしまえば
暴論だろうが『死海文書』だろうとジューイッシュ・メロディーだろうと
僕にとってはそんなことはどーでもいいのだ。
(おそらくジョン・ゾーンにとっては大切なことだとは思う)
中近東辺りに流れるような独特の旋律を
線の細いアルトサックスで表現するジョン・ゾーンは、
サックス奏者としてのレベルの高さをうかがわせる。
それにピタリと合うようなデイブ・ダグラスのトランペットは、
力強くかつ脇からしっかりと細く伸びるアルトの音色を支える。
何よりもドラムのジョーイ・バロンのメリハリがあり、
ズンズンと迫ってくるような力みなぎるドラミングは、
ただのキワモノ演奏ではないことを証明している。

僕のお気に入りトラックは5曲目の「TAHAH」である。
カッカッカとドアノックを繰り返すジョーイに
2人のホーン奏者がしつこいほどテーマをリフする。
絡みつくようなホーンのアドリブはまさにジャズの快楽だ。

世界が広がるということは難しい問題も様々生まれてくる。
だが一方でそうした理屈を抜き、昇華されていくものもあるのだ。

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