国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

道徳家が必要なのか? それともホンモノの音楽が必要なのか?

2009年06月11日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
スタン・ゲッツというと
何かとお騒がせな人として名前がよく聞かれる。
日本人が嫌いだったらしく、
来日直前にギャラを引き上げたり、
日本で演奏する時は全くの手抜きだったりと
まぁ、人としてどうなのか的な感じである。
そこら辺のエピソードは、
中山康樹氏の『ジャズメンとの約束』(集英社文庫)の
「ゲッツの約束」辺りを読むと面白く書いてある。
また、村上春樹氏の『意味がなければスイングはない』(文春文庫)
にもゲッツについてのことが書いてあるので一読をお薦めする。

ただ、ゲッツの話を聞くと、
僕は中国の「漢」の立役者である陳平のエピソードがだぶってしまう。
漢の高祖、劉邦の所に敵方から策略家の陳平が逃げてきた。
昔、助けてもらった恩もあり、
また策略家ということで劉邦は重く取り立てるが、
新参者がいきなり高い地位につくと、
古参の者たちが騒ぎ立てる。
そこで陳平があれやこれやと道義に外れることをしていると劉邦に訴えた。
劉邦は怒って陳平を呼ぶのだが、そこは策略家。
のらりくらりと言葉で巧みにかわしていく。
そして一言。
「あなたには道徳家が必要なのですか?
 それとも策略家が必要なのですか?」

まぁ、屁理屈と言ってしまえばそこまでなのだが、
確かにこの時の劉邦は、道徳家よりも策略家が欲しかったため
小さいことは気にしない精神で、全てを水に流してしまった。

ゲッツは僕らに聞くだろう。
「お前たちには道徳家が必要なのか?
 それとも俺の音楽が必要なのか?」と

最近のジャズメンが今ひとつなのは、
あまりにも規則正しい生活を送っているためだ、という噂がある。
正しくないものは正しくない。
だが、ゲッツの生み出した音楽はやっぱり凄いのだ。

本当はアルバム紹介までいきたかったが、
続きは明日にしよう。

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