国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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そんな仮想の音楽喫茶

「書くこと」と「描くこと」が伝える思い

2012年01月08日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
今はメールで手軽に相手とコミュニケーションを取ることができる。
数年会っていない友人とも年賀のやりとりをメールで行ったりした。
それはそれでいいものだが、元日に来る年賀状も良いものだ。
書くにはそれなりの労力が伴うが、手書きの字を見ると、相手の様子も直に伝わる。

古来より手紙は相手に思いを伝える手段であったわけだ。
そんな手紙に関する絵が渋谷のBunkamuraに来ている。
『フェルメールからのラブレター展』である。
僕にとってフェルメールはベスト3に入る画家である。
数年前にもフェルメールが来た時は観に行ったし、
テレビ東京系の『美の巨人たち』もフェルメールの時は忘れずに見る。

ヨハネス・フェルメールは17世紀オランダの画家である。
市井に住む人の情景を描いた画家として有名で、
「カメラ・オブスキュラ」つまりピンホールカメラを使って絵を描いたと言われている。
描写は正確で、なおかつ優雅に当時の女性の様子を描いている。
外からの光の差し込みを人物に当て、一方で生まれる影を的確に落とし、
室内の風景をリアルに浮かび上がらせる。
絵には寓意も持たせているのだが、パッと見ると必要以上に多くを語っておらず
見る人の想像を沸き立たせてくれる。

今回はタイトル通り3枚の手紙に関するフェルメールの絵が目玉として展示されている。
「手紙を読む青衣の女」は、特に洗浄をしてからの公開であるため
文字通り青衣のラピスラズリの色が鮮やかに柔らかく映えていた。
手に握る手紙は遠い異国にいる恋人からの手紙だという。
昔は異国からの手紙が届くまでに2年という歳月を要したという。
力強く握りしめる女性の表情は硬く、何を思って手紙に目をやっているのだろうか。

他に「手紙を書く女」と「手紙を書く女と召使い」が来ている。
フェルメールは作品数が少なく、未だ真作か不明な作品もあるが、
「全作品を見られそう」というコンプリート感がある。
現に今年はフェルメールの一番有名な「真珠の耳飾りの少女」も来日予定である。
ここしばらくは美術館通いをしていなかったのだが、
フェルメールが来るとなれば重たい腰をあげなくてはならない。

フェルメールからの少々大きな「手紙」だが、
そこに描かれているのは時が流れても変わらない人の思いなのだろう。

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