国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

2011年、ラブホテル群に近未来を感じる

2011年11月28日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
今日は出張でちょっと遠くまで行ってきた。
最近では車中で「短い時間ならば…」と音楽を聴くよりも
ラジオを聴いてしまうのだが、遠くまで行くとなると別だ。
朝、忙しいにもかかわらず、眠い頭で今日に合ったアルバムを思い浮かべる。

そこで今日出てきたのが、デレク・トラックス・バンドの
『ソウル・セレナーデ』である。
これは先日もブログで取り上げたピーター・バラカン氏が、
『ピーター・バラカン音楽日記』(集英社インターナショナル)で
ふれているアルバムでもある。
バラカン氏はこのアルバムを車で聴いてとても気に入ったと書いている。
「それならば」と思って、取り出してみたわけだ。

出張が少々長引いてしまい、帰りは高速を使おうと
とあるインターから乗り込んだ時のことである。
インターはちょっと近未来的な曲線を描いた道路が特徴的である。
しかもその外側に林立するのがビル上のラブホテル群。
特徴的な明るい外光と窓にぼんやりと映るほのかな明かり。
ちらりと動く人影。
疲れのせいか意味もなく気分が盛り上がってくる。

そこに『ソウル・セレナーデ』の「アフロ・ブルー」が流れ出す。
あのコルトレーンもやっている曲だ。
デレク・トラックスの激しく身悶えもするようなギターの音が
たまらなく僕を刺激して、グッとアクセルを踏み込む。
凄まじいまでの高揚感と渦を巻くような感情がほとばしり、
ふっと気が付くとスピードがかなり出ていた。

「アフロ・ブルー」が終わると、その気持ちも随分と収まったのだが、
高速道路をひた走っていると、それこそ時間や空間から切り放たれたように
自分の存在が一時何か別のものに取り込まれていくかのようだ。

残念ながらこのアルバムのジャケットのように道端を歩く女性はいなかった。
だが、道はどこまでも真っ直ぐに続いていた。

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