国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

たまには幸福があちらこちらに

2011年07月25日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
「夏は海だ、山だ、サマージャンボだ」と俳優の西田敏行が歌い上げる。
こちらの突っこみをまるでお見通しと如く
「って、ちょっと強引だったでしたか~」とくるもんだから、
なかなか上手いCMだ。

僕は宝くじを買わない。
買って当たる「夢」はいくらでも見るのだが、
結局は当たらないのが自然だからである。
それでも買わなければ当たらないのだが、
「紙くず」同然を買うのならばやっぱりジャズの1枚でも買った方がいいだろう。

ただ、この人のジャケットを持っていると
何となく当たりそうな気がするほどラッキーな気持ちになる。
何せラッキー・トンプソンである。
たまに妙な名前の人を見かけたりもするが、
「ラッキー」と付けて似合うのは西洋系の人か、それとも名犬ぐらいなものである。

今日のアルバムはラッキー・トンプソンの『ラッキー・ストライクス』である。
ラッキーの上に、ストライクとど真ん中を狙い打つかのような
幸運びっくりアルバムだ。

まぁ、そもそもラッキー・トンプソンが何者かというのは
僕にはよく分からない。
でも、テナーやソプラノサックスを鳴らしていて、
しかも随分長く活躍をしていることは何となく知っている。
知ってはいるが、日常的に取り出して聴く人ではないだろう。
だからといって聴かないのももったいない。
1曲目はあの名曲「イン・ア・センチメンタル・ムード」である。
ハンク・ジョーンズが「ポロポロポロ」と可憐なピアノを弾けば、
そこに柔らかく、ゆったりとたゆたうようなソプラノサックスがメロディーを聴かせる。
伸びやかに歌うラッキー・トンプソンのソプラノは、
「ああ、ジャズっていいもんだなぁ」と納得させるほどの幸福感が生まれる。
ハンク・ジョーンズとの呼吸も良く、上質な演奏だ。

って、やっぱりネタとしては強引でした?