国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ちょっとお祈りをしようじゃないか?

2009年07月17日 | マスターの独り言(曲のこと)
1966年7月17日、ジョン・コルトレーン永眠。

ジャズ喫茶では、7月17日によくコルトレーンのアルバムが流れる…らしい。
と、いっても僕は、7月17日にジャズ喫茶に
行ったことがないためちょっと分からない。
ただ、やはりジャズを聴く者にとって、7月17日が特殊になる人が多いようだ。

まぁ、ここでコルトレーンのアルバムを紹介するのも
当たり前すぎるような気がするので、
ローランド・カークの『ヴォランティアード・スレイヴリー』の
「アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー」を取り上げよう。

ローランド・カークといえば、
1人でサックスを3本ぐらいくわえて吹いてしまうという
キワモノ系で紹介をされることが多いが、
ただ単にそれだけの人ではない。

僕は初めに『溢れ出る涙』を聴いてしまい、
その陰鬱な雰囲気にちょっとやられてしまい、
このアルバムを買った時には、すぐに聴く気にはなれなかった。
だが、聴いてみれば全く最初のイメージと違う。
底の抜けるほどの明るさと、地獄の釜茹でのような熱さと、
物悲しい鬱さがミックスした大名盤である。

カークは元々テナーマンである。
カーク自身もコルトレーンを非常に尊敬していて、
このアルバムはコルトレーン死後2年して発表された。
「アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー」では、コルトレーンの影響が出ている。
イントロが『至上の愛』のイントロと近い。
また、曲内ではパート2「決意」のテーマが使われている。
とにかくコルトレーンのように騒々しくありながらも、
心を打つ吹きっぷりなのだ。
もともとキング牧師に捧げられた歌であるのだが、
カークにとってはコルトレーンへの鎮魂歌としての
意味合いも持っているのではないか?

さぁ、僕たちもちょっと「小さなお願い」をしてみようじゃないか?