信州美麻温泉 もくじき荘

　この日の締めと考えていた前施設での入浴が、何とも消化不良で終わってしまったので、帰り道の途中でどこか1箇所、温泉施設に寄っていくことにしました。帰り道の道沿いにある「美麻温泉 ぽかぽかランド美麻」が一番の候補でしたが、日曜日の午後で混雑が予想されるため、少し帰り道から逸れた所にある「もくじき荘」に寄ることにしました

　もくじき荘は、旧美麻村（現大町市）の中心と旧信州新町川口（現長野市）を結ぶ県道394号線沿いにあります。周りに何もない山間にポツンと建っており、途中に看板等もないので、事前に場所を調べておくかカーナビに頼らないと辿り着けそうもありません今回はカーナビの力を借りて無事到着しました

　宿泊もできる施設は思っていたより規模が大きく、本館と新館に分かれています。宴会もできるようなので、周りに何もないこの地では、宴会がメインでしょう宴会のついでにひとっ風呂というのが、この温泉の一番の需要かも知れません。

　料金600円を支払い、浴室に入ると、内湯浴槽は木製風呂でなかなか立派です浴槽は大小の浴槽に仕切られていますが、小浴槽には湯は入れられていませんでした。源泉浴槽があるという話もあったので、小浴槽がそうだったのかも知れません。源泉浴槽に入れないのは少し残念でしたここの泉質については分析表が掲げられていないので不明ですが、長野県温泉協会の湯の使用法の表には炭酸水素塩泉とあります。加温していることから炭酸水素塩泉系の冷鉱泉だと思われます。

　内湯大浴槽には無色透明、無味無臭（木の浴槽なので少し木の香りがする）の湯が満たされていて、ジェットで豪快に流れが起きています。特徴らしいものはほとんどないですが、若干泡付きとツルスベ感があります泡付きはジェットによる気泡が原因でしょう。お湯は循環であるものの、塩素臭はほとんどせず劣化した感じもない、比較的新鮮でさっぱりとしたお湯でしたそして何と言っても、適温の湯が気持ちよかったです

　
　もくじき荘には露天風呂もあって、こちらも日本庭園風に設えてありなかなか立派です露天風呂の湯は、内湯と特に変わった点はないですが、ジェットがないので落ち着いて湯浴みができます（泡付きなし）。庭園の景色を眺め、そして涼しい風に当たりながらの入浴の気持ち良さは、お湯の個性の少なさを十分カバーするものです。温泉は本当に気持ち良く浸かれてナンボであると思いました

　もくじき荘の温泉は、この地域ではよくある、特徴があまりない、または循環等で消え失せてしまっている冷鉱泉の沸かし湯です。近くでは美麻温泉 ぽかぽかランド、不動温泉 さぎり荘も似たような感じです。この地域は長野県の中でも温泉に恵まれない地域と言っていいでしょう。そんな温泉マニアからすると物足りない温泉でも、適温で、殺菌剤投入量を最低限に留め、新鮮さが失われていないお湯であれば、十分に気持ち良く入浴できます実は、こういう施設は結構少なかったりするのです。経営は大変なのではないかと想像しますが、これからも頑張ってもらいたい施設ですね