信州金熊温泉 金太郎乃湯 明日香荘

　安曇野市での所用を済ませた帰り、帰り道の国道19号から比較的近い位置にあるので、旧八坂村（現大町市）の温泉施設「明日香荘」に寄ってみることにしました。
　山清路で国道19号から脇道の県道55号に入って15分ほど、山の中腹の斜面に建つ明日香荘に到着。結構山深く感じましたが、旧村役場（現八坂支所）はもっと山の上です

　施設に入ると、明日香荘はなかなか規模の大きな施設であることに気付きます。それもそのはずで、宴会や宿泊もできる施設なのです。一時運営会社が破産し閉館していた時期があったようで、ちょっと小さな村にしては施設が大き過ぎるような気もします。それは温泉設備も同じで、脱衣所と浴室は広く作られ、サウナもあります。地元の温泉施設なんかよりよっぽど立派ですね。利用する方にしてみれば綺麗で広くありがたいですけど、採算が取れるかというとやはり疑問符が付くきます

　浴室の中には、細長い浴槽がでんと横たわっており、左端はジェットバスで、大浴槽とは仕切られており小浴槽となっています。大浴槽の右端は渦流浴（泡風呂）となっていて、浅い水深の半身浴エリアにつながっています。大浴槽の残りの部分は通常の深さとなっていますが、この部分だけでも結構な広さがあります。外に面した壁は全面ガラス張りになっていて眺望もなかなかのものお湯の投入口は見えないし温泉浴槽としての情緒はないけれども、凝った造りではあります

　さて、肝心のお湯の方は、無色透明、無味無臭。泉質は単純硫黄冷鉱泉なので、当然湯の使用法は循環式、加温及び殺菌剤添加ありで、この使い方では繊細な硫黄成分はひとたまりもなく消えてしまいますこれは単純硫黄冷鉱泉を使う施設ではだいたい同じことが言え、この近辺では単純硫黄冷鉱泉が多いからどこもこんな感じです。ただ塩素臭はそれほど気にならないレベルで、浸かっていて嫌な気分になることはありませんでした。かえって湯温も適温だったことから、湯上りはさっぱりして気持ちいいくらいでしたね

　パンフレット等では「美人の湯」と謳っていて、正直そんなレベルの湯ではないと思いますが、設備は整っているので使い勝手が良く、入浴客も多くはないことからゆっくりと湯に浸かっていることができます。温泉にあまり恵まれていないこの周辺の地域の中では、案外悪くない施設なのでは？と思いました