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寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

墓参ふたたび。

2005年09月02日 20時39分11秒 | バアバの生活手帳
母が墓参りに行きたいと言う。聞けば以前お隣さん同士だった花屋のYさん。昨年5月に奥さんが亡くなり、あとを追うように11月、ご主人がお亡くなりになられた。膝に水がたまり外反母趾が痛いであろう母の手を取り、北駿の山の寺へ墓参。辺りではもう稲穂が垂れ、最後の蝉が精一杯鳴いている。 年を重ねる度に親しい人を一人、また一人と見送る母。次は自分の番と、いつお迎えがきても良いように身支度をしているかに見える。もう遠い昔、祖母の葬式の日の弔辞が今も耳に残る~
十万の人に十万の母あり、されど我が母に勝る母はなし。
年々小さくなる母に孝養の限りを尽くさねばならぬ年代に今、居る。



今日一日、腹を立てない事
今日一日、嘘をいはない事
今日一日、物を無駄にしない事~昭和5年10月13日宮崎県門川にて/山頭火

盆中墓参り~忠霊塔を仰いだ。

2005年08月17日 01時34分14秒 | バアバの生活手帳

母方の祖母は十人兄弟の長女。三人の弟を戦争で亡くした。
母の供で盆中墓参り、この忠霊塔には三十三人の英霊が祭られている。
岩崎三郎・母の叔父に当たる。昭和20年6月6日、比島ニテ陣歿、と彫られていた。
享年26才、時に母18才。『いい男だったねぇ』 と遠い顔をして見せた。


寅の子文庫のある町、静岡県駿東郡清水町。

墓地から東の空を仰ぐ。
箱根外輪山は静かに座している。
狩野川に架る徳倉橋が木製から鉄のトラス構造に変ったくらいで、
昔も今も、たいして変らない風景だと思う。

母は小さいときから、ずうっとこの故郷の青い空を仰いでいる。
今日もこの場所に立ち、叔父と昔の話の続きをしている。