寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

片付けて涼風すいと通しけり~馬一呵さん、有難うございました。

2005年08月11日 07時03分56秒 | オンライン古書店
七月の梅雨が明けたばかりの23日・土曜日に1本の電話を受けました。『本を整理したので持って行ってください~。』 場所は三島市、ご近所だったのでさっそく訪問。見れば30年前の中央公論社から出た日本文学全集と集英社の現代世界美術全集が合わせて100冊余り。お金は要らないから、お役に立ててください~とのもったいないお話に菓子折りをひとつ置いて、全部引き取ってきました。あれからもう二週間以上も経ちますが、いまだ整理がつかずに、積ん読状態になっています。

昨夜、グーグルの検索で、俳句日記、のページに寅の子文庫の記事を見つける。
喜びも悲しみもこの100冊には深く凝縮されているような気がします。本は命を持ちませんが、心の中でその意味は反芻され、言葉として活かされ続けます。そして、ひとつの使命を終えた本は次の使命を果たそうと、新しい主人を探して人から人へと手渡しの旅に出るのです。その最初の手渡しが寅の子文庫の私。私にはこの100冊を手放そうと決心をなされた馬一呵さんのお気持ちの万分の一にも及びませんが、わずかに琴線に触れる思いがしました。この100冊こそ生活の断片であり、それをそのまま剥ぎ取ってきたように思えてならないのです。人の思いの詰まった本こそ古本の値打ち、汚れていたり多少の傷みは当たり前と考えます。そこに書き込みがあったり、記名を見つけたときは、いったいどんな人が読んだのだろう!と、想像は膨らみ素敵に思えるのです。そんな本こそ読みたい、売りたいと思うのです。

『片付けて涼風すいと通しけり』 7月23日/素敵な句をありがとうございました。
『涼風の行き場探せや本100冊』  8月11日/少しずつ句を覚えたい寅の子店主。

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